扇風機と送風機、冷風機の違いについて解説します
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扇風機は一般的に風を送り、涼を得るもの。こういった印象は誰しも持っていることでしょう。
では送風機やサーキュレーターは、一体どういう違いがあるかご存知ですか?
本項目では扇風機と送風機、サーキュレーターの違いについてまとめました。
送風機とは?サーキュレーターとの違い
送風機は、名称のとおり「風を送る機械」です。広い範囲で捉えれば、扇風機も送風機の一種と言えるでしょう。
ただし一般的に使われる送風機の場合、扇風機と異なります。
法律や名称の区分といった明確な区別はないものの、送風機と言えばサーキュレーターを指すことが多いです。
つまりサーキュレーターは送風機と同じ、と考えても良いかもしれません。
近年ではサーキュレーターという名称のほうが一般的になってきており、送風機という名称が使われる機会は少なくなっています。
実はサーキュレーターが正式名称のように扱われていますが、本来はエア・サーキュレーター(Air Circulator)です。
配布、流通、行き渡るといったサーキュレイト(circulate)が元になっており、空気を示すエアをつけて空気を行き渡らせる機械となっています。
扇風機と送風機の違いについて
扇風機と送風機の違いは、風力と範囲の2つです。一般的に扇風機と言えば、風を浴びて涼しくなるイメージを持つ方が多いでしょう。
しかし実は扇風機の風力、けっこう抑えられているのをご存知ですか?
扇風機は人間が快適に涼しさを得られるよう、不快に感じない風力を生み出しています。また体全体が冷えるように、範囲も広めです。
そのため扇風機を遠くに配置すると、思ったように風が当たらない…と感じた方も多いでしょう。
風力が弱く、体全体に浴びられるよう調整しているのが扇風機です。
一方で送風機は、扇風機の特徴を反対にした特徴を持っています。風力は強く、範囲は限定的。
送風機を扇風機のように使った場合、風の当たりが強すぎて不快に感じてしまうはずです。(体温低下も著しくなるので、おすすめできません)
ただ空気が滞留するところに向けると、部屋の空気をうまく撹拌してくれる作用があります。
足元だけ冷える冬は、送風機を使用すると部屋の温度が均一になるでしょう。夏も温度調整の効率が上がり、結果としてうまく冷やせつつ節約もできます。
扇風機と送風機の使い分けについて
実際に扇風機と送風機、どちらもある場合はどう使うのがよいでしょうか。
よく送風機を扇風機として使えるのか?という疑問が寄せられます。送風機の風は直線的で風力が強く、涼を取る上では最適と言えません。
※一時的に強い風を浴びて涼しくなりたい、という利用なら◎。継続的な利用はおすすめできない。
では結果として扇風機しか使えないのでは?と思うでしょう。直接風を浴びて涼しくなるなら、扇風機が最適です。
加えて送風機を使うシーンは、冷暖房を併用する場合となります。
よくお風呂を追い焚きすると、下が冷たくて上は温かい状態になっていることがありますよね。室内の空気もこの状態と似たようなことが起こります。
手でかき混ぜると大変なので、直接送風機の強い風を使って空気循環する…といったイメージです。
室内の熱効率が高まり、最適な室温と省エネ効果を実現できます。
扇風機と送風機、エアコンの決定的な違いについて
涼を取る手段として、エアコンは最高峰に当たる器具ですよね。扇風機よりも涼しくなれますし、夏の定番家電としてもはや手放せません。
では扇風機と送風機、エアコンのそれぞれの決定的な違いはなんでしょうか。一言で特徴をまとめるなら下記のとおりになります。
- 扇風機:風で涼しくなる
- 送風機:風で室内の空気をかき混ぜる
- エアコン:空気そのものを冷やす
どうでしょうか。エアコンは全く別次元の存在になっているのが分かるはずです。
扇風機も送風機も、風を起こす作用は同一。しかし温度そのものの変化はほぼありません。
しかしエアコンは空気そのものを冷やし、室内温度を直接下げてくれます。
そのため「涼しくなりたい」という点では温度に応じて扇風機からエアコンと使い分けるのが良いでしょう。
送風機は空気をかき混ぜるので、直接涼を取るアイテムでは無いと考えて良いですね。補助的に利用するとそれぞれ効果を最大限に発揮できます。
※扇風機と送風機も、場合によっては室内温度を最適化可能です。
ただし熱中症リスクは年々上がっていますので、あまりにも暑い場合は迷わずエアコンを利用しましょう。
扇風機と冷風機の違いについて
扇風機のほかに、冷風機というものがあります。名前に「冷たい風」と書いてあるので、もしかして空気を冷やしてくれる…?と思うでしょう。
電気代も安く、お値段もお手頃です。どういったものなのか気になりますよね。
この項目では扇風機と冷風機、スポットクーラーをまとめました。
冷風機とは?
