価格帯が安いインパクトドライバーとプロ用インパクトドライバーの違いについて
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DIYに興味をもった方の中には、最初の電動工具としてインパクトドライバーの購入を検討されている方も多いのではないでしょうか。
インパクトドライバーは穴あけ作業だけではなく、先端工具を変えることで様々な用途に利用できますので、作業効率の良くなり、あらゆる面でDIYライフをサポートしてくれます。
しかし、インパクトドライバーには価格帯の高いプロ用モデルやマルチインパクトドライバーなどの多機能モデル、そしてDIY向けに製造されたエントリーモデルなど様々種類が存在しますので、どれを購入しようか迷う方も多いはずです。
ということで今回は、インパクトドライバーで良く聞かれる疑問を中心に解説していきたいと思います。
この記事を読むことで「安いインパクトドライバーとプロ用インパクトドライバーの違い」や「価格帯の安いインパクトドライバーのメリット・デメリット、注意点」などについて理解できるようになります。
これからインパクトドライバーを購入しようと考えている方は、ぜひ最後まで読んで参考にされてみてください。
価格が安いインパクトドライバーが存在する理由
結論からお伝えすると、価格帯の安いインパクトドライバーは様々な機能や性能のグレードを落としており、最低限の役割だけ果たせるよう設計されているため、安価な価格帯で販売することができています。
また、ホームセンターモデルと呼ばれるようなDIY用途に特化したメーカー製の製品は、宣伝広告費などのコストを抑えることで価格を抑えていることもあります。
ちなみにプロ用モデルとDIY用モデルの大きな性能の違いは、下記の項目が該当します。
- 耐久性
- パワー
- 重量
- バッテリー性能
- 組み付け精度
ですので、価格帯が安いインパクトドライバーが「粗悪品なのか」かと問われると、すべてが悪いとも言い切れないという答えになります。
あくまで価格の違いは、インパクトドライバーに「どこまでの性能を求めるのか」になります。
使い方によってインパクトドライバーの必要スペックは違う
例えばプロ仕様のインパクトドライバーが必要となる場合は、1日中作業を行うような使い方や長時間の連続作業、高負荷な作業などが該当します。
とくに建設現場などで使用する場合は、DIYで使用する場合と比べてもインパクトドライバーの使用頻度は高くなりますし、よりハードな使い方になることは想像できると思います。
そうなると本来必要なスペックのほかに、耐久性を上げる必要があります。こういった点からコストがかかってくるわけです。
しかし、安いインパクトドライバーの場合は、そのようなハードな使用状況や環境下での使用を想定されていません。
そのため、やや極端になるものの、価格が安い理由は「性能が低いから」と見て間違いないです。性能が低ければコストはかからないですし、設計も容易になります。
プロ用インパクトドライバーとDIYモデルの違い
プロ用インパクトドライバーと、DIYモデルの違いについて見ていきましょう。
※ここではプロ用モデルを3〜5万円のセット製品、その価格以下で買える製品をDIYモデルとします。数千円で買える廉価モデルは除く。
プロ用モデルは、職人さんが現場で終日ハードに使い倒す想定で作られています。
- 高い耐久性(落としてもそうかんたんに壊れない)
- 軽量で重心が安定(長時間の作業でも疲れない)
- 高性能バッテリー(長く稼働できる、充電時間が早い)
- パワフルなトルク(パワーが強い)
例えば連続して長いビスを打つ作業がある場合、パワーが足りないとうまく打てません。とはいえ余裕がないと、モーターにかかる負荷も大きいです。
そのためよりパワフルに、かつ耐久性もより広い範囲を見て余裕があるよう設計しています。
対してDIY用モデルの場合、毎日フルでバッテリーを使い切る想定はしていません。休日に趣味で、DIYを行う方が大半のはずです。
そういったモデルの場合、まずバッテリー容量は抑えめで良いでしょう。
プロなら時間短縮でパワーに余裕を持たせますが、DIY用なら多少時間がかかっても作業ができれば問題はありません。
意図的に性能は落としているものの、十分実用に耐える性能を目指しているのがDIY用モデルの特徴です。
価格帯が安いインパクトドライバーを購入するメリット
価格帯が安いインパクトドライバーは、性能でプロ用に劣ってしまいます。
しかし価格が安いだけで、我慢して使うもの?というわけでもありません。
ここでは安いインパクトドライバーを購入するメリットについて、詳しくまとめました。
安いインパクトドライバーを購入するメリット
安いインパクトドライバーを購入するメリットは、下記の4つです。
- コストパフォーマンスが高い
- 手回しよりも遥かに効率が高い
- シンプル操作で扱いやすい
- ステップアップする際の基準となりやすい
安価なインパクトドライバーは、意外とコストパフォーマンスが高いです。
とくに今インパクトドライバーを持っておらず、手回し作業が中心ならとくにおすすめできます。
やはり機械を使って締め付けると、確実かつスピーディーに作業できるでしょう。手回しで家具を組み立てている方でも、安価なインパクトを使えばもう戻れません。
操作もシンプルなものが多く、機能が絞られている分かなり扱いやすいです。
またインパクトドライバーを使ったことが無い方は、基準になるものが何もありません。
自分の想定する作業でこのくらいのパフォーマンスなら、もう少しトルクはあったほうがいい…という基準が分かりにくいでしょう。
安価なインパクトドライバーを購入すれば、すぐに分かりやすい基準が自分の中で作られます。
作業範囲に合うなら安価なインパクトはとても魅力的!
