フレコンバッグとは?種類や規格の選び方について解説します
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フレコンバッグは粉末や粒状の物を大量に保管、運搬するために利用される袋状の容器です。
ポリプロピレンという丈夫な化学繊維で作られており、耐荷重や耐久性に優れている強みを持ちます。
そんなフレコンバッグですが、種類や規格が様々あり、どれを選ぶべきか悩む方も多いです。
ということで今回は、フレコンバッグについて用途や種類ごとの特徴、選び方のポイントなどを解説していきます。
これからフレコンバッグ選びをされる方は、ぜひ最後まで読んで参考にされてみてください。
フレコンバッグとは?
フレコンバッグは、正式名称を「フレキシブルコンテナバッグ」といいます。粉末や粒状の物を大量に保管・運搬するため、柔軟性を持たせた袋状の容器です。
ポリプロピレンやポリエチレンといった丈夫な化学繊維で作られており、引張強度や耐摩耗性に優れています。
フレコンバッグの特徴も見ていきましょう。
- 軽量で便利:1枚あたり約2kgと軽量
- 折りたたみ可能:使わないときは折りたたんでコンパクトに保管
- 頑丈で大容量:標準的なサイズで1立方メートルの容量があり、最大耐荷重は約1トン
- 吊りベルト付き:丈夫な吊りベルトがあり、フォークリフトやクレーンで吊り上げ可能
フレコンバッグは穀物や飼料、肥料、土砂、粒状の原料や廃棄物といった、幅広い分野での保管・輸送に使われています。
しかもコンテナやパレットに比べて安価なので、使用後の保管スペースも省略できるでしょう。物流の効率化に貢献している製品です。
フレコンバッグの用途
フレコンバッグはとても利便性が良く、汎用性も高いものです。さまざまな分野で幅広く活用されています。
それぞれの用途を見ていきましょう。まずは農業分野での活用です。
- 米、麦、大豆、トウモロコシといった穀物の収穫や出荷時の保管に使用
- 肥料、飼料、種子の保管や輸送に利用
次に建設・土木分野での活用例も見てみましょう。
- 砂、砂利、セメント、コンクリート、石材といった建設資材の保管や輸送に使用
- 建設現場で発生する廃材やリサイクル資源の回収に利用
実は化学や工業分野での活用も進んでいます。
- 樹脂ペレットや粉末、工業原料の保管や輸送に使用
- 塩化ビニールやポリエチレンといった合成樹脂、染料、塗料、化学薬品の保管に利用
衛生面に配慮されたフレコンバッグを使えば、食品分野での活用も問題ありません。
- 食品原料の保管に使用
- 防カビ性に優れたフレコンバッグを用いて衛生管理に活用
環境・廃棄物分野での活用もよく見かける用途ですね。
粉粒状廃棄物をはじめ、がれき類、木くず、ばいじん(煤塵)、汚泥といった幅広い産業廃棄物の収集・運搬に使用されています。
以上のようにフレコンバッグは、農業や建設、化学、食品、環境と多岐にわたる分野で活躍中です。
原料や製品の保管・輸送、廃棄物の回収と、その高い汎用性を活かした用途で利用されています。
フレコンバッグを導入すれば作業の効率化だけではなく、コスト削減、安全性の向上が実現しやすいでしょう。
フレコンバッグの種類と規格について
フレコンバッグはその用途や扱う物質に応じ、さまざまな種類や規格が存在します。適切なフレコンバッグを選択すれば、作業の効率化や安全性の確保に直結できるでしょう。
そこでこの項目では、フレコンバッグの種類と規格について詳しくまとめました。
材質や形状、サイズの違いを理解し、用途に合ったフレコンバッグを選ぶポイントを押さえるのに活用してください。
フレコンバッグの種類
フレコンバッグは形状や機能に応じ、大まかに分けて以下6種類があります。
丸型フレコンバッグ
丸形は円筒形状をしており、内部の材料が均等に分散しやすいです。充填と排出が効率的なのも特徴。
一般的に広く使われており、安価な商品も多いです。よく見かける形状です。
角型フレコンバッグ
角形は形状的にとても安定しています。積み重ねる際、バッグ同士のスペースを考えなくても問題ありません。
倉庫内での効率的な保管や、車両での運搬に適しています。