冷風機は、水が蒸発するときの気化熱を利用した扇風機です。気化式冷風機とも呼ばれています。
よく予防注射を打つ際、アルコールで消毒された経験をお持ちではないでしょうか。
アルコールを含んだ脱脂綿で拭かれると、スーッと冷たい感覚を覚えたはずです。あの感覚が気化熱といって、気化する際に熱を奪う現象となっています。
具体的には稼働時、冷風機の中に水を注入。冷却エレメントと呼ばれる装置がついており、ここに注入された水が浸透します。
そしてファンが稼働すると冷却エレメントを風が通過し、水が蒸発して気化熱を発生。この気化熱により、涼しい風を生み出す仕組みです。
水を使うだけなので、手軽に涼を得られるのが魅力的と言えるでしょう。電気代もエアコンより遥かに安く、使いやすいです。
冷風機の効果はどのくらい?
冷風機の仕組みは分かったけど、水が蒸発する程度の涼しさでそんなに涼しくなるの…?と疑問を持った方もいらっしゃるはずです。
結論としては、「周囲の温度よりも4〜5℃低い風」を浴びられます。スポットクーラーのように排熱もしないため、室内温度が上がる心配もありません。
一台あるだけで涼しくなり、扇風機では力不足と感じている場合にも最適です。
暑い真夏に温まった室内空気を浴びせられるより、4〜5℃低い風を浴びたほうが涼しくなれるでしょう。
冷風機と扇風機の電気代はどのくらい?
自然の力を利用する冷風機は、エアコンのように電力を使いません。とはいえ扇風機と比較して、どのくらい電気代が異なるのか気になりますよね。
例えばシャープの冷風機「CM-R100」は、一時間あたり7.60円です。
対して扇風機は一時間あたり、0.31〜1.55円程度。比較すると5倍近くもある!と思いがちですが、エアコンは1時間あたり50円以上もかかります。
こう考えると、やはり冷風機は電気代がかなり安いです。扇風機よりも確実に涼しい空気を感じられるので、熱中症対策としてもおすすめと言えるでしょう。
扇風機と冷風機の違いについて
扇風機と冷風機の違いは、「気化熱を利用するかしないか」という点が大きいです。
単純に構造だけ見ると、風を送る点では扇風機と冷風機に大きな違いは見られません。どちらも人間が風を浴び続けられるよう、風力が調整されています。
しかし扇風機は風を送るだけで、気化熱を利用する仕組みは備わっていません。
冷風機は冷却エレメントがあり、通過した風を気化熱で冷やす仕組みが備わっています。
この違いが大きく、得られる効果も違いが出てくると思って良いでしょう。
また冷風機は気化熱を利用する一方で、通過した水が気化して湿度につながります。
高温多湿な環境で利用した場合、さらに不快な環境となってしまう恐れも。使う場面や利用シーンには注意しましょう。
扇風機と冷風機の使い分けについて
扇風機と冷風機の違いは分かったけど、どう使い分けるのがいいの?と思うこともありますよね。
とてもかんたんにお伝えするなら、少し暑いときは扇風機、暑いときは冷風機と気温で使い分けるのが良いです。
基本的に風を出す仕組みは同じなものの、出てくる風の温度が異なります。扇風機を使っても暑いと感じるなら、積極的に冷風機を利用しましょう。
ただし冷風機は湿度が高まるため、あまり湿度が高い日は積極的な利用を推奨しません。
湿度が高いなと感じた場合、迷わずエアコンを使ったほうが快適です。湿度が高いと汗が蒸発せず、なかなか体温が下がらなくなります。
極端な話、湿度が低ければ多少暑くても我慢できるはずです。
例えば高温サウナは湿度が低いので、90℃近くあっても我慢できますよね。しかしミストサウナは40℃と比較的低温ながら、湿度が高いので息苦しく暑いです。
まずは気温で判断しつつ、総合的には湿度を見て調整しましょう。扇風機や冷風機を使っても我慢できない場合は、エアコンを利用してください。
まとめ
今回は、扇風機と送風機、冷風機の違いについて解説してきました。
この他にも扇風機などの家電製品についての知識は、まだまだ知っておきたいことがたくさんあります。
ぜひ、その他の関連記事も読んで参考にされて見てください。
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