エンジンオイルとは?選び方や種類ごとの違い、ブレーキオイルとの違いについて解説します
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身近な移動手段として車を選ぶ方も多いと思いますが、自動車を所有すると様々な知識について知っておく必要が出てきます。
たとえば、自動車にかかる税金の種類や金額もそうですし、車検の頻度や期間、費用についての知識も必要です。
そして、自動車にまつわる知っておきたい知識の一つにメンテナンス知識が存在しています。
今回は、そんな自動車メンテナンスの知識のひとつである「エンジンオイル」に焦点を当てて解説していきたいと思います。
具体的にはエンジンオイルとは?という基礎知識から種類や選び方にまつわる知識、ブレーキオイルとの違いなどを解説していきます。
これから自動車を所有する方はもちろん、これからエンジンオイルの交換を予定している方もぜひ、最後まで読んで参考にされてみてください。
エンジンオイルとは?
エンジンオイルは車やバイクに使われているなどで使用されている潤滑油のことを指し、エンジンの性能や種類に応じて使い分ける必要があります。
また、エンジンの性能や種類に応じて適切なオイルの種類や規格を選ぶ必要があり、オイル自体の固さ(粘度)によっても使用できる車に違いが出てくるなど、意外と奥が深いものだったりします。
そんなエンジンオイルですが定期的にオイルそのものを交換する必要があり、その目安は1万5,000km前後だと言われていますので、意外と交換する機会も多いです。
エンジンオイルの交換時期は、クルマの種類や使用状況によって異なりますので、車両に付属している取扱説明書等で確認しましょう。
一般的には通常の使用で、1万5,000kmまたは1年毎が一般的にいわれていますが、エンジンや車種などによって異なりますので、同じく取扱説明書で確認しておきましょう。
また、この距離・期間以内であっても汚れや減りが激しい場合には交換する必要がありますが、極端な場合にはエンジンオイルの漏れも疑われますので、整備工場やディーラーで点検してもらう必要があります。
車を所有するうえでは、エンジンオイルにまつわる知識は最低限知っておきたい知識の一つですので、これを機に、ぜひエンジンオイルについて学んでいきましょう。
ちなみに、エンジンオイルを交換せず、劣化した状態で運転し続けると車の燃費が悪くなるだけではなく、車の故障へと繋がりますので、知っておいて損はありません。
エンジンオイルの用途と役割について
エンジンオイルの主な用途はエンジン保護で、車などに搭載されているエンジンは、稼働時に内部が高温になり、その状態で金属同士(各パーツ)がこすれ合う仕組みとなっています。
そのため、金属同士の摩耗や高温などから保護する目的として、エンジンオイルが採用されています。
エンジンオイルを使用することで、金属の表面に油膜ができ、直接金属がこすれ合う面が少なくなることで摩擦を抑えることが可能です。
また、エンジンオイルの役割としては潤滑以外にもあり、具体的には下記のような役割が存在します。
- 密封
- 冷却
- 清浄分散
- 防錆
エンジンオイルの種類
エンジンオイルと一口に言っても、実はさまざまな種類があります。
例えば0W-20といったもの。こちらは固さを表す指標で、エコカーやスポーツエンジンで求められる特性が変化します。
ここでは固さとベースオイル、規格(グレード)についてご紹介しましょう。
エンジンオイルの固さについて
エンジンオイルは、固さでいくつかの種類に分けられます。例えば5W-30といった指標を見てみましょう。
この指標はハイフンを境に分けられ、それぞれ低温・高温時のオイル粘度を表しています。
■低温時のオイル粘度
- 0W
- 5W
- 10W
- 15W
- 20W
■高温時のオイル粘度
- 20
- 30
- 40
- 50
- 60
上記の組み合わせで低温、高温の性能を推し量れます。つまり種類としては、上記の組み合わせ次第で複数種のオイルが存在することになるでしょう。
ただ一般的にカー用品店では、0W-20、5W-30、10W-30といった3種類くらいが多く取り扱われています。
エンジンオイルのベース
エンジンオイルのベースとは、オイル自体の種類です。具体的には下記3種類がメジャーとなっています。
- 化学合成油(全合成油)
- 部分合成油
- 鉱物油
化学合成油は不純物を含まないため、安定しているオイルです。原油を化学的に精製、もしくは化学反応処理されたものを指します。
ハイスペックなオイルなので、始動性や耐熱性、高負荷な走行にも耐えるもの。ゆえに高価です。
部分合成油は化学合成油に鉱物油をブレンドしたもので、もっともコストパフォーマンスに優れています。
鉱物油の品質を化学合成油でカバーし、配合割合を変えてオールマイティーなエンジンオイルを作れるのが魅力です。
鉱物油は原油を蒸留して精製したオイルとなっており、製造工程のシンプルさからコストがかかりません。
しかしほかのオイルと比較して、酸化や熱耐性が低く、劣化しやすいです。燃費にも影響を及ぼします。
