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プラウ耕とロータリー耕の違いについて解説します

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土壌を掘り返す耕うん作業には、大きく分けてプラウ耕とロータリー耕の2種類が存在します。

農業に携わる方なら絶対に知っておきたい重要な知識ですが、これから農業を始める方にとってはいまいち違いが分からないという方も多いようです。

ということで今回は、プラウ耕とロータリー耕の違いについて解説していきたいと思いますので、これから畑作や稲作を始めようと考えている方はぜひ、参考にされてみてください。

ロータリー耕とは?

ロータリー耕(ロータリーこう)は、農業で使われる「土地の耕作方法」の一つで、名称にもあるように、「ロータリー」という農業用機械(アタッチメント)を使用して、土地を耕す作業のことを言います。

ロータリーとは、回転する刃や爪を備えたアタッチメントで、一般的にはトラクターのような農業機械に取り付けて使用します。

備え付けられた刃や爪が回転することで、土地を掘り起こし、整地してくれますので、昔から広く利用されている農業用機械だったりします。

そして、このロータリーを使用して整地した耕作方法のことを「ロータリー耕」と呼びます。

プラウ耕とは?

プラウ耕(プラウこう)は、農業における土地を耕作する方法の一つで、プラウという農業用機械(アタッチメント)を使用して土地を耕す作業のことを言います。

ロータリー耕と比較して土地をより深く掘り起こすことができる点がプラウ耕の特徴であり、土壌の品質を改善させる効果や雑草の抑制効果、水はけの改善効果などが見込めるメリットが存在します。

ちなみにプラウとは「犁(すき)」のことを指しており、固定された刃を土地に突き刺し、引っ張ることで土を掘り起こす仕組みで耕作を行っていきます。

そのため、回転する刃で耕すロータリー耕とは、機械の形状も異なります。

プラウ耕とロータリー耕の違いについて

プラウ耕とロータリー耕は、農業における土地の耕作方法です。とはいえそれぞれ異なる特徴を持っています。

プラウ耕とロータリー耕の違いはいくつか存在しますが、代表的な違いとして、「掘り起こす土の深さ」「土壌の反転の有無」「雑草の抑制効果」「土壌の滑らかさ」が挙げられます。

それぞれの特徴ごとに、プラウ耕とロータリー耕の違いを解説していきす。

掘り起こす深さの違い

プラウ耕はその方式から土を深く掘り起こす方法で、通常20cm以上の深さまで耕します。土壌を深く掘るため、根が深く伸びやすいです。

ロータリー耕は通常、浅い耕作を行う方法といえるでしょう。土壌を表面から浅く掘り起こします。

掘り起こす具体的な深さは、一般的に20cm未満です。

土壌の反転

プラウ耕は深く土壌を掘り起こすため、上下に反転する「天地返し」が可能です。

古い土壌の表面に新しい土壌が反転し、土壌の混合が促進されます。

ロータリー耕の場合は、土壌は上下に反転しません。厳密にいえば反転しているものの、プラウと比較して深さは得られないです。

土壌は表面から混ぜられる程度となっています。

雑草の抑制

プラウ耕は雑草が表面から土中に埋め込まれ、抑制が非常に容易です。雑草が埋まることで、作物に競合する雑草の成長が抑制されます。

ロータリー耕は雑草を掘り起こすことは可能ですが、土中に埋め込む効果はプラウ耕よりも低いでしょう。

ただしロータリーの回転刃で雑草を粉砕できるため、深く根が張っていない状態なら有効です。

土壌の細かさ

プラウ耕によって土壌が粗くなり、団粒構造が壊れる場合もあるでしょう。土壌が粗い場合、水はけが悪くなる可能性も。

ロータリー耕の場合は土壌を細かく砕くため、土壌がより細かい粒状になります。粒状になった土壌を選択したいなら、ロータリーが効果的です。

プラウ耕とロータリー耕のメリットとデメリット

プラウ耕とロータリー耕は、それぞれメリットとデメリットがあります。

それぞれ詳しく解説しますので、どういった特徴があるか押さえておきましょう。

プラウ耕のメリット

プラウ耕のメリットは数多くありますが、とくにメリットとして挙げられる点が「反転効果」「土壌の改善」「堆肥や有機物の効果を活性化」などが挙げられます。

堆肥や有機物の効果を活性化

土壌の反転効果とは上層と下層の土を入れ替えることで得られるメリットのことで、プラウ耕は土壌を深く掘り起こすため土壌の上層と下層を大きく反転させることができ、この反転効果により土壌にとって様々なメリットを得られます。

たとえば、土壌の上層と下層の土を入れ替えることで雑草対策にもなりますし、また新鮮な空気や微生物、空気が混ざり合うことで病原菌から作物を守る役割も果たします。

この土壌の肥沃度が向上するのはプラウ耕の大きなメリットの一つだと言われています。

雑草制御

プラウ耕のメリットは、堆肥や有機物を土中に埋め込むことで、栄養物質が微生物の活動を促進させる、土壌の品質改善だけではありません。

先述しましたが、雑草の抑制効果も大きなメリットの1つです。

実は、プラウ耕によって地中深くに表層の土をもってくることで、地中に埋め込まれた雑草の種子は発芽しづらくなる効果を得られます。

また、土壌中に埋まった病原菌や害虫の卵、幼虫が表層から遠ざかるため、病虫害の発生を減少させられるメリットも存在します。

破砕効果

プラウ耕は土壌を適度な大きさに砕く、破砕効果があります。このメリットにより、団粒構造の維持や微量要素の混合が可能になり、作物にとって心地よい土壌を作ります。

ちなみに団粒構造とは、土の固まりがいくつも作られている土壌の構造のことで、反対にサラサラしている状態は単粒構造といいます。

土壌が細かすぎず団粒構造が保たれていると、土壌中に水や空気の通り道ができ、水はけの改善や根にとって養分を吸収しやすい土壌の状態が維持されやすく、根が伸びるためのスペースも確保されます。

