ネジの向きの違いやネジ山、ネジ頭の種類などについて解説します
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皆さんは、ネジに向きがあるのをご存知でしょうか。
私達の中にも「右利き」と「左利き」があるように、ネジにも向きが存在します。
また、ネジ山の形状にも種類が存在し、それぞれに違いが存在します。
今回は、そんなネジ山やネジの向き、ネジ頭の種類や違いなどについて解説してきますので、ぜひ、参考にされてみて下さい。
ネジの向きには「右ねじ」と「左ねじ」の違いがある
ネジには向きが存在し、ナットを固定しボルトを右まわりに回したときに、ねじ込まれていくネジのことを「右ねじ」と言い、左まわりに回したときにねじ込まれていくネジのことを「左ねじ」と言います。
一般に利用される多くのネジは右ねじですので、普通に生活している分には、その存在に気づかないと思います。
ですが、あえてネジには「右ねじ」と「左ねじ」という種類が存在し、それぞれの用途や特性に応じて使い分けがされています。
左ねじとは?左ねじの使用する場面について
左ねじとは、その名の通り、左回しで締め付け作業が行える特殊なネジのことを指します。
逆ねじ、LHと表記され、一般的な右ねじと明確に区別します。
ねじを立てて見て、ねじ山が左上がりになっているのが左ねじの特徴で、左まわしで締まり、右まわしするとゆるんで外れてしまいます。
左ねじの利用シーンとしては、「常に回転するような場所」や「いつも左まわしの力を受けるような場所」、「メンテナンス上などの理由から必要な箇所」など、ちょっと訳ありな場所で利用されます。
たとえば、自転車の左ペダルをクランクに固定する場所のねじは、左ねじが利用されています。
つまり、右ねじだと不都合が生じるような問題を孕んでいる場所で利用されるネジという訳です。
ネジ山とは?種類や特徴について
次にネジ山の種類とその特徴について解説していきます。
皆さんは、ネジ山と言えばどんな形をご想像されますか?多くの方は「プラス」と「マイナス」の形を思い浮かべると思いますが、実は、その部分は「駆動部」と呼び、ネジ山とは別の部分になります。
■ネジ山について
『ネジ山』とは、プラスやマイナスの穴の開いた部分の下、螺旋状のギザギザした、突き出した部分のこと
そうです、意外と勘違いしやすいのですがネジ山です。
では、ネジ山について理解できたところで、それぞれ特徴について解説していきます。
三角ねじ
三角ねじはネジ山の形が「正三角形に近い形状」をしています。特徴としては「ゆるみづらく、加工も容易な点」が挙げられ、その汎用性の高さから、プラスネジに劣らないほど、幅広い場面で利用されています。
三角ネジの多くは山の角度が60度となっていますが、ウイットねじと呼ばれるタイプ(規格)の場合は、山の角度が55度となっており、日本で一般的な三角ネジよりも少し角度が小さくなっています。
ちなみに、山の角度が小さい方が「密封性が優れる」という特徴がありますので、管用ねじも55度になったりします。
台形ねじ
台形ねじは、山の頂と谷底の切取りが大きい対称断面形になっているネジのこと言います。
工作機械などの高精度なピッチが要求される箇所に使われています。欧州では30度、アメリカでは29度が使われていたことから日本のJIS規格でも30度や29度のものが存在します。
台形ねじの強みは、「摩耗が少なく、送り量が正確なこと」が挙げられ、ジャッキャの締付け作業用のネジだったり、万力用のネジとしても利用されています。
管用ねじ
管用ねじはその名の通り、配管などの結着用として使用されるネジのことを言います。
ちなみに、ネジの種類は大きく分けると「管用、メートル、インチ」の3種類に分けられ、管ねじの場合はさらに橋から先端までの大きさが同じの「平行ねじ」と先端に行くについてれ細くなる「テーパねじ」の二種類に分かれます。
また、管用テーパねじには、「テーパーおねじ」や「テーパめねじ」、「テーパめねじ」があります。
基本的には水道管などの設備に利用される特殊なネジです。
角ねじ
角ねじはクランプやジャッキなど、軸方向に大きな負荷がかかるところで使用されます。ねじ山の特徴としては、断面形が正方形に近く、三角ねじと比べても摩擦抵抗が少ないです。
その他にも、伝達力もその他の種類よりも高い点が特徴として挙げられます。
のこ歯ねじ
のこ歯ねじは、角ねじと三角ねじを組み合わせたねじで非対称断面形をもちます。
締付けた状態から速やかにねじを緩めることが可能です。