安いインパクトドライバーといっても、手作業よりは遥かにパワーがあって効率的です。
もしかんたんな家具組立ぐらいに使うなら、かなり安いインパクトドライバーでも必要十分でしょう。
家具組立に高機能なプロ用インパクトドライバーを使っても、宝の持ち腐れとなってしまいます。(コストパフォーマンスが悪くなる)
自身がどういった作業を行うのか、適切なパワーや機能は一体なんなのか。こういった特徴を押さえて、適切なインパクトを購入すれば問題は何もありません。
安いインパクトドライバーでも、作業範囲に合えばとても魅力的な選択肢となるのです。
種類も豊富なので適したものを選ぼう
プロ用インパクトドライバーと言えば、トリガーを引いて使うピストル形状のようなものが一般的です。
しかし安価なインパクトドライバーの場合、ペン型やドライバー型、充電式からAC電源式まで非常に幅広く販売されています。
より自分の使いたい作業状況に合わせた形状が選べ、効率的な作業を追求できるでしょう。
軽作業が中心なら、ドライバー型が人気です。手回しのハンドドライバーにモーターが搭載されていて、一般的なドライバー感覚で電動締付けが行えます。
中には先端マグネットやLEDライトがついているのもあり、必要十分な機能がついているのも特徴。
ただし全般的に、変わった形状のものはトルクが控えめに設計されています。万が一パワーが足りないと困るので、事前に作業の想定は行っておきましょう。
目安としては「20N・m~30N・m」くらいあれば、ある程度太いネジや長いネジも締め付けできます。木材のビス打ちは45mmを超えなければ大丈夫です。
価格帯が安いインパクトドライバーのデメリットや注意点
価格帯が安いインパクトドライバーは、メリットだけではなくデメリットもあります。
注意点も理解した上で購入すれば、非常に良い相棒となるでしょう。
安いインパクトドライバーのデメリットと、購入時の注意点についてまとめました。
安いインパクトドライバーのデメリット
安いインパクトドライバーのデメリットは、下記の3つです。
- 耐久性が低い
- バッテリー性能が低い
- ヘッドが長くて扱いづらい
安価なインパクトドライバーを使っていると、プロ仕様と比べて壊れやすいのがデメリットです。
使用年月に伴った劣化だけではなく、間違って落とした場合の耐久性も低い傾向となっています。
バッテリーも安価なものだとリチウムイオンバッテリーを使用せず、ニカドバッテリーを使用しているケースも。(現在はあまり見られないが、まだ出回っている)
※ニカドバッテリーは継ぎ足し充電でメモリー効果が強く出るため、大電流が取り出せるものの初心者にはおすすめしにくい。
またバッテリーの容量はコストに直結するので、容量を抑えているモデルも多いです。長時間の使用ですぐ充電が必要になります。
意外とヘッド長があるのもデメリット。ヘッド長とはインパクトドライバーの頭部分で、ここが長いと狭い場所での作業がしづらいです。
とはいえ安価なモデルだと、狭い場所で作業する想定はしていません。モーターの性能も含め、安価なモーターによりヘッド長があるのだと思われます。
ヘッド長の短縮には、高価なブラシレスモーターが必要です。こういった点も安いインパクトドライバーはデメリットになるでしょう。
安いインパクトドライバーを購入する際の注意点
安いインパクトドライバーを購入する際は、いくつか注意点があります。
- 用途に合っているか
- 価格が安すぎないか
- 電源方式は求めているものか
意外と安いインパクトドライバーは、価格だけで選んでしまうと用途に合わない場合もあります。
例えばパワーが弱く、求めている作業で使えないケースです。せっかく購入したのに使えず、また新たに買い足すこととなるでしょう。
基本的にトルク値を見れば、ある程度の作業は想定できます。一般的なネジ締め作業なら「20N・m~30N・m」を目安としてください。
また一部のホームセンターやディスカウントショップで入手できるような、格安で購入できるインパクトドライバーはおすすめしません。
一時的な利用ならともかく、すぐ故障したりバッテリーがへたったりします。
全く電動工具を使ったことがなくて、とにかくお試しをしたい…という気持ちで購入するなら良いでしょう。
電源方式も忘れずに見ておいてください。安いインパクトドライバーの中には、AC電源式になっているものもあります。
基本的にバッテリーを搭載すると高価になる一方で、価格は高くなりがちです。AC電源式だとバッテリー式より高性能でも、屋外での使用は制限があります。
求めている作業用途が完全屋外で、電源の確保が難しいならAC電源式は扱いづらいです。購入前に確認しておきましょう。
