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耐水ペーパーと紙やすりの用途の違いや使い分け、それぞれのメリット・デメリットについて解説します

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皆さんは、耐水ペーパーと紙やすりの違いについてご存知でしょうか。

耐水性ペーパーと紙やすりは用途が似ているため、いまいち使い分けが理解できていない方も多いと聞きます。

ということで今回は耐水ペーパーと紙やすりの使い分けついて、用途の違いや使い分け、それぞれのメリット・デメリットについて解説していきます。

これから研磨加工をおこなう予定の方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。

耐水ペーパーと紙やすりの違いについて

研磨作業を行う際、耐水ペーパーと紙やすりは共に重要なツールです。しかしその特性や適した用途には違いがあります。

ここでは両者の特徴や使い分けについて、詳しくまとめました。それぞれの長所を理解し、より効果的な研磨作業を行ってみてください。

耐水ペーパーとは?主な用途について

耐水ペーパーは水に濡れても破れにくい、特殊な紙に研磨材を塗布した研磨シートです。

通常の紙やすりと比べて、水を使用しながら研磨作業を行います。耐水ペーパーのおもな用途も見ていきましょう。

用途

解説

金属の研磨

耐水ペーパーは金属表面の研磨に適しており、とくに水や油を使用しながらの作業に最適。

塗装作業

塗装前後の仕上げや下地調整に使用され、水を使うことで滑らかで均一な仕上がりを実現。

自動車関連

車のボディ研磨や、ヘッドライトの黄ばみ取りに使用。

水回りの清掃

キッチンやお風呂の、金属部分の水垢取りに活用。

プラモデル製作

プラスチック部品の表面仕上げに使用。

精密機器の研磨

水を使用することで熱の発生を抑え、精密な研磨作業が可能。

耐水ペーパーは水を使用することで研磨時の摩擦熱を抑え、削り屑の飛散を防ぎ、目詰まりを軽減する利点があります。

また水だけではなく、油を使用した研磨作業にも最適です。

紙やすりとは?主な用途について

紙やすりはさまざまな材料の表面処理に幅広く使用される、汎用性の高い研磨シートです。

おもな用途は多岐にわたり、日常的な DIY から専門的な工業製品の加工まで幅広く活躍しています。

紙やすりのもっとも基本的な用途は、「表面の平滑化」。木材や金属の表面を滑らかにし、仕上がりの質が向上します。

また切断や加工後に生じたバリや細かな突起を除去し、安全性と見た目を改善するのにも◎。

塗装作業においても、紙やすりは重要な役割を担います。塗装前の下地処理として、表面を適度に粗く研磨。

すると塗料の密着性を高められるので、塗装の耐久性を向上させます。さらに複数回塗装する際は、各層の間で軽く研磨するとより滑らかに。

古い塗装の除去や、再塗装、補修の際にも活用されます。

金属加工では、錆や酸化膜の除去に最適です。木材や金属の角を丸めたり、面取りをしたりする作業にも適しています。

耐水ペーパーと紙やすりの違いについて

耐水ペーパーと紙やすりの大きな違いは、用途にあります。以下の表で、両者のおもな違いを比較してみましょう。

特徴

耐水ペーパー

紙やすり

耐水性

水に強く、濡れた状態で使用可能

水に弱く、濡れると破れる

使用方法

水をつけて研磨

乾燥した状態で使用

適した用途

金属、塗装面、精密部品の研磨

木材、プラスチック、厚塗り塗装の剥離

研磨剤の粒度

一般的に80番〜1200番以上の番手がある

一般的に80番〜600番程度の番手

耐久性

目詰まりしにくく、長持ちする

すぐに劣化し交換が必要

耐水ペーパーの大きな特徴は、その名のとおり「水を使用しながら研磨作業ができる」こと。水を使用すると、以下のような利点があります。

  • 摩擦熱の抑制:水が潤滑剤の役割を果たし、研磨時の摩擦熱を軽減
  • 削り屑の除去:水が削り屑を洗い流すため、目詰まりの低減
  • 均一な仕上がり:水の存在により、より滑らかで均一な仕上がりを実現

