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3Dプリンターの種類や家庭用と業務用の違いについて解説します

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これから3Dプリンターの購入を検討されている方がまず戸惑うことが、その種類の多さだと思います。

3Dプリンターの種類は「熱溶解積層方式」「光造形方式」「インクジェット方式」「粉末熱結方式」「粉末固着方式」などが存在し、それぞれの方式の違いで注意点が異なります。

ということで今回は、これから3Dプリンターの購入を検討している方が自分の用途に合った3Dプリンターを選ぶために必要な3Dプリンターの種類や種類ごとのメリット・デメリット、家庭用モデルと業務用モデルの違いなどを中心に解説していきたいと思います。

これから3Dプリンターを購入される予定がある方は、ぜひ最後まで読んで参考にされてみてください。

3Dプリンターの種類について

主要な3Dプリンターの方式の違い(種類)は「熱溶解積層方式」「光造形方式」「インクジェット方式」「粉末熱結方式」「粉末固着方式」の5種類に分類されます。

■3Dプリンターの種類

  • 熱溶解積層方式
  • 光造形方式
  • インクジェット方式
  • 粉末熱結方式
  • 粉末固着方式

ここでは、この5種類の3Dプリンターの種類について特徴やメリット、デメリットを中心に解説していきます。

熱溶解積層方式の特徴

熱溶解積層方式は、加熱されたノズルの中から材料を溶かし、それを吐出しながら材料を一層一層積み上げる方式で、家庭用3Dプリンターでは主流となっています。

FDM方式(Fused Deposition Modeling)と呼ばれることもあります。

2009年に特許が切れているため、多くの企業が参入し本体価格も非常に安いことが特徴の1つです。

また、本体価格だけでなく、材料の費用も安くコストパフォーマンスに優れているのが特徴だったりします。

熱溶解積層方式のメリットは、本体価格や材料の費用が安いためコストパフォーマンスに優れている点です。

代表的なプラスティックであるABSやPLAなどを素材として使え、取り扱いやすく、比較的安全に使用できる点も熱溶解積層方式の強みだと言われています。

また、プラスチック製品に近い強度の造形ができる点や小型なものが多いため、設置場所の選択肢が多いこともメリットとして挙げられます。

一方、デメリットとしては、熱溶解積層方式の弱点でもある「積層の断層が目立ちやすく、表面の仕上がりも荒くなる」という弱点が挙げられます。

とくに安価な製品の場合は、サポート材を手作業で除去する必要がある点にも注意が必要です。

光造形方式の特徴

光造形方式は3Dプリンターの方式の中で最も歴史が古く、3Dプリンターの定番モデルとなります。

液状の樹脂に対して、紫外線を当てることで樹脂が硬化する作業を何層も繰り返すことで立体的に造形を行う特徴があります。

光造形方式のメリットは液体樹脂を使用するので高精度な造形ができ、表面が滑らかな造形ができる点が最大の強みだと言われています。

光造形方式は微細な造形が可能なので、ジュエリーのモックアップ(模型)や原型の出力に使用されていることも有名です。

一方で、デメリットとしては業務用モデルは高額なものが多く、また、仕上がりまでに掛かる時間が長いというものが挙げられます。

さらに原材料となるポリマー液体が有毒なので、使用に注意が必要です。

その他には、紫外線硬化樹脂を使用するので太陽光などで劣化が起こりやすいデメリットも存在します。

インクジェット方式の特徴

インクジェット方式は、2Dプリンターの印刷方式を応用したものです。

インクジェットヘッドから噴射した樹脂を紫外線で固めながら積層して造形する方式で、フィギュアなど色合いが重要な造形におすすめです。

インクジェット方式のメリットとしては、高解像度なカラーで造形できる点や高精度な作品を造形でき、表面の仕上がりも滑らかである点、複数の材料を同時に扱うことができる機種もある点が挙げられます。