品質によりもっと種類が分けられるものの、基本的にはこの3つが選ぶ際の目安となるでしょう。
エンジンオイルの規格(グレード)とは
エンジンオイルには規格(グレード)があり、それぞれオイルの品質と性能を表したものがアルファベットで表記されています。
例えば「SN 0W-20」といったオイルがあったとき、最初の「SN」がエンジンオイルの規格(グレード)です。
この規格はSから始まりA、B、Cと順に進むごとで対応年度が更新されていきます。現在最新の規格はSP(2020年制定)。
ほかにもGF-~から始まる規格があり、燃費性能にフォーカスした規格もあります。最新規格はGF-6です。
この規格を見ることで、オイルの品質がよく分かるようになるでしょう。それぞれの規格名称や特徴は後述します。
エンジンオイルの規格について
エンジンオイルには規格があり、それぞれ制定している協会が異なります。
- API規格
- ILSAC規格
- JASO規格
ではそれぞれどういった特徴があるのか、詳細を見ていきましょう。
API規格
API規格は、下記三者が定めている規格です。
- 米国石油協会(API)
- SAE(アメリカ自動車技術者協会)
- アメリカ材料試験協会(ASTM)
ガソリンエンジンがSで、ディーゼルエンジンはCから始まります。このSとCの次にアルファベットがAからB、C、Dと続くごとに高性能化。
低温始動性や耐スラッジ性といった総合性能が高くなります。現在最新の規格は「SP」となっており、2020年に制定されたものです。
2010年制定のSNよりも、燃費性能や耐エンジンスラッジで高い機能を備えています。
一般的に見かける規格としては、「SL」「SM」「SN」「SP」の4種類です。
ILSAC規格
ILSAC規格は、日米の自動車工業会(ILSAC)が制定したものです。
API規格に少燃費性能を加えているため、この規格がついているエンジンオイルはより少燃費性能が高まっています。
表記される規格名は「GF-1」から「GF-5」となっているものの、「GF-1」から「GF-2」は対応するAPI規格が扱われていません。
※API規格に対するものなので、SLには「GF-3」、SMには「GF-4」と定まっている。
例えば最新のSPであれば、対応するILSAC規格は「GF-6」。この「GF-6」がついているかどうかで、少燃費性能が高いか否かを見極められるでしょう。
JASO規格
JASO規格は、国内のクリーンディーゼルエンジン車向け規格です。表記は「DL-1」といった文字列で、最新の規格名は「DL-2」となっています。
- DL-0:2017年制定
- DL-1:2005年制定
- DL-2:2021年制定
制定年度が前後するものの、基本はDL-1が大元となっています。早くに制定された背景もあり、DL-0もDL-2もDL-1が基本ベースです。
粘度グレードの種類と違い
エンジンオイルには粘度のグレードがあり、それぞれ違いや特徴があります。
ここでは粘度のグレードを特徴ごとに紹介しますので、ぜひ選ぶ際の参考にしてください。
粘度のグレードとは
エンジンオイルの粘度グレードは、低温粘度と高温粘度に分けられます。
低温粘度はW(ウインター)が付く表記で、低温でのオイル粘度を表したもの。Wがついていないのは高温粘度で、数字が高くなるほど高粘度になります。
例えば25W-60であれば、非常に固いオイルとなるでしょう。反対に0W-8はとても水っぽく、サラサラとしたオイルなのが分かります。
このように表記された数字から、固さを推察していくのが粘度グレードの見方です。
最近のハイブリッドカーや低燃費車は、エンジン温度の最適化により高温となりません。
つまり粘度が低くても潤滑するよう、低粘度のオイルを指定する傾向です。
高温粘度の特徴
高温粘度はWがつかないほうの数字です。この数字は、エンジンが温まった状態のパフォーマンスに影響を及ぼします。
この数字が低ければ低いほど、エンジン温度が低くてもサラッとしたオイルを維持してくれるでしょう。
燃費が良くなるので、日常使いには最適です。最近の低燃費エコカーは、高温粘度の低いオイルを好みます。
反対に数字が高いと燃費は悪くなるものの、油膜が厚いのでエンジン保護・潤滑性能が高いです。(スポーツ走行時に最適)
単純に高温粘度側は数字が大きくなるほど、熱さに強いと覚えておけば分かりやすいかもしれません。
低温粘度の特徴
低温粘度はエンジンが冷えているときの粘度を表し、数字が低いほど低温時の始動性が良いです。
一般的にハイブリッドカーのようなエコカーだと、頻繁にエンジンが停止してモーター走行を繰り返します。
つまりエンジンがなかなか温まらず、オイルが柔らかくなりません。そのままだと抵抗となってしまい、燃費が悪化してしまうでしょう。
そこで低温時でも適切なオイル抵抗を維持するため、より低い数値のエンジンオイルを使用するようになりました。
一般的なガソリンエンジン車は常にエンジンが回っているため、あまりサラサラなオイルだと油膜が切れてしまいがちです。
低温粘度は低ければ低いほど、寒さに強いと覚えておくと良いかもしれません。
粘度による性能の違いはあるのか?