ステップアップとして考えれば必要十分
安いインパクトドライバーは、あまり長期間使う想定で作られていません。短期的とまではいかないものの、長く使うと故障しやすいです。
ただしステップアップとして考えれば、自分の中に評価基準を作れるのでとてもおすすめできます。
安価なインパクトドライバーを求めている方は、まだ自分の中で「自分の用途と電動工具のスペック」が結びついていないでしょう。
いきなりプロ仕様モデルを使うのではなく、ステップアップ目的として購入する!と考えて選ぶのがおすすめです。
使ううちに不満点が出てきたら、自身が成長した証拠。足りるものと足りないものを精査して、より最適なものを選べるようになるはずです。
価格帯が安いインパクトドライバーで出来ること、出来ないこと
価格帯が安いインパクトドライバーは、プロ仕様と比較して出来ることと出来ないことがあります。
具体的にはどういったものが該当するのでしょうか。詳細に見ていきましょう。
価格帯が安いインパクトドライバーでできること
価格帯が安いインパクトドライバーでできることは、下記の3つです。
- 基本的なネジ締め、緩め作業
- 小さな穴あけ(ドリル使用)
- 素材の研磨作業
価格帯が安いインパクトドライバーでも、基本的に手で行える作業全般の上位互換性があります。
例えばハンドドライバーを使ってネジ締め、緩め作業。こういったものは手で締め付けていくため、非常に負担が大きいです。
スピードも出ないので、作業効率も悪くなりがち。安いインパクトドライバーでも、トルクがあるタイプはガンガン作業していけます。
先端についているビットを付け替えれば、ドリルも使用可能です。穴あけといえばドリルドライバーを推奨しますが、インパクトドライバーでも問題有りません。
ビットの付け替えで、素材の研磨作業もできます。よくワイヤブラシといったものがあるので、六角軸タイプのものを選べば研磨作業が可能です。
価格が安いと言っても、日曜大工レベルなら全く困りません。さらに安いものでハンドドライバー形状のものだと、家具組立にしか使えない…といった状態です。
安価なインパクトドライバーは種類があるため、一般的なピストル型のタイプを選べば良いでしょう。
価格帯が安いインパクトドライバーでできないこと
価格帯が安いインパクトドライバーでできないことは、下記の3つです。
- 太い(長い)ネジの締め付け、緩め
- 大きな口径の穴あけ
- 長時間の連続使用
価格帯が安いインパクトドライバーは、トルクがある程度抑えめに作られています。
トルクが小さいと太いネジや長いネジの締め付け、緩めはパワーが足りないでしょう。
締め付け自体は行えても、過負荷によりモーターがオーバーヒートすることも。最悪の場合、故障してしまいます。
同じく穴あけも、口径の大きなものは開けられません。とくに穴あけはモーターへの負荷が大きく、トルクが低いインパクトでは発熱しやすくなります。
同時に長時間の使用でも、トルクに余裕がないので熱を持ちやすいでしょう。あまり発熱しすぎると、自動保護の仕組みから稼働が停止します。
何度もモーターが停止するような使い方をしているなら、安価なインパクトドライバーではなくプロ用モデルを購入するのがおすすめです。
悩んでいるならまず購入して実際に使ってみよう
安いインパクトドライバーは、安価で求めやすいためお試し感覚的に購入できます。
悩んでいるなら、まずは購入して実際に使ってみるのがおすすめです。その上で足りない機能、欲しいトルク値が見えてくるかもしれません。
問題なく使えるのであれば、安価なインパクトドライバーで十分まかなえる作業範囲という意味です。
また安いインパクトドライバーでも、大手メーカーのインパクトドライバーは非常に高性能。マキタやHiKOKIのDIY用モデルは、初心者にもおすすめです。
大手メーカーのモデルはバッテリーの使い回しもでき、バッテリー自体の性能も高性能となっています。
バッテリーの使い回しもできるため、モデルによってはインパクトドライバーだけではなくドリルドライバーも購入できるでしょう。
中にはサンダーやレシプロソーもラインナップがあり、DIYの幅を広げていけるメーカーも多いです。
もし購入で悩まれているなら、一度お試しとして購入してみると良いかもしれません。
まとめ
今回は価格帯が安いインパクトドライバーとプロ用インパクトドライバーの違いについて解説していきました。
この他にも電動工具にまつわる知っておきたい知識はたくさんあります。
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