HiKOKIのEC4516HY(S)とマキタのAC462XGHの特徴やスペックの違いについて解説します
目次
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HiKOKIが2024年2月に販売を開始した新型高圧コンプレッサーEC4516HY(S)について、マキタのAC462XGHとどのような違いがあるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
販売は本体のみで、業界初となる「AC+DCハイブリッドテクノロジー」を搭載していることから注目されている方も多いはずです。
ということで今回は、「HiKOKIのEC4516HY(S)とマキタのAC462XGHの特徴やスペックの違い」や「前機種から何が変わったのか?」などを中心に解説していきます。
HiKOKIのEC4516HY(S)とマキタのAC462XGHが気になっている方は、ぜひ最後まで読んでみて参考にしてみてください。
【HIKOKI】EC4516HY(S)の特徴とスペック
まずはHiKOKIのEC4516HY(S)について、その特徴とスペックについて見ていきましょう。
型式 |
EC4516HY(S) |
電源 |
単相交流100V(50/60Hz兼用) |
消費電力 |
1,500W |
空気タンク内最高圧力 |
4.4MPa(44.9kgf/cm2) |
運転制御圧力 |
【ON圧力】 ブースト、パワー:4.0MPa(40.8kgf/cm2) オート:3.9または3.2MPa(39.8または32.6kgf/cm2) ※空気消費量に応じて可変 サイレント:2.5MPa(25.5kgf/cm2) 【OFF圧力】 ブースト、パワー、オート:4.4MPa(44.9kgf/cm2) サイレント:3.0MPa(30.6kgf/cm2) |
取出し可能圧力 |
高圧カプラ:0~約2.5MPa(0~約25.5kgf/cm2) |
回転速度 |
1,500min-1〜最大3,500min-1(3,500回/分) |
吐出し空気量 |
0.7MPa(7.1kgf/cm2):60〜120L/min 2.3MPa(23.5kgf/cm2):50〜115L/min |
空気タンク容量 |
16L |
バッテリー電圧 |
36V |
外形寸法(幅×奥行×高さ) |
440×395×450mm |
重量 |
21.5kg |
騒音値 |
59dB(オートモード) |
空気取出し口 |
高圧カプラ×4個 |
希望小売価格 |
税別338,000 円 |
本機の特徴としては、AC電源とバッテリー電源を併用することで、従来製品の制限値である1,500W(100V・15A)を超えるスペックである2,000Wを引き出せるようになっています。
これによりエアーが不足することで作業効率が低下したり、釘浮きが発生したりする状況を減らすことができる点が最大の強みとなっています。
機能
次にEC4516HY(S)の具体的な機能について解説していきます。
主な機能面での特徴は下記のとおりです。
- AC+DCハイブリッドテクノロジー
- スクエアデザインで設置面積を最小化
- 大型LCDパネル搭載で操作性向上
- バッテリー充電機能も搭載
- 振動を従来製品から25%低減
EC4516HYは、業界初となるAC電源とバッテリー電源を併用するブースト回路を搭載することで従来モデルの限界を超えた製品となっています。
従来製品(100V電源モデル)では最大でも1,500Wまでが限界でしたが、AC電源と併せて充電式バッテリーも併用する回路を組むことでにEC4516HYは業界初となる2,000W出力を獲得しました。
そのため業界でも最大の吐出能力115L/min(ブーストモード、2.3MPa※現行品比140%)を達成。クラス最多の連続作業も可能です。
※従来製品と比較して、連続釘打ち本数は3倍の960本に向上。
大出力を達成したにも関わらず、設置面積の最適化を図ったスクエアデザインとなっています。この設置面積も業界最小クラスです。
使い勝手にも配慮されており、大型のLCDパネルを搭載。操作部が前面に集中しているため、操作性が向上しています。
なんとモーターの停止時、マルチボルトバッテリーを充電する機能も備えました。BSL36A18Xで約25分、BSL36B18Xで約40分の充電時間です。
振動も抑えられており、従来製品から約25%の振動低減を実現しています。
EC1445H3(CTN)から何が変わったのか?