排出口付きフレコンバッグ
排出口は、底部に材料を排出するための特別な口を設けたものです。材料をスムーズに排出できます。
こちらを利用すれば、必要量の材料を排出して無駄を減らせるでしょう。
内袋付きフレコンバッグ
内袋付きは、内部にプラスチック製(またはほかの素材)でできた内部ライナーが組み込まれています。
この内袋があれば湿気や汚染、微粒子の侵入を防御。材料の品質を維持できます。
内袋付きを使うときは、湿気に敏感な材料や食品、薬品、化学物質の輸送を行うときが良いでしょう。
耐候性大型土のう袋
耐候性大型土のうタイプは、気候に強い特殊な加工が施されたタイプです。
とくに紫外線への対策が強化されており、屋外に1~3年程度置いても問題ありません。(使用状況や製品によって、多少の差はあります)
水切り用フレコンバッグ
水切り用は、通常の袋よりも網目が広いタイプです。内袋付きと反対に、袋から水分を逃がしたいときはこちらのタイプを使用してください。
以上のように、用途や扱う物質に応じて最適なフレコンバッグを選択すると良いでしょう。
形状や機能の違いを理解しておけば、効率的な作業や材料の品質維持につながるはずです。
フレコンバッグの規格とサイズ
フレコンバッグには、JIS規格(JIS Z 1651:2017)が定められています。
- ランニングI形
- ランニングJ形(1種・2種)
- クロススタンダード形
- クロスシングル形
上記4つの分類です。ランニング形は繰り返し使えるように設計されたもので、クロス形は1回限りもしくは限定期間・回数が設定。
一般的なフレコンバッグは寸法1100φ×1100H(mm)、容量が1,000L、耐荷重が1,000kgとなっています。
ほかにも複数の種類が販売されているため、事前に押さえておく必要があるでしょう。
- 縦90cm×横90cm×高135cm
- 縦90cm×横90cm×高130cm
- 縦115cm×横115cm×高130cm
- 縦100cm×横100cm×高120cm
- 縦92cm×横92cm×高135cm
容量・サイズで選ぶ方法もあります。
例えば500kg以下の場合は小型サイズ、500kg~1トンであれば中型サイズ、1トン~2トンであれば大型サイズを選択するのが一般的です。
フレコンバッグの選び方
どのフレコンバッグを選ぼうか迷っている際は、いくつか押さえておくべき項目があります。
■抑えておく必要があるポイント
- 適切なサイズ
- 形状
- 内袋
最適なフレコンバッグを選択できれば作業効率の向上、コスト削減、安全性の確保に直結します。
この項目では見出しごとに選んでいけるよう、順番にまとめました。フレコンバッグ選びに悩まれている際は、ぜひ参考にしてみてください。
サイズの選び方
フレコンバッグは用途や扱う物質の種類、量に応じて適切なサイズを選ばなくてはなりません。
しかし適切なサイズを選べば、作業効率の向上やコスト削減が容易に実現しやすいです。
一般的なフレコンバッグのサイズを見てみましょう。寸法が1100φ×1100H(mm)、容量が1,000L、耐荷重が1,000kgとされています。
この一般的なサイズでは、少し異なる用途に向かない場合があるでしょう。そこで多く販売されている、適切なサイズを選ぶ必要が出てきます。
かさ密度(嵩密度)と呼ばれる単位体積あたりの重量を把握し、必要な容量と耐荷重を満たすサイズを選定してください。
農林水産省の調査によると、(使用されているフレコンバッグのサイズは多様ですが)主なものは以下のとおりです。
- 縦90cm×横90cm×高135cm(22.9%)
- 縦90cm×横90cm×高130cm(25.6%)
- 縦115cm×横115cm×高130cm(4.8%)
- 縦100cm×横100cm×高120cm(4.7%)
- 縦92cm×横92cm×高135cm(4.0%)
フレコンバッグに充填できる容積を指すコンテナ容積は、リットル(L)で表されます。また、フレコンバッグを安全に積み重ねられる段数である、「積重ね段数」にも注意が必要です。
以上の点を考慮し、扱う物質の量や保管・運搬方法に適したフレコンバッグのサイズを選択しましょう。
