レーザー彫刻機とは?出来ることやそれぞれの種類、家庭用と業務用の違いを解説します
目次
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さまざまな素材を切断したり、材料に文字や図を彫ったりすることが出来る『レーザー彫刻機』。
加工機の一種で、刃こぼれを気にする必要が無く1mm以下での精密は加工がおこなえることから、その存在感を表しています。
しかし、レーザー彫刻機の購入を検討しているけれど、『レーザー彫刻機でどんなことができるの?』『家庭用モデルと業務用モデルの違いは?』『種類によって拡張子の違いがあるって聞いた』など、知らないことが多く、実際どれを選んだら良いか分からない方も多いのではないでしょうか。
ということで今回は、『レーザー彫刻機で出来ること』を中心に解説していきます。
レーザー加工機の種類についての知識や種類ごとの特徴などの関連知識についてもお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
レーザー彫刻機とは?用途や出来ることについて
レーザー彫刻機とは、レーザーの光を使って材料に文字や図形などを彫り込む機械のことです。
レーザー彫刻機はレーザー加工機の一種で、製品やメーカーによって機能の差はありますが、任意の模様などを製品に刻むことができます。
また、製品によってはカット機能がついている製品もレーザー彫刻機と呼ぶ場合がありますので、購入する前はどんな機能が付属しているのか確認する必要があります。
まずはレーザー彫刻機の知識を深めていくために、レーザー彫刻機の用途や出来ることについて解説していきます。
レーザー彫刻機の用途や使用できる素材について
レーザー彫刻機は木材からレザー、金属と幅広い素材の加工が可能なデジタル機器です。
■レーザー彫刻機で加工できる素材
- 木材
- アクリル
- 紙
- レザー(皮革)
- 布地
- 金属
硬い金属から柔らかい布地まで自由に加工できることから、個人から法人まで様々な用途で使用されています。
ただし、以下の素材については加工するのを避けたほうが無難です。
■加工を避けたほうが良い素材
- 塩化ビニール
- 鏡
- フッ素やテフロンなど
これらの素材は有害物質が発生したり、レーザー加工機本体が破損する場合があるため、レーザー加工機での加工を避けたほうが良いとされています。
たとえば、塩化ビニールやフッ素やテフロンなどはレーザーを当てることで人体に有害な物質が発生し、鏡の場合はレーザーを反射して機械内部が破損する可能性があります。
レーザー彫刻機で出来ること
レーザー彫刻機でできることは、主に以下の3つです。
- 彫刻
- カット
- マーキング(刻印)
「彫刻機」という名のとおり、彫刻することに長けている機械ではありますが、それ以外のことも問題なくできます。
彫刻する場合は、任意の文字や絵、模様など自由に彫り込むことが可能で彫り込む深さや細かさについては好みで設定できます。
次にカットに関しては、データを使って切断するため手作業で行うよりもきれいで精度が高く、細かい湾曲や複雑な加工も設定することも可能です。
またマーキング(刻印)は、レーザーを照射して素材の表面を変色させたり焦がしたりして、文字やマークを刻むこと可能です。
マーキング(刻印)とは、あらゆる製品に数字や記号などの「印」をつけることです。
レーザーのパワーやスピードなどの出力設定を調整することで、どの素材にも対応できます。
レーザー彫刻機の家庭用モデルと業務用の違いは?
レーザー彫刻機の家庭用モデルと業務用の違いは、以下のとおりです。
- 大きさ
- 加工範囲
- 最大出力
- レーザーの種類
それぞれどう違うのか、詳しく見ていきましょう。
大きさ
家庭用のレーザー彫刻機は、テーブルの上におけるコンパクトサイズが特徴です。
本体サイズが10センチ程度で、手のひらに乗るような商品もあります。小さいほど気軽に使えて、収納場所にも困らないため家庭用としておすすめです。
一方で業務用は、小型サイズから大型のものまで幅広く出回っています。ですが一般的に、中型~大型サイズが使われることが多く、卓上ではなく場所を確保して据え置くタイプがほとんどです。
加工範囲
家庭用のレーザー彫刻機の加工範囲は、30×30mmや80×80mmのものが一般的だといえます。
たとえばスマホケースを加工したい場合は、80×80mmの彫刻機を選ぶがおすすめです。
スマホケースより小さいものを加工することが多い場合は、30×30mmを選ぶとよりコンパクトで購入金額も抑えられるはずです。
一方で業務用は、看板や大きなオブジェを作ることが目的で導入している企業も多いため、加工範囲は家庭用より広くなります。
A3サイズの297mm×420mmからA2サイズの420×594mm、それ以上の1500mm×3000mmなどさまざまです。
最大出力
最大出力に関しては、家庭用は3000mW以下に設定されているものがほとんど。一方で業務用は3000mW以上のものを指し、パワーがあるため加工できる素材の種類が多くなります。
つまり、出力が弱いものは加工できるものが限られてくることを覚えておきましょう。
ちなみに参考までに、最大出力が1,500mWであれば木材やプラスチック、ゴム、皮革などの素材を加工できます。
3,000mW以上になると、ステンレスやアルミニウム、銅といった硬くて厚みのある素材も加工可能です。
レーザーの種類
レーザーの種類は以下の2つが存在します。
- CO2レーザー
- ファイバーレーザー
CO2レーザーは炭酸ガスを使って加工するもので、非金属素材に向いているため家庭用としてはこちらが適しているでしょう。
一方でファイバーレーザーは、光ファイバーを採用した彫刻機です。
CO2レーザーよりも最大出力が大きいタイプのものが多いことから、金属や樹脂系の素材も問題なく加工できます。
したがって、業務用のレーザー彫刻機にはファイバーレーザーが使用されていることが多いです。
たくさんあるレーザー加工機の呼び方
ここからは、たくさんあるレーザー加工機の呼び方について以下のとおりご紹介していきます。
- レーザー加工機とは?