EC4516HYは、前モデルであるEC1445H3から見た目も含めて大幅に変更されましたので、どう変化したのか気になる方が多いと思います。
この章では、変更点に焦点を当てて解説していきます。
EC1445H3からの変更点は以下のとおりです。
- 外観
- AC+DCハイブリッド
- 使い勝手
- タンク容量
前モデルであるEC1445H3と見比べてみても、EC4516HYの外観デザインは全く異なるものになりました。
EC1445H3がタンクを下部に配置したデザインなのに対し、EC4516HYはタンクを縦に4つ配置しています。
そのため配置した際の面積も変わり、見た目も大きく変わっている状態です。
なんとなく後継機種という感覚はあるものの、知らない人が見れば全くの別系統で生まれた機種と思うかもしれません。
AC+DCハイブリッド回路を備えたのも、大きな違いと言えるでしょう。1,500Wから2,000W(理論値)に変わり、100V電源の制限を超えています。
従来製品ではエアーが足りなかった事態も、大きく改善されるはずです。
同時に操作部を前面集約したことで、操作性も改善されました。大型のLCDパネルだけではなく、操作ボタンも独立ボタンへ変更。(耐久性の向上に寄与)
EC1445H3と比較して見れば、その違いは一目瞭然です。
タンク容量も変わり、12Lから16Lに変わりました。全体的なスペックアップのほか、デザイン変更による空間効率が向上しています。
【マキタ】AC462XGHの特徴
マキタの高圧コンプレッサーAC462XGHは、16Lと大容量のタンクを備えたコンプレッサーです。
容量や性能はトップクラスながら、耐久性も高く仕上がっているのが特徴。
ではAC462XGHの詳しいスペックや機能をまとめましたので、ぜひ詳細に確認してみましょう。
スペック
まずはAC462XGHのスペックを見ていきましょう。
型式 |
AC462XGH |
電源 |
単相交流100V |
定格出力 |
1.3kW |
空気タンク内最高圧力 |
4.5MPa(46kgf/cm2) |
減圧弁の圧力調整範囲 |
高圧:0.98~2.45MPa(10~25kgf/cm2) |
回転速度 |
最大2,500min-1(静音モード:最大1,800min-1) |
吐出し空気量 |
85L/min(高圧/2.26MPa時) |
空気タンク容量 |
16L |
外形寸法(長さ×幅×高さ) |
549×366×368mm |
重量 |
18kg |
騒音値 |
59~62dB |
空気取出し口 |
高圧カプラ×4個 |
希望小売価格 |
税別258,300 円 |
一般的な16Lクラスでは高性能になっており、本体のコンパクトさと低騒音・低振動なのが魅力的です。
マキタ製品に信頼があるなら、ぜひ押さえておきたい一台と言えるでしょう。
機能
続いて、AC462XGHの機能について解説していきます。
特筆すべきポイントは、下記の5つです。
- 低騒音
- 低振動
- 高輝度デジタル表示
- タンク内圧力を三段階切り替え
- 新ドレン構造
AC462XGHの低騒音は、3つの改良により生み出されました。その改良とは高剛性のケース&カバーを使用し、ダブルファンと底面吸気構造を採用したものです。
高剛性のケース&カバーはたわみを抑え、余計な振動を生み出しません。また冷却風をダブルファンで整流化することで、雑音の低減に寄与。
音が伝わりにくい底面からの吸気を採用し、複合的な工夫から低騒音を実現しています。
また高耐久の防振ゴムを採用し、防振フローティング構造を実現。この構造により、従来機と比較して振動値を約90%もカットしました。
薄暗い現場でも操作がしやすいように、高輝度なデジタル表示にも対応しています。吐出圧と電源電圧、タンク内圧力がひと目で視認可能です。
そしてタンク内の圧力を三段階で切り替えられるため、作業に合った圧力を選べるのも効率的。
※内装作業なら3.0MPa、ボード貼りなら4.0MPa、躯体作業なら4.5MPaと切り替えできます。
ほかにもドレン排出音を低減させるため、底部排出口にドレンカバーを採用。粉塵の舞い上がりも防止できます。
【HIKOKI】EC4516HY(S)とEC1445H3(CTN)の違い
HiKOKIのEC4516HY(S)とEC1445H3(CTN)は、どういった違いが見られるのでしょうか。
どちらがどう違うのか、比較しながら検討したい方もいらっしゃるはずです。
この項目ではスペックと機能の違い、その他の違いについてまとめました。
スペックの違い
スペックの違いは下記の表にまとめましたので、比較してみましょう。
型式 |
EC4516HY(S) |
EC1445H3(CTN) |
電源 |
単相交流100V(50/60Hz兼用) |
単相交流100V(50/60Hz兼用) |
消費電力 |
1,500W |
1,500W |
空気タンク内最高圧力 |
