バッテリーのahとは?用語の意味やwhとの違いも解説
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皆さんは電動工具のバッテリーの2.5ahや5.0ahの意味についてご存知でしょうか。
電動工具を見ていると、バッテリーに「2.5Ah」や「5.0Ah」という単位が書かれているのを見たことがある方は多いと思いますが、意外と、この「Ah」とはどういった意味なのか、実は詳しく知らない方も多いと聞きます。
そこで今回は、バッテリーの基礎知識である「Ah」の用語の意味や似たような単位である「wh」との違いなどを中心に解説していきたいと思います。
「なんとなく分かっているけど、説明しろと言われると難しい」という方も、ぜひ参考にしてみてください。
蓄電池(バッテリー)の容量「Ah」とは?単位の意味
電動工具のバッテリーの単位としてよく見かける「Ah」。実はこれ、アンペアアワーと読みます。蓄電池やバッテリーの容量を表す単位として利用されていて、電力供給能力を示すための単位です。
この単位は電流(A:アンペア)と時間(h:アワー)の積算値を表しており、電池やバッテリーの稼働時間(容量)を表しています。
具体的にAhは、「蓄電池が特定の電流をどのくらいの時間にわたり供給できるか」を示したもので、例えば10Ahの蓄電池なら、「1アンペアの電流を10時間流し続けられる容量を持っている。」といった具合に「蓄電池が特定の電流をどのくらいの時間にわたり供給できるか」を示しています。
同様に5Ahの蓄電池の場合なら、1アンペアの電流を5時間供給できるという見方ができます。
つまり、Ahの数値が大きければ大きいほど、バッテリーが提供できる電流量が多いと判断できるということです。
※もちろんバッテリーの劣化具合や使用環境、負荷などによって電流量は変化するため、あくまで目安となります。
このように、蓄電池の容量を自身でも判断できるようになれば、適切なバッテリーサイズが分かり、スペック不足やオーバースペックといったトラブルになることを避けることが可能です。
電力をたくさん使いたいなら単純に、より大きなAhの蓄電池を選べば問題はありません。しかし、その分、導入コストがかかるので、適切なAhを選ぶ必要性は、コスト管理の視点からも重要だったりします。
適切なバッテリー容量を選ぶ際に必要な単位なので、ぜひ意味はしっかりと押さえておきましょう。
バッテリーの2.5ahや5.0ahの違いについて
バッテリーで2.5Ahや、5.0Ahの表記があったとしましょう。この違いは容量の違いですが、使用時間だけではなくメリット・デメリットが異なります。
使用時間の観点だけではなく、メリットやデメリットも押さえておくべきです。
使用時間の違い
2.5Ahバッテリー:2.5Ahのバッテリーは、1アンペアの電流を2.5時間供給できる容量を持っています。
この容量なら軽作業のほか、短時間の使用に最適です。例えば小型の携帯電子機器や、ハンドツールが良いでしょう。
5.0Ahバッテリー:5.0Ahのバッテリーは、2.5Ahのバッテリーよりも多くの電力を提供できます。単純に1アンペア5時間と、倍の駆動時間が確保できるはずです。
電力需要が高い作業や、長時間の使用に最適。大型ツールや電動自転車、電動芝刈り機といった、電力を長時間必要とする場面で優れた選択肢です。
メリット
2.5Ahバッテリー:軽量でコンパクトな設計が可能で、携帯性に優れます。充電が速く、持ち運びも容易です。
短時間の使用だけではなく、ツールの軽量化が求められる場面に適しています。
5.0Ahバッテリー:長時間の使用が可能で、作業の中断を減らせるでしょう。高電力デバイスに適しており、性能が向上します。
またバッテリー重量が増すため、重心やツール保持時の安定性も向上しやすいです。
デメリット
2.5Ahバッテリー:高電力デバイスや、長時間の使用には不向きです。電力の供給時間が限られているため、長時間の作業には不便かもしれません。
複数バッテリーを持てば回避できるものの、最初から5.0Ahを選んだほうがコストはかからない場合もあるでしょう。
5.0Ahバッテリー:2.5Ahのバッテリーに比べて大きく、重たいことがあります。
充電に時間がかかることもあるため、長時間の連続使用を前提とした場合には余分なバッテリーが必要かもしれません。
選択肢は使用状況に依存します。軽量でポータブルなバッテリーが必要なら2.5Ahが適しているでしょう。
しかし電力を長時間必要とする場合は、5.0Ahのバッテリーを選ぶほうが適切です。またバッテリーの予備を持てば、電力切れのリスクも軽減できます。
蓄電池の容量「wh」とは
バッテリーの容量で、「Ah」のほかに「Wh」の表記を見かけることがあるでしょう。
果たして「Ah」と比較して、この「Wh」とはどういった意味を持つのでしょうか。
ここではどういった違いがあるのかを詳しくまとめましたので、違いが分からない方はぜひ参考にしてください。
「wh」とは単位の意味について
Wh(ワットアワー)は電力やエネルギーの単位で、消費電力と時間の積算値を表します。
つまり、実際に使用する電力量を表す単位です。
この単位は、電力の消費や蓄積を評価する際に使用されるもので、「1ワットは1秒間に、1ジュールのエネルギーを消費する」ということを表しています。