- レーザーカッターとは?
- レーザー切断機とは?
- レーザー彫刻機とは?
- レーザーマーカーとは?
- 呼び方によって違いはあるのか?
それぞれ詳しくお話していくので、さっそく見ていきましょう。
レーザー加工機とは?
レーザー加工機とは、レーザーを使って材料を加工する機械のことです。
材料を切断したり掘ったり穴をあけたりと、さまざまなことがレーザー加工機を使ってできます。
そして、木材、紙、皮革、布、金属、石など対応可能な素材が多いことも特徴。使う目的によって機械の大きさや出力の規模を選べるため、非常に多くのシーンで活躍している機械です。
レーザーカッターとは?
結論から言うと、レーザーカッターとレーザー加工機はほとんど違いはありません。
「レーザーカッター」という呼び名のためカット専用の機械と思われがちですが、実際は彫刻も可能です。そのため、基本的にレーザーカッターとレーザー加工機は同じものだと考えて良いでしょう。
ただし、商品によっては本当にカットだけしかできないものもあります。
ですので、「レーザーカッター」と書いているものを購入する際は、どこまで加工できるのかをよく確認することをおすすめします。
レーザー切断機とは?
レーザー切断機は、レーザーカッターと同じです。
ほとんどの場合は「レーザー切断機=レーザー加工機」と判断して問題ないですが、メーカーや製品によって機能が異なり場合がありますので、購入前にはスペックのチェックは必須です。
レーザー彫刻機とは?
レーザー彫刻機も基本的にはレーザー加工機と同じように、材料を切断したり掘ったりできます。
ですが、「彫刻専用」として販売されている製品も多く、カットできるほどのパワーが備わっていないレーザー彫刻機も存在します。
そのため素材への彫刻をメインに作業したい場合は、「レーザー彫刻機」を購入することをおすすめします。
呼び方によって違いはあるのか?
これまで、レーザー加工機の呼び方による違いをお伝えしました。
わかりやすく言うと、「レーザー加工機」は総称です。
その他の「レーザー彫刻機」や「レーザー刻印機」は、レーザー加工機の中の1つだと考えていいでしょう。
彫刻や刻印に特化している機械はあるものの、どれも「レーザーを使って素材を加工する」という点は共通です。
つまり、呼び方によって大きな違いはないということになります。
レーザー彫刻機のレーザーの分類
レーザー刻印機のレーザーは主に、「個体」「液体」「気体(ガス)」の3つに大きく分類できます。
これを踏まえ、4つのレーザーが存在するため確認していきましょう。
個体レーザー
固体レーザーは、レーザーの媒質が固体のものを指します。
具体的にはイットリウムやアルミニウム、ガーネットなどを用いてレーザーを放出するのが特徴です。
小型でも出力数を大きくできるため、金属や石などの硬い素材でも加工できるというメリットがあります。
液体レーザー
液体レーザーは色素レーザーとも呼ばれ、アルコールや水に色素粉末を溶かして振動を発生させる方法です。
理学や医療の分野で使用されることが多く、代表的なものでいうと「にきび跡」や「赤ら顔」などの治療に使われています。
さまざまな用途として利用される一方で、高出力な加工を必要とする場面には向きません。
気体(ガス)レーザー
気体(ガス)レーザーは、レーザーの媒質にCO2(炭酸ガス)などの気体を用いて出力します。
水・ガラスなどの透明な素材や、紙・木材なども加工できるため汎用性が高いです。
他のレーザーと比べてレーザー媒質にムラがなく、損失が少ない状態で大きな出力を得られる点が特徴だといえるでしょう。
半導体レーザー
半導体レーザーは、半導体を素材としてレーザーを放出する方法です。
固体レーザー同様、小さな機械でも大きな出力が得られる点がメリットだといえます。
紙や木材、革製品の加工で使われることが多く、透明なプラスチックやアクリルなどの透過する素材は加工できません。
レーザー加工機(彫刻機)の種類
ここでは5種類あるレーザー加工機(彫刻機)について、ひとつずつご紹介していきます。
CO2レーザー彫刻機
CO2レーザー彫刻機は、CO2ガスを使ってエネルギーを低い状態から高い状態に移し、赤外線を発生させる機械です。