サイズが大きすぎると無駄が生じ、小さすぎると効率が悪くなります。最適なサイズ選びがポイントです。
形状の選び方
フレコンバッグの形状は、おもに丸型と角型の2種類に分けられます。それぞれの特徴を理解し、用途に合った形状を選びましょう。
まず丸型フレコンバッグは円筒形状をしており、内部の材料が均等に分散しやすいです。この形状は充填と排出が効率的になっています。
丸形は広く使われる一般的な形状ですので、悩むようであればこちらを選択しても良いかもしれません。
次に角型フレコンバッグ。こちらはボールを置くか、ブロックを置くかでイメージしてみてください。
※丸形はボール、角形はブロック
角形は積み重ねに適しており、倉庫内での効率的な保管や車両での運搬におすすめの形状です。
丸型は内容物の充填や排出が容易で、よく使用されているので見かけた方も多いでしょう。
一方で角型は積み重ねを目的とした場合や、保管スペースの効率化に優れています。
ほかにもフレコンバッグの形状は、輸送や保管時の安定性にも影響するのを押さえておくと分かりやすいです。
角型は丸型と比べて安定性が高く、倒れにくいのが特徴。運搬や保管の方法、内容物の種類、作業環境を考慮し、最適な形状のフレコンバッグを選択しましょう。
コストや入手のしやすさも含めて、総合的に判断すると良いです。
内袋の選び方
フレコンバッグの内袋は、充填物の特性や保管・輸送状況に応じて適切なものを選ばなくてはなりません。
内袋のおもな役割は異物混入や湿気、漏れを防ぐこと。では内袋の選び方をポイントごとに見ていきましょう。
充填物の特性を考慮
- 樹脂ペレット、粉体、廃材といった充填物の種類を確認
- 充填物が乾燥しているか、湿っているかを確認
- 危険物や食品関連の物質かどうかを確認
保管・輸送状況での必要性によって変える
- 湿度に弱い場合やコンタミを懸念する場合は、排出口をシーリングして湿気や異物混入を防ぐ
- 粉体の場合、静電気による粉塵爆発の可能性があるため、防爆性の素材を選ぶ
規制遵守の検討
- 食品安全に関するFDAやHACCP規格、危険物輸送に関するUN規格を確認
- 国内外の規制に遵守する必要しなくてはならない場合
環境条件の考慮
- 屋内使用か屋外使用かを確認
- 屋外の場合は耐候性(耐UV)を考慮
トンパックとフレコンバッグの違いについて
フレコンバッグと似たような袋で、トンパックというものがあります。
どちらも粉粒体や廃棄物を大量に保管・運搬するための袋状の容器ですが、いくつかの違いがある点に注意しましょう。
まず名称の違いです。トンパックは「1トン入る包装袋」という意味から名付けられました。フレコンバッグはフレキシブルコンテナバッグの略称となっています。
材質はどちらもポリプロピレンを中心とした化学繊維ですが、用途はトンパックのほうが限定的です。
- トンパック:おもに土木・建設業界で使用される
- フレコンバッグ:農業、食品、化学工業と幅広い分野で使用される
形状・種類にも違いが見られます。トンパックは丸型が一般的で、フレコンバッグは丸型だけではなく角型や排出口付き、内袋付きと種類豊富です。
少しイメージしにくいと思うので、大まかな印象をお伝えすると…
- トンパック:土木・建設現場で見かける、砂利や土を入れた大きな袋
- フレコンバッグ:工場や倉庫で見かける、粉体や粒状物質を入れた大きな袋
上記のようになります。利用される場所もイメージできれば、どんな場所で利用されているか分かるかもしれません。
トンパックとフレコンバッグは同じ素材で作られ、大量の物を運搬・保管するという点で共通しています。しかし用途や形状、一般的なイメージは違いがありますよね。
トンパックは土木・建設業界で使われることが多いのに対し、フレコンバッグはより幅広い分野で活用されています。
まとめ
今回は、フレコンバッグについて用途や種類ごとの特徴、選び方のポイントなどを解説していきました。
この他にもDIYや電動工具について知っておきたい知識は、まだまだあります。
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