一方で通常の紙やすりは乾燥した状態で使用するため、水分に弱い素材の研磨に適しています。

耐水ペーパーは金属の研磨や塗装面の仕上げ、より精密な作業に最適です。耐久性も高いため、長時間の使用や繰り返しの使用に適しています。

紙やすりと耐水性ペーパーの使い分ける理由

紙やすりと耐水ペーパーを使い分ける理由は、それぞれの特性と用途の違いにあります。

まず紙やすりは通常の紙を基材としているため、水に弱く、乾燥した状態での使用に最適です。

一方で耐水ペーパーは、水に強い特殊な紙や合成素材が基材。水を使用しながらの研磨作業が得意です。

この材質の違いは、用途の違いにも直結します。紙やすりは木材やプラスチックといった、水分に弱い素材の研磨に適しているでしょう。(乾式研磨作業全般に使用)

対して耐水ペーパーは、金属の研磨や塗装面の仕上げ向き。水を使用する研磨作業に向いています。(湿式研磨を活用する作業全般に最適)

研磨特性においても、両者には明確な違いがあります。紙やすりは乾式研磨なので摩擦熱が発生しやすく、研磨粉も飛散しやすいです。

耐水ペーパーなら水を使用するため、乾式研磨のデメリットを克服しています。

上記の違いを理解し、作業の内容や対象物の材質に応じて使い分けなくてはなりません。

  • 木材の研磨には紙やすり
  • 金属や塗装面の仕上げには耐水ペーパー

上記は一例ですが、それぞれの特性を活かして選択するのが重要です。適材適所で使い分けて、作業効率の向上と高品質な仕上がりを両立させましょう。

番手(研磨剤の粗さ)ごとの使い分け

研磨作業を行う際、適切な番手を選択しないと仕上がりが悪くなります。

番手は研磨剤の粒子の粗さを表す指標です。数字が小さいほど粗く、大きいほど細かくなると覚えておけば間違いありません。

作業の目的や対象物の状態に応じ、適切な番手を選ぶためには知識が必要です。ここでは番手とその特徴を見ていきましょう。

粗目の主な用途

粗目のサンドペーパーは、一般的に#40から#100の番号となっています。研磨作業の初期段階で重要な役割を果たすものです。

おもな用途は荒材のサンディングや塗装の除去、材料の荒加工。

表面が粗い素材を初めて研磨する際、粗目のサンドペーパーは大きな凹凸や不均一な部分を素早く削り取れるでしょう。

古い塗装や厚く塗られた塗料も効率的に除去できます。素材を大まかに形作る初期段階でも、粗目のサンドペーパーが最適です。

ただし粗目のサンドペーパーは素材を急速に削り取るため、使用する際は注意しなくてはなりません。

過度な研磨は素材を傷つけたり、意図せず形状を変えてしまったりする可能性があります。

適切な圧力と時間で作業を行い、必要に応じてより細かい番手のサンドペーパーに移行していってください。

中目の主な用途

中目のサンドペーパーは、#120から#240の番号が該当します。こちらも粗目と同じく、幅広い用途に使われるものです。

おもな用途は塗装前の下地調整。表面の細かな凹凸や傷を均一に整え、塗料の密着性を高めるのに適しています。

木材の場合だと粗目で荒削りしたあとの仕上げ研磨や、塗装前の最終調整に使用されることが多いです。金属表面のサビ取りや、軽度の傷の除去にも効果的。

塗装作業なら、中塗りの前後にも中目サンドペーパーが活躍します。塗膜の凹凸を整え、次の塗装層との密着性を向上。

古い塗装を除去する際の初期段階でも使用されることがあります。

中目サンドペーパーは粗目と細目の中間的な存在として、さまざまな研磨作業の要となるでしょう。

細目の主な用途

細目のサンドペーパーは、#280から#600の番号です。仕上げ段階の研磨作業で重要な役割を果たします。

この粒度のサンドペーパーは表面を滑らかに仕上げ、微細な傷や凹凸を取り除くのに最適。

おもな用途として、塗装前の最終仕上げがあります。細目サンドペーパーを使用すると塗料の密着性を高めつつ、美しい仕上がりを実現できるでしょう。

とくに木材の場合、丁寧に研磨すれば木目を際立たせ、高級感のある仕上がりを得られるはずです。

金属加工でも、細目サンドペーパーは重要となります。鏡面仕上げの前段階や、細かな傷の除去に向いているでしょう。