丸ねじ
丸ねじは台形ねじの山の頂と谷底に大きい丸みをつけたねじです。
手回しで簡単に開け閉めができ、異物の入る恐れ、衝撃が多い箇所に有効といえます。
電球ねじ
電球ねじとは、ねじ山の形がほぼ同じ大きさの山の丸みと谷の丸みをもつねじです。
電球の口金や受け金に利用されています。
ネジ頭の読み方や種類、特徴について
駆動部、ネジ山と聞いて、外せないのが「ネジ頭」についてです。
ちなみに読み方は「ネジ頭(あたま)」と読みます。「ねじとう」と読みたくなりますが、正しくはねじあたまと呼ぶようです。
そんなネジ頭ですが、こちらにもいくつか種類が存在します。それぞれ特徴がありますので、一つずつ解説していきます。
なべ頭
なべ頭は、もっとも一般的なネジの頭の形状です。
お鍋をひっくり返したような形からナベ頭と呼ばれるようになりました。ネジやボルトの種類では、ナベ小ねじがあります。
多くの場合ナベ小ねじのように十字穴が付いていることが多く、十字穴に加えてマイナス穴が加えられているケースも。
六角穴が付いている鍋ねじはなく、似たような形状で丸頭の六角穴付き、丸キャップボルトがあります。
トラス頭
トラス頭はナベ頭に比べて頭の高さが低く、頭部の径が大きい形状の種類です。
ナベ頭に比べてトラス頭は締結面積が広いため、ワッシャー等を使わなくてもバカ穴や長穴の開いたワークの締め付けができます。
強度や結束力は、ナベ頭とあまり大差がありません。
バインド頭
バインド頭は、なべ頭とトラス頭の間のような大きさの頭の形状の種類で、頭の直径はなべ頭より大きく、トラス頭よりも小さくなっています。
トラス頭に比べて縁があるように全体に厚みがあります。強度や結束力は、なべ頭やトラス頭とあまり大差がありません。
六角頭
六角頭はもっとも一般的なボルトの頭の形状で、頭部が六角形状になっておりスパナやモンキーレンチなどで締め付けを行います。
ボルトの種類では六角ボルトがありますが、六角の上に十字穴があるタイプやマイナス穴があるタイプもあります。
ねじ部の種類もたくさんあり、ミリねじやユニファイねじのボルトやタッピングビスなどでも六角頭のねじもあります。
四角頭
四角頭は六角頭の六角部分が四角になった頭の形状の種類で、四角であるため角が取れにくく、強い力で締め付ける必要がある建築資材の鉄骨等の締め付けに使用されます。
皿頭
皿頭はお皿のような頭の形状の種類。お皿のような形から皿頭と呼ばれるようになったようです。
ネジやボルトの種類では、皿ネジをはじめ六角穴が付いた皿キャップボルトなどがあります。
ナベ小ねじや六角ボルトなど、多くのねじやボルトでは頭の下部分「首下」の長さで呼び寸法が決まります。皿ネジなど皿頭のネジやボルトは、全長によって呼び寸法が決まります。
結束したい対象ワークに皿形状のザグリ穴「皿ザグリ」を開けることで、頭が飛び出さないように物の設計をすることができます。
丸皿頭
丸皿頭は皿頭の上面が少しだけ丸みをおびたような頭の形状の種類です。小ねじに多く使われる種類で、皿頭と同じように「皿ザグリ」を開けた結束物に使用されます。
皿頭の場合は、ワークに少しの凹みができてしまうため、何かを滑らせたい場合など、凹みを無くすことで効果が得られる箇所で使用されます。
キャップ頭
キャップ頭は円筒形の頭の種類で穴の形状は六角穴となり、六角穴付きボルトの一般的な形状となります。
頭の横面には、ローレットのような筋が付いています。
高トルクで締め付ける必要がある箇所など、機械要素部品や金型用のボルトとして幅広く使用されています。
丸キャップ頭
丸キャップ頭はキャップ頭に丸みを持たせたタイプの頭の形状の種類です。なべ頭と同じような形状をしていますが、ナベ頭は十字穴などとなり丸キャップ頭は六角穴となります。
丸みの形状もナベ頭やトラス頭などとは若干異なります。
低頭
低頭は頭の高さが薄い形状の種類です。低頭よりももっと薄い極低頭タイプもあり、頭の部分が低く薄いため、頭が入るスペースがない機械部品の結束などで使用されます。
低頭のボルトでは低頭キャップボルトが一般的で、低頭六角ボルトや低頭四角ボルトなどでは、たくさんの種類の形状の低頭があります。
まとめ
今回は、ネジ山やネジの向き、ネジ頭の種類や違いなどについて解説してきました。
ネジやボルトについては、まだまだ知っておきたいことがたくさんあります。
ぜひ、その他の関連記事も読んで参考にされてみて下さい。
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