より身近な例で挙げるなら、100w(ワット)の電球は、通常どおりの性能を発揮するためには1秒間に100ジュールのエネルギーを消費する必要があるということが分かります。
ワットアワー(Wh)の計算
ワットアワーはワットと時間(時間、h)の積算値です。Whは電力を時間にかけたエネルギーの総量を示します。
そして、計算式は以下の通り。
「Wh(ワットアワー)=W(ワット)×h(時間)」
例えば100ワットの電球を1時間点灯させる場合は、消費電力は100Wh必要ということが分かります。
同様に10ワットのノートパソコンを5時間使用する場合は、消費電力が10W×5時間で求められますので、答えとしては、50Wh必要になるということが分かります。
スマホのバッテリーの「mAh」とは
同じような単位で、「mAh」というものがあります。この単位はよくスマートフォンや、モバイルバッテリーで見かけることがあるでしょう。
この「mAh」も電流の単位ということは分かりますが、具体的になにを指しているか分かりにくいですよね。
意外と電動工具でも「mAh」が登場することがあるので、詳しく見ていきましょう。
蓄電池の容量「mAh」とは?単位の意味について
mAh(ミリ・アンペア・アワー)は電池容量を表す単位で、電池やモバイルデバイスの性能・バッテリー駆動時間を評価する際に重要です。
この単位は以下の要素で構成されています。
m (ミリ):ミリはSI接頭辞の一つで、1,000分の1を示すもの。つまり1mAhは1/1,000のアンペアアワーを表します。
A (アンペア):アンペアは電流の単位となっていて、電子が1秒間に通過する電荷の量です。
1アンペアは大きな電流なので、電子デバイスの電池容量を表す際にはmAh単位を使用します。
h(アワー):アワーは時間を表す単位で、1時間を表すものです。具体例として、10,000mAhのバッテリー容量を考えてみましょう。
この場合10,000mAhは、「1アンペアの電流を10時間流せる容量」です。
充電回数の目安を計算する際、モバイルバッテリーのmAh容量をスマートフォンのmAh容量で割り、電圧変換ロス(通常は約30%を差し引いて計算)を適用します。
この計算により、モバイルバッテリーが特定のスマートフォンを何回充電できるか見積もれるはずです。
例えば10,000mAhのモバイルバッテリーで、2,000mAhのスマートフォンを充電する場合を見てみましょう。計算は次のようになります。
充電回数目安=10,000mAh×0.7(70%)÷2,000mAh=約3.5回
したがって10,000mAhのモバイルバッテリーは、2,000mAhのスマートフォンを約3.5回充電できる目安を提供します。
ただしこの計算は、あくまで目安です。実際の充電回数は電圧変換ロスだけではなく、気候条件によって変動することもあるでしょう。
バッテリーの劣化具合も考慮すれば、上記の計算式どおりにはいきません。
スマートフォンの電池容量も機種によって異なるため、正確な計算にはスマートフォンの電池容量を確認しましょう。
18V-5.0Ahバッテリーと 36V-2.5Ahバッテリー、どちらがより容量が多い?
マキタやHiKOKIを見てみると、中には「18V-5.0Ahバッテリー」や「36V-2.5Ahバッテリー」というものを見かけることがあるでしょう。
見てみると容量が小さいけど高電圧、容量が大きいけど低電圧…といった違いが見られます。
こんなときは容量がどの程度違うのでしょうか?この点も詳しく見ていきましょう。
18V-5.0Ahバッテリーと36V-2.5Ahバッテリー容量が多いのはどっち?
18V-5.0Ahバッテリーと36V-2.5Ahバッテリー、どちらの容量が多いのか気になる方もいらっしゃるでしょう。
結論としては、どちらも同じ容量です。
バッテリーの容量を比較するには、電圧と容量の両方を考慮する必要があります。容量を比較するために、バッテリーの容量をmWh(ミリワット時)で表してみてください。
実際にそれぞれのバッテリーの容量をmWhで計算してみましょう。
■18V-5.0Ahバッテリー
- 電圧(V):18V
- 容量(Ah):5.0Ah
- 容量(mWh)=電圧(V)×容量(Ah)=18V×5,000mAh=90,000mWh
■36V-2.5Ahバッテリー
- 電圧(V):36V
- 容量(Ah):2.5Ah
- 容量(mWh)=電圧(V)×容量(Ah)=36V×2,500mAh=90,000mWh
両方のバッテリーの容量は、全く同じ90,000mWhです。つまり上記のバッテリー容量は同じであり、どちらも容量が多いわけではありません。
バッテリーの容量はmAhまたはAhで表されることが一般的なものの、電圧が異なる場合はmWhで容量を比較するとより正確です。
容量を比較する際には電圧と容量の両方を考慮し、mWhで計算してみてください。
まとめ
今回はバッテリーのahとは?用語の意味やwhとの違いなどを中心に解説してきました。
バッテリーに関する知識はまだまだ知っておきたいことがたくさんあります。
ぜひ、その他の関連記事も読んで参考にされてみてください。
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