4.4MPa(44.9kgf/cm2) |
4.4MPa(44.9kgf/cm2) |
運転制御圧力 |
【ON圧力】 ブースト、パワー:4.0MPa(40.8kgf/cm2) オート:3.9または3.2MPa(39.8または32.6kgf/cm2) ※空気消費量に応じて可変 サイレント:2.5MPa(25.5kgf/cm2) 【OFF圧力】 ブースト、パワー、オート:4.4MPa(44.9kgf/cm2) サイレント:3.0MPa(30.6kgf/cm2) |
ON圧力 4.0MPa(40.8kgf/cm2) OFF圧力 4.4MPa(44.9kgf/cm2) |
取出し可能圧力 |
高圧カプラ:0~約2.5MPa(0~約25.5kgf/cm2) |
高圧:0~約2.5MPa(0~約25.5kgf/cm2) |
回転速度 |
1,500min-1〜最大3,500min-1(3,500回/分) |
最大2,300min-1(2,300回/分) |
吐出し空気量 |
0.7MPa(7.1kgf/cm2):60〜120L/min 2.3MPa(23.5kgf/cm2):50〜115L/min |
0.7MPa(7.1kgf/cm2):95L/min 2.3MPa(23.5kgf/cm2):80L/min |
空気タンク容量 |
16L |
12L |
バッテリー電圧 |
36V |
なし |
外形寸法(幅×奥行×高さ) |
440×395×450mm |
328×615×337mm |
重量 |
21.5kg |
15.8kg |
騒音値 |
59dB(オートモード) |
パワーモード:59dB(静音モード:55dB) |
空気取出し口 |
高圧カプラ×4個 |
一般圧カプラ×2個 高圧カプラ×2個 |
希望小売価格 |
338,000 円(税別) |
222,600円(税別) |
スペックを見てみると、主要な部分はあまり大きな差になっていません。
基本的にAC100V電源の限界はすでに迫ってきており、主要スペックでは差が出にくくなっています。
とはいえEC1445H3(CTN)のほうが軽く、価格も10万円以上は安価です。スペック以上の差を見るなら、機能の違いも把握しておきましょう。
機能の違い
機能面での違いは、下記の表を参考にしてください。
|
EC4516HY(S) |
EC1445H3(CTN) |
AC+DCハイブリッドテクノロジー |
◯ |
× |
スクエアデザイン |
◯ |
× |
バッテリー充電 |
◯ |
× |
HiKOKI TOOLS |
◯ |
× |
大型LCDディスプレイ |
◯ |
× |
基本的な機能、スペックは同一です。上記は優位性のある機能をまとめました。
やはり大きな機能差は、AC+DCハイブリッドテクノロジーにあると言えるでしょう。
どうしてもAC100V電源では限界値が訪れているため、大きな差は出にくくなっています。
そこでHiKOKIはマルチボルトバッテリーを併用し、ブースト回路を採用しました。
このブースト回路により従来では限界があった1,500W出力を超え、理論値2,000Wを実現しています。
デザインも大きく変わっている点から、機能面でも大きな向上が見られていると見て良いでしょう。
その他の違い
建築作業に使われるコンプレッサーは、今ではすっかり普及している製品です。つまり現時点で、十分に製品需要は満たされています。
そのうえでコストや性能、耐久性を踏まえると、なかなか違いが優位性になるとは考えにくいでしょう。
またタンクの配置が縦に配置されているものの、衝撃に対する弱点は少し懸念点が残ります。
大きな違いになっているブースト回路も、バッテリーが残存している間のわずかな時間のみ。(BSL36A18Xを5分で使い切る出力)
どうしても100V電源の根本的な改善には至っていないのが実情です。
さらにここまで出力の高い製品であっても、蓄電池冷却用ファンが搭載されていません。
気温が高い時期は冷却が追いつかず、ブーストモードの使用不可、ひいてはバッテリーを痛めてしまう原因にもなるでしょう。
※この点はブーストモードの使用頻度を踏まえた上で、冷却ファンの必要性を判断されたのかもしれません。
HiKOKIはバッテリーアシスト機能に関する特許を2020年5月に出願しており、今回はその思想を製品化したものと思われます。
そのため全体的にアピールの側面が強い可能性も考えられ、あらゆる意味で今までのコンプレッサーとは違う製品になっているはずです。
まとめ
今回は、HiKOKIのEC4516HY(S)とマキタのAC462XGHの特徴やスペックの違いについて解説していきました。
この他にも電動工具に関する知識は、まだまだ知っておきたいことがたくさんあります。
ぜひ、その他の関連記事も読んで参考にされてみてください。
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