ノギスの種類や用途、選び方について解説します
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DIYをはじめ、ものづくりの現場では無くてはならない存在。それが、ノギスだと思います。
ノギスはアナログなものからデジタル、ダイアルタイプなど様々な種類が存在し、それぞれの種類によって用途が異なります。
この記事では、そんなノギスについて種類や用途の違い、特性などから正しく選ぶ、ノギスの選び方について解説していきます。
ぜひ、参考にされてみて下さい。
ノギスについて
ノギスは、さまざまな物の長さを正確に測ることができる測定器具のことを指します。
種類にもよりますが、プロが使用している精度の高いノギスから精度はまずまずな安価なタイプまで幅位広い種類が存在し、用途などによってメリットとデメリットが異なります。
ちなみに、仕事の現場で利用されるノギスはミリ以下の単位まで計測することができ、一般的に市販されているノギスは種類によって変わりますが、アナログノギスなら「100分の5mm」までの計測領域となっています。
ただし、デジタルノギスだと、それ以下の単位まで正確に計測が可能なものが多いです。
ノギスを使用する作業について
ノギスを使用する場面は様々ですが、基本的には部品の厚さや幅や円形の物体の外径、ネジ穴やパイプなど穴が開いているものの内径などを測るときに利用されます。
あとは、ネジ穴やパイプの穴の深さ、据え付けられて動かせない段差の幅などの測定にも利用されているようです。
モノづくりを生業としている方にとっても欠かせない手工具だと思いますし、DIY利用の方にもお馴染みの道具だと思います。
しかし、そんなノギスにも場合によっては測ることができないモノが存在します。
ノギスで測れないもの
ノギスは「測定したい場所の間に突起物がある場合」や「ネジ穴の距離」、「クチバシが届かない奥の方で段差になっている管の内径」などの計測には利用できません。
ですので、ペットボトルの内径なども同様で、口の部分はクチバシで測定できますが「ボトル内部」は口が邪魔をして測定ができなかったりします。
少し限定的なケースだとは思いますが、意外と一般的なノギスで測定できないモノが存在します。
ノギスの種類について
代表的なノギスの種類としては7種類があります。
■ノギスの種類
- 両丸口ノギス
- ピッチノギス
- インサイドノギス
- デジタル式ノギス
- アナログ式ノギス
- ダイヤル式ノギス
それぞれの種類に特徴があり、メリット・デメリットが存在します。
両丸口ノギス
両丸口ノギスはその名の通り、測定器の部分が弧を描いた丸型のノギスです。袋穴深部など突起物が邪魔して、種類によっては測定できない場所の数値を計測することができます。
ピッチノギス
ピッチノギスは、これ1本で「側面から穴までの寸法」、「穴と穴の間を測定できる」万能型のノギスのことをいいます。
丸穴に直角にジョウを差し込むことで自然とノギスが穴の中央まで広がっていくため、穴の中心から次の穴の中心までの距離を正確に知ることができます。
インサイドノギス
インサイドノギスは内側測定に特化したノギスのことです。
管のより深い部分を測定するためにジョウを細長くしたものや、突起物のある管の内側を測定するためにジョウが垂直に折れ曲がった形状をしているものなどがあります。
デジタル式ノギス
デジタル式のノギスには、スライド部に測定した数値を表示するディスプレイが搭載されています。アナログ式のように細かな目盛を読み取る必要がなく、ダイヤル式よりも測定値を視認しやすいのが特徴です。
デジタル式のノギスは電源にボタン電池を使用するのが一般的で、電池切れの際は測定値が表示されないので注意が必要となります。
アナログ式ノギス
スタンダードなタイプのアナログ式ノギスは、一般的な定規と同じ1mm単位の本尺に加えて副尺を備えているのが特徴です。
1mm以下の細かい数値まで読み取れるため、モノの長さや厚みをより正確に測定したい場合に便利。細かい目盛を読み取る必要はありますが、構造が単純なので使い勝手に優れているのがメリットです。
デジタル式のように電源も必要なく、比較的リーズナブルな価格で購入できます。
ダイヤル式ノギス
ダイヤル式のノギスは、副尺の代わりに時計のようなダイヤル式の計測器が搭載されているのが特徴です。アナログ式のように細かな目盛を読み取る必要がなく、比較的簡単に1mm以下の数値を測定できます。
また、アナログ式と同様に電源が必要ない点もメリットです。
ノギスの種類ごとの表示形式の違い
ノギスは、その種類によってメモリの表示形式が異なります。
一般的なノギスの場合
一般的なノギスで、区別するために通常のノギスをバーニヤノギスとも呼びます。多少寸法を読み取るのにコツがいりますが、読み取ることが出来ればあとは簡単に扱えるでしょう。
ダイヤルノギス
バーニヤノギスは寸法を読み取るのに若干のコツが必要ですが、ダイヤルノギスは数値を針で指示してくれるので値が分かりやすいです。
測定もバーニヤノギスだと頑張っても0.05mm単位ですが、ダイヤルノギスの場合はほとんどのものが0.01mm単位の測定に対応しており、細かい計測が可能となります。