こういった破砕効果が作物の成長をサポートし、土壌の状態によってはプラウ耕の方が最適な場合もあります。

プラウ耕のデメリット

メリットの多いプラウ耕ですが、注意しておきたいデメリットも存在します。

その代表的なデメリットが「ほ場全体の耕盤層化」「土壌浸食のリスク」「団粒構造の破壊」「整地の必要性」などです。

土壌浸食のリスク

プラウによる耕作は土壌の表面を削るため、土壌浸食のリスクが高まります。

とくに大量の降雨がある場合、土壌の団粒構造が破壊。土砂が流れ出る可能性もあります。

団粒構造の損失

プラウは土壌の粒子を混ぜ合わせるため、やりすぎると土壌の団粒構造が破壊されやすくなります。

団粒構造が失われると土壌の通気性や水はけが悪化し、根が養分を効果的に吸収できなくなるでしょう。

整地の必要性

プラウで耕作を行ったあとは、通常は整地が必要です。プラウによって形成されたでこぼこの土地や、土塊を均すための作業が追加されます。

広い範囲で耕うんを行なった場合は、時間と労力が必要です。

ほ場全体の耕盤層化

プラウによる反転効果が進むと、ほ場全体で耕盤層化(固く締まった層)が進む可能性もあります。この状態になると土壌の根本的な性質を変え、のちの作物生育に影響を与えるかもしれません。

総合するとプラウ耕のデメリットは耕盤層の形成や土壌浸食のリスク、団粒構造の損失、整地の必要性、ほ場全体の耕盤層化が挙げられます。

また、ほ場全体でなくともプラウ耕をおこない過ぎることで、耕盤層が形成やすくなるというデメリットも存在します。

プラウを使用して耕うんをし過ぎると、土壌の耕盤層が形成されてしまうこともあります。

この耕盤層は農作物の育成に悪影響を及ぼすことがあり、さらに排水性が悪くなったり、農作物の根が深く伸ばせないことで育成が悪くなることもあります。

ロータリー耕のメリット

ロータリー耕のメリットには、「砕土効果」「堆肥の撹拌」「比較的浅い耕うん」「小型トラクターでも使用可能」といったものが挙げられます。

砕土効果

ロータリー耕は土を細かく砕く効果が高いです。土壌の団粒構造を保ちつつ、微粒子の通気性が向上します。

根が土中に深く伸びやすく、植物の効果的な栄養吸収が目指せるでしょう。

堆肥の撹拌

ロータリーの爪が土を混ぜるため、堆肥や有機物を均一に分散させられます。土壌中の有機物分解が促進され、土壌の肥沃度も向上可能です。

比較的浅い耕うん

ロータリー耕は一般的に土を浅く耕すため、表土を砕いて整地するのに適しています。この浅い耕うんは、一部の農作物や特定の土壌条件に最適です。

小型トラクターでも使用可能

ロータリー耕は、馬力のあまり大きくない小型トラクターでも作業が可能です。したがって農家が所有しているトラクターも、効果的に活用できます。

上記のメリットにより、ロータリー耕は一般的な農地で広く使用されているのが特徴です。土壌改良や耕作準備に適しています。

ロータリー耕のデメリット

ロータリー耕のデメリットには、「土壌の深い耕作に不向き」「固い地盤には効果が限定的」「耕起深さの制約」「労力と時間がかかる」「燃料消費が大きい」などの悪い点が挙げられます。

土壌の深い耕作には不向き

ロータリー耕は一般的に、土壌を浅く耕します。深い耕作が必要な場合には適していないでしょう。

例えばプラウ耕のように土壌の深層部を耕す必要がある場合、ロータリー耕では限界があります。

固い地盤には効果が限定的

地盤が非常に硬い場合、ロータリーの爪が適切に土を砕けないこともあります。このような状況では、より強力な農機具が必要となるでしょう。

耕起深さの制約

ロータリー耕は一般的に、耕起深さが浅めに制限されます。土壌の深い層を掘り起こしたい場合、ほかの方法を検討しなくてはなりません。

労力と時間がかかる

ロータリー耕は土壌を細かく砕くため、広い面積を耕すのに時間がかかります。

また砕土された土壌が整地されなくてはならず、作業工程が増えるケースもあるでしょう。

燃料消費が大きい

ロータリーのメリットは、その回転する刃で土壌を耕すことです。しかしトラクターを使用する場合、進行方向と回転する刃のどちらにも燃料を使ってしまいます。

固い地盤であればより回転にトルクを要するため、燃料消費の悪化が避けられません。

上記デメリットは、特定の農作業や土壌条件で状況が異なる可能性もあります。農地の状態や必要な作業に合わせて、適切な耕うん方法を選択してください。

まとめ

今回はプラウ耕とロータリー耕の違いについて解説していきました。

農業用機械については、まだまだ知っておきたい知識がたくさんあります。もし、その他の農業の疑問点がある方は、ぜひ、その他の関連記事も読んで参考にされてみてください。