エンジンオイルは、粘度による性能の違いは厳密に言えばありません。
なぜならスポーツカーに低粘度オイルを使えば焼付きの可能性がありますし、ハイブリッドカーに高粘度オイルを使えば燃費が悪化するからです。
※最近では粘度指数が高く、サーキット走行でも使える低粘度オイルが出ています。あくまで一例です。
どちらかと言えば、エンジンに合った粘度を選ぶ必要があるでしょう。正しく粘度を選ばなければ、せっかくの高級オイルでも性能を発揮できません。
そういった意味では粘度による性能の違いはあるものの、選択を間違えば逆の結果にもなりうる結論となります。
また一般走行であれば、そこまで性能の差は感じられないです。よほど耐久性を求めるレースや、スピードを競うサーキット走行で性能差を感じられるでしょう。
一般走行なら燃費や坂道の加速で、オイルによる性能差を感じられるかもしれません。(オイル以外の要素も含むため、一概に言えない部分はあります)
エンジンオイルの選び方
実際にエンジンオイルを選ぶ際、どういう選び方で見つけていけばいいか迷うかもしれません。
そこでこの項目では、3つのステップに沿って選んでいく方法をご紹介します。最適なエンジンオイルで悩んだら、ぜひ参考にしてください。
粘度を選ぶ
エンジンオイルで重要なのは、「正しい粘度を選ぶ」という点です。粘度は推奨されるものを選ばないと、正しい性能を発揮できません。
基本的には車両の取扱説明書を読み、推奨されているエンジンオイルを使用するのが一番です。
安いからといって高粘度のオイルを選ぶと、燃費の悪化につながるおそれがあります。
取扱説明書がなかったり、見るのが面倒だったりする場合は店員さんに聞くと良いでしょう。
カーショップでは対応一覧表も置いてあり、ある程度のオイル粘度が分かるようになっています。
ベースオイルを選ぶ
粘土を選んだら、次にベースオイルを選びましょう。おすすめは「部分合成油」です。
全合成油、もしくは化学合成油は高パフォーマンスのハイスペックオイルとなっています。
あえて高いオイルを入れて長くもたせる、という上級向けの考えじゃなければ、コストパフォーマンスの優れた部分合成油を使いましょう。
鉱物油は安価なものの、劣化が早いのでなるべく早めに交換しなければなりません。定期交換ができないのであれば、できるだけ避けたほうが良いです。
規格(グレード)を選ぶ
最後に規格(グレード)を選んでください。グレードはオイルの最初に表記されているアルファベットです。
- SL
- SM
- SN
- SP
基本的にはアルファベットが進むにつれて性能が高くなるものの、ここまで来るとあとは予算との相談で構いません。
少しでも余裕があるなら性能の高いグレードを選び、余裕がないならグレードを下げる…といった考え方で良いでしょう。
まとめ
今回はエンジンオイルとは?という基礎知識から種類、選び方にまつわる知識などを中心に解説していきました。
この他にも、自動車のメンテナンスにまつわる知識やメンテナンスで使用する道具など、まだまだ知っておきたい知識はたくさんあります。
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