デジタルノギス
デジタルノギスは、寸法表示をデジタルで表示してくれます。その為、一番直感的に寸法をとらえることが出来、とても楽です。現在はその利便性から、急速にデジタルノギスが普及しています。
ノギスの種類ごとのメリット・デメリット
ノギスの種類について理解したところで、種類ごとの強みと弱みについてもみていきましょう。
アナログ式ノギスのメリット
アナログ式はデジタル式のように「電池交換や故障」などで利用できない心配がありません。また、本体自体の重量もとても軽量なので、作業着のポケットに入れて携帯できる手軽さがあります。
ノギスを利用している方の中には、あえてアナログ式のノギスを愛用している方もいるようです。
作業効率の良さを考えるのならデジタルノギスに軍配が上がりますが、長く同じ道具を使いたい場合や導入費用などの面では、アナログ式のノギスをオススメします。
アナログ式ノギスのデメリット
アナログ式ノギスの最大のデメリットは、1mm以下の数値を計測する際にスケールを利用する必要がある点が挙げられます。
アナログ式の場合は「本尺目盛りと副尺目盛りの読み取り方」を理解しておく必要があり、初めて利用する場合や視力が悪い場合には使い勝手の悪さを感じます。
また、読み取り方を把握していても、多種類の部品測定をすることで勘違いを起こし、寸法を間違えてしまうポカミスが多い種類もこのタイプです。
そのため、毎回慎重に測定する必要があり、デジタルノギスと比べると1回の測定に必要な時間は長くなります。
デジタル式ノギスのメリット
デジタルノギスのメリットは、「対象物を挟めばすぐに測定できる点」が挙げられます。
デジタルノギスは、アナログ式のように勘違い人力での測定ではありませんので、計測ミスが起こりづらく、また計測作業も一瞬で終わります。
さらに、最小読取値が0.01mmとアナログ式より細かいので、より細かい測定値を出したいときにオススメです。
デジタル式ノギスのデメリット
デジタルノギス最大のデメリットは、計測結果の信頼性です。
実は、デジタルノギスを販売する多くのメーカーは誤差±0.2mmまでしか保証されていないところが多く、最小読取値が0.01mmも計測可能ですが、推奨はされていません。
これには理由があり、主尺とスライダとの間にすき間が発生してしまう特性があるためだと言われています。ジョウを押す力によりスライダに傾きが起こり、どうしても実際寸法との間に誤差が生じてしまうのです。
ダイヤル式ノギスのメリット
ダイヤルノギスは、アナログ式ノギスとデジタル式ノギスの両方の良さを兼ね備えています。
アナログ式の煩わしさやデジタル式の電池交換がいらない点が最大のメリットです。
ダイヤル式ノギスのデメリット
ダイヤル式ノギスの最大のデメリットは、その繊細さが挙げられます。
実は、ダイヤルノギスのスライド部分には、とても細かなゴミが入りこみやすく、万がゴミが入ってしまうと歯車の咬み合わせが悪くなり、正確に測れなくなります。
ですので仕様時には、ゴミがスライド部分に入らないような工夫が必要ですし、仕様後のメンテナンスは欠かせない、すこし手間が必要な種類になります。
プラスチック製のノギスの精度と信頼性について
少し変わり種のノギスとして、プラスチック素材で出来ているノギスが存在します。
この素材で出来ているノギスは、カーボンファイバー製のノギスにも当てはまる問題ですが、制作精度があまり良くなく金属製ノギスと比べて信頼性に劣ります。
カーボンファイバーも炭素繊維をプラスチックで固めたものなので、基本的にはプラスチックの一種です。そのため素材の名称は異なりますが、プラスチック素材のノギスと同様に信頼性には欠けます。
また、最小読み取り単位は多くの製品が「0.1mm」程度しかありません。
0.1mm程度しか読めないのであれば、鋼尺での測定結果と大して変わリませんので、正確に計測する必要がある場合には、利用はオススメできません。
ちなみに、カーボンファイバー製だと本体自体の強度は高いですが、普通のプラスチック製はノギスの強度が低いです。そのため、測定対象物にノギスを押し当てたときに、その押し当てる力次第で「測定結果が違ってくる」という問題もあります。
さらには、ノギスを落としたりするとノギスが傷ついたり、変形や割れが生じて測定器具として使用できなくなる場合も。
これらの理由から、プラスチック素材やカーボンファイバー製のノギスは、あまり好まれておらず、金属製のノギスを購入される方が多いです。
ダイヤルノギスとデジタルノギスとアナログノギスの精度の違い
これらの種類の大きな違いとしては、「最小読み取り値」にあります。
ダイヤル式とデジタル式のノギスは、アナログ式のノギスと比べて、よりも小さな値までスケールなしで計測することができます。
かといって、アナログノギスがその他と比べて劣っているか?と言われるとそうではなく、慣れていけば、計測誤差を限りなく少なくすることが可能です。
また、ダイヤル式のノギスはデジタル式のノギスよりも正確に計測することが可能ですが、取り扱いや仕様後のメンテナンスに十分気をつけていく必要があります。