中には高出力で加工できるものもあり、透明な素材や金属など多くの素材に対応できます。
ただし、光を反射するアルミニウムなどの素材は効果が低いことがあるので、できれば避けたほうがいいでしょう。
CO2レーザー彫刻機は導入費用が比較的安く、ランニングコストが低い点も特徴です。
ファイバーレーザー彫刻機
ファイバーレーザー彫刻機とは、光ファイバーを使った固定レーザー加工機のことです。
仕組みは、アクティブファイバーと呼ばれる共振媒体によってレーザー光を増幅させるもので、ビームスポットが小さくなります。
CO2レーザー彫刻機では対応していない透明の素材や、硬いものや柔らかいものなど用途が幅広いのが特徴です。
YAGレーザー彫刻機
YAGレーザー彫刻機は、人工の結晶体を使ってレーザーを出力する機械です。
「YAG」は、レーザー光を発生させるために使用する、イットリウム(Yttrium)・アルミニウム(Aluminum)・ガーネット(Garnet)それぞれの元素の頭文字をとっています。
YAGレーザーは出力が高く、熱伝導率も優秀です。
そのため、厚みのある素材や金属のほか柔らかいものにも使えて汎用性が高いといえます。
超短パルスレーザー彫刻機
超短パルスレーザー彫刻機とは、パルス幅が数フェムト秒から数ピコ秒の機械のことです。
1フェムト秒は1000兆分の1秒で、1ピコ秒は1兆分の1秒ですが、あまりピンとこないかもしれません。
もう少しわかりやすく言うと、きわめて短い時間に高速で高強度なレーザーを発生させることが可能な機械なのです。
そのため、高精度を求められる加工や繊細な加工に向いています。
UVレーザー彫刻機
UVレーザー彫刻機は、基本的なレーザーの波長の3分の1です。
この波長が紫外線の領域と同じことから「UVレーザー彫刻機」と呼ばれており、各素材への吸収率が非常に高い点が特徴。
プラスチックや木材など、非金属素材への彫刻を得意とする機械です。
写真や絵画などのデザイン加工や、微細な加工にも適しています。
レーザー彫刻機を購入するメリットとデメリット
レーザー彫刻機の購入を考えている人は、メリットとデメリットをおさえておく必要があります。
まずは購入前に、以下のように目的を定めてみてください。
- 何を加工するのか
- どのように加工したいのか
- どのくらいの量を加工したいのか
その上でメリット・デメリットを把握すると、本当に購入すべきかどうかが明確になるでしょう。
それでは、レーザー彫刻機を購入するメリットとデメリットを見ていきましょう。
メリット
レーザー彫刻機を購入するメリットは、主に以下が挙げられます。
- ガラスや金属など手作業では難しい加工が可能
- 微細で複雑な加工が可能
- メンテナンスや消耗品の購入頻度が少なく済む
- 操作が簡単なものが多い
- 非接触加工で素材を傷つけることが少ない
継続的に素材を加工する予定がある場合や、自分で加工したい人はレーザー彫刻機の購入を検討してみてもいいのではないでしょうか。
デメリット
レーザー彫刻機を購入するデメリットは、主に以下が挙げられるでしょう。
- 加工スピードが遅い
- 取扱説明書を読んでも理解できない
- 安価な機械は思ったとおりの仕上がりにならないことがある
- 家庭用はできることが限られる
とはいえ、これらはどの機械を購入するかに依存します。
またレーザー彫刻機を扱うのが初めて購入する場合は、取扱いに慣れるまで少し時間が必要ですので、この点にも注意が必要です。
まとめ
今回は、『レーザー彫刻機でできること』を中心にお話してきました。
レーザー彫刻機で素材を自由自在に加工できるということをお伝えしたので、使う状況によって機械の種類を選びましょう。
- 何を加工するのか
- どのように加工したいのか
- どのくらいの量を加工したいのか
これらを考えた上で、機械を購入するかを考えてみることをおすすめします。
機械を購入する際は、今回お伝えした内容をぜひ参考にしてみてください。
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