またプラスチックや樹脂製品の表面処理にも適しており、光沢のある滑らかな表面を作り出すのに役立ちます。

ただし細目サンドペーパーは、その特性から慎重な使用を行わなくてはなりません。

過度の研磨は素材を傷つける可能性があるため、適切な圧力と時間で作業を行ってください。

極細目の主な用途

極細目のサンドペーパーは、一般的に#1000以上の番手を指します。最終仕上げや、精密な研磨作業に使用される重要な紙やすりです。

この粒度はおもに、塗装の最終段階で活躍します。とくに塗装の2度塗りをする前の下地調整に最適。

刷毛跡を削ったり、オイルステインの塗装時にウェット研磨で使用されたりします。

極細目サンドペーパーを使用すれば、非常に滑らかで均一な表面を作り出せるでしょう。塗料の密着性も高めつつ、美しい光沢を実現します。

また金属加工では鏡面仕上げを実現するのに必要で、よく仕上げの前段階として使用されることが多いです。

極細目サンドペーパーは、水を使用したウェット研磨にも適しています。耐水性のある極細目サンドペーパーなら、水研ぎ油研ぎどちらも使用可能。

ご紹介するのは極細目までですが、必要に応じてもっと細かい番手に移行するのもおすすめです。(超極細目や超微粒子、なんて名称で販売されています)

サンドペーパーを買うならおすすめしたいメーカー

日本のサンドペーパー市場には、高品質な製品を提供する優れたメーカーが存在します。

中でもNCA、三共理化学、KOVAXはおすすめです。長年の経験と技術力を活かし、さまざまな用途に適した研磨材を開発しています。

NCA

NCAは、1963年に設立された日本の研磨材メーカーです。同社は幅広い産業分野で高い評価を受けています。

具体的には自動車、鉄鋼、ステンレス鋼といった金属関連分野から木製品まで、多様な用途に対応する研磨材を提供中。

ちなみにNCAの紙やすりは、高品質と多様性が特徴となっています。

例えばMETABRITシリーズは乾式、湿式両用の耐水性クロスシート。かんたんに裂ける便利な製品です。

SOFLEXシリーズなら非常に柔軟性があり、曲面や小さな面積の研磨に適しています。

NCAの製品がおすすめされる理由は、その品質と多様性にあります。

セラミック研磨材製品やパターンコーティング製品「ASTRA」、不織布、滑り止めと幅広い製品ラインナップを保持。さまざまな研磨ニーズに対応できます。

三共理化学

三共理化学株式会社は、埼玉県桶川市に本社を置く研磨材の総合メーカーです。1963年の設立以来、研磨布紙や砥石の製造・販売を行っています。

同社の紙やすりはNCAと同じく、高品質と多様性が特徴です。例えばDCCSシリーズは車両・金属の塗膜全般研磨に最適。乾式・湿式両用で使用できます。

LCCSシリーズは柔軟性があり、曲面や複雑な形状の研磨にも良いです。

ベルト型の研磨紙も豊富に取り揃えていて、DCCシリーズは塗膜研磨のスタンダード品として塗膜全般に使用できます。

アフターサポートも手厚く、高品質で多様性、技術サポートを兼ね備えたおすすめメーカーです。

KOVAX

KOVAXは自動車塗装技術をルーツに持つ、研磨布紙および研磨用品の製造・販売を行う日本の企業です。

創業者は「金杉塗り」として、自動車フェンダー塗装の名人と呼ばれていました。その技術と経験が製品開発に活かされています。

KOVAXの紙やすりは、高品質と優れた性能が特徴です。強靭なペーパー基材を採用しており、研磨時の破れやヨレが生じにくくなっています。

鋭い切れ味と耐久性・柔軟性とコシの強さという、相反する要素をうまく両立させているメーカーです。

例えば「ネクストタイスイペーパー」はカミソリのような切れ味を持ち、耐久性に特化。「オービタルペーパー」は優れた切削力と耐久性を持ち、作業効率が高いです。

上記の特徴により、KOVAXの製品は自動車塗装や木工、金属加工と幅広い分野で選ばれています。

まとめ

今回は耐水ペーパーと紙やすりの使い分けついて、用途の違いや使い分け、それぞれのメリット・デメリットについて解説していきました。

この他にも、DIYや電動工具について知っておきたい知識は、まだまだあります。

ぜひ、その他の関連記事も読んで参考にされてみてください。