ノギスの種類は、「どういった作業に使用するのか?」「どういった使い方をするのか?」などによって選択肢が分かれますので、皆さんの状況に合わせてご購入してみてください。
ノギスの選び方と買う前に知っておきたい注意点
次にノギスの選び方と購入前に知っておきたい注意事項などをまとめてみました。
選び方のパターンとしては「シンプルで丈夫さを求める」「測定しやすさを求める」「とにかく正確で細かい値まで計測できる能力を求める」の3つが多いようです。
シンプルで丈夫なノギス
ノギスに求める役割りを「使い方がシンプルで丈夫なノギス」ということであれば、選択肢としては、アナログ式のノギスの購入をオススメします。
というのも、アナログ式のノギスは使用する際に取り扱いに関する知識は必要ですが、定規や分度器などと同じ感覚で使用することができ、スケールを使用することでより細かい値まで計測することができます。
細かいメモリを2ヶ所見なくていけないので、慣れないうちは難しさや煩わしさを感じると思いますが、慣れてしまえば、むしろ、その他の種類のノギスよりも使いやすく感じる魅力があります。
また、構造がとてもシンプルですので破損や故障に強く、電池切れの心配が無い点もメリットがあると言われています。
測定結果が分かりやすいノギス
計測方法の手軽さや素早さなどの分かりやすさを求めるのなら、デジタル式ノギスがオススメです。
デジタル式のノギスは測定値がそのままデジタル表示され、数値が一瞬で理解できる手軽さがあります。
また、デジタル式ノギスならではの機能として、「一定の数値のみ計測できる機能」や、「ゼロ地点を変更する機能」などが付いているものもあります。
もちろんその性質上、どうしても多少の誤差が生じてしまいますので、1mm単位での正確な計測を求められる場合には不向きです。
あとは、ボタン電池式で稼働するノギスが主流ですので、場合によっては電池切れで計測できなかったりすることもあります。
最近では、太陽光電池が搭載されたデジタルノギスも存在しますが、高価なため、DIYにも不向きかもしれません。
ですが、購入してからすぐに利用できる手軽さや計測の素早さに関しては、その他の種類よりも優れていますので、ある程度の誤差を許容できる場合でしたら、選択肢の中に入れても良いのなと感じます。
とにかく正確で細かい値まで計測できるダイヤルノギス
ダイヤル式ノギスはアナログ時計のような文字盤がついているので、測定結果が一目で理解でき、デジタル式のノギスのように誤差が発生する構造でもありません。
そのため、デジタル式のノギスとアナログ式のノギスの良さを兼ね備えているノギスになります。
また、文字盤が副尺の役割を果たしてくれるので 、スケールを使用せずとも1mm以下の数値の測定が可能になります。
ダイヤル式ノギスにはノギスのスライド部分にレールがあり、ダイヤル内部の歯車との噛み合わせで、ダイヤルの針が動くというしくみです。
ですので万が一、レール部に木屑などが入りこむと正確な動作に支障をきたし、使い物になりません。そのため、誤差が生じることもあるので粉じんや木くずが出やすい作業での使用には不向きです。
その他の種類と比べて、とても繊細できちんと手入れをする必要もあります。
ですが、レール部にゴミが入るような作業や環境で利用しなければ、万能型なノギスですので、愛用している方も多いようです。
ノギスのおすすめメーカーと特徴について
最後にノギスを買うなら知っておきたいオススメな製造メーカーとその特徴について解説してきます。
どのメーカーさんも信頼できる製品が多いですので、ぜひ、ご購入の際の参考にされてみて下さい。
中村製作所
株式会社中村製作所は各種測定機器の生産・開発を行う、精密測定工具メーカー。東京、大阪、名古屋、神奈川に営業所を置き、海外でも展開する会社さんです。
精密測定工具メーカーならではの経験と実績、ノウハウがあり、高精度な製品を提供しています。
各種ノギスの製造も行っていますので品揃えは抜群です。
新潟精機
新潟精機株式会社は1960年に創業した精密測定工具、DIY向け商品の製造・販売を行う会社。新潟精機株式会社では、自社生産のSKブランドというオリジナルブランドで様々な測定工具を製造・販売しています。精密な測定が必要になるノギスに必要な品質の高さがウリの会社さんです。
松井精密
松井精密工業は工具と金物のまち新潟県三条市にて、100年以上前から計測工具を作り続けてきた会社さんです。
1924年に法人化し 国産初となる総焼入ノギスを開発・生産しています。その後ケガキゲージなど独自のアイデアによる新製品を次々と世に送り出しています。
素晴らしい品質は、卓越した製造技術と手作業ならではの緻密さからくるものです。一本ずつ手で仕上げた後にミツトヨ製ブロックゲージで精度検査するなど、 製品管理には絶対の自信を持っています。
まとめ
今回はノギスについて種類や用途の違い、特性などから正しく選ぶノギスの選び方などについて解説してきました。
ノギスをはじめとする電動工具には、まだまだ知っておきたいことがたくさんあります。
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