一方で、インクジェット方式のデメリットは、アクリル系樹脂を使用するため耐久性が弱く力を加えるとすぐに壊れてしまう可能性がある点です。

紫外線が当たると硬化するので太陽光などの光で変形する可能性があり、耐久性にやや難があります。

粉末燃結方式の特徴

粉末熱結方式は、粉末状の材料にレーザー光線を照射して造形を行います。

2014年に特許が切れたため、本体価格が下がってきており、これからの主流になると期待が高まっている方式です。

材料には、ナイロンを使用するのが一般的ですが金属なども取り扱うことができる特徴も持っています。

粉末熱結方式のメリットとしては、複雑な造形にも対応でき、素材を金属製のものに変えることで耐久性の高いものを作ることができる点が強みだと言われています。

また樹脂材を使用した場合は、サポート材が不要になる点も魅力的です。

一方、粉末熱結方式のデメリットは、表面がざらついた仕上がりになる点や金属製の素材を使用した場合は、サポート材除去作業が必要になりますので、この点に注意が必要です。

粉末固着(接着)方式の特徴

粉末固着方式は、石膏などの粉末材料を敷き詰めた上にヘッドから吐出された接着剤で固めていく方式です。

粉末材料に着色することで、きめ細かいフルカラー造形を可能にする特徴を持っています。

粉末固着方式のメリットとしては造形スピードが早く、材料が安く抑えられる点が挙げられます。

また、出力後に塗装が不要に点も魅力的です。

一方、粉末固着方式のデメリットは、表面の仕上がりが荒くなる可能性があり、また、粉末が飛散しますので、粉じんによる健康リスクに注意する必要があります。

そのため使用時には粉じん対策は必須です。

その他には、出来上がった加工物が衝撃に弱く、壊れやすいというデメリットも挙げられます。   

3Dプリンターの家庭用モデルと業務用モデルの違いについて

次に、家庭用モデルと業務用モデルの特徴と違いについて解説します。

比較する項目は「購入方法」「価格」「マニュアル」「アフターサービス」「機能」「使用できる樹脂」「外装カバーの有無」の8点です。

まずは家庭用モデルと業務用モデルの特徴について解説していきます。

家庭用モデルの特徴

家庭用モデルの購入方法は、Amazonや楽天などネットショップが主流です。一部ですが、家電量販店でも購入することができます。

家庭用3Dプリンターの特徴として、価格帯は安価な機種で3万円前後、高価な機種で50万円前後となっており、スライサーソフトにフリーソフトを使用している点が挙げられます。

スライサーソフトとは、仮想上でプリントをシミュレートするソフトのことで、3Dプリンターの機能面に直結する部分です。

家庭用3Dプリンターはこのスライサーソフトにフリーソフトを使用しているため、多くの機能を搭載しておらず、基本的な機能のみで構成されています。

フリーソフトのスライサーソフトには、微調整をする項目が少ないため業務用と比較して高精度な造形に影響が出る可能性があります。

しかし、フィギュアなど個人的な用途で造形を行う場合は、ほとんど気にならない程度なので安心してください。

さらに家庭用3Dプリンターには、エクストルーダー(ノズル)が1つしかないタイプも多く、複数の樹脂を組み合わせた造形ができないといった特徴があります。

本体サイズもコンパクトなため、大きな物の造形が不可能なため、小物や組み合わせパーツを作成するのに適しています。

家庭用3Dプリンターで使用できる樹脂の種類は基本的に3種類でPLA(ポリ乳酸)・TPU(ゴム系樹脂)・PETGとなっています。

業務用モデルの特徴

業務用の3Dプリンターの購入方法は、専門サイトや販売会社への問い合わせと限られています。

本体の価格は数十万円~数百万円と幅広い価格帯の製品があります。

本体により、機能の違いが多いため展示会やショールームに行き、実際に本体サイズや機能を確認してから購入する必要があります。

マニュアルに関しては、日本の代理店が販売を担当しているため日本語化しているものが多く、アフターサポートも電話やメールなど充実しているため、購入後に困ることが少なくなります。

業務用3Dプリンターのスライサーソフトは機能が豊富で、微調整やサポート材を任意の場所に設定できる、細かい場所の流量や押出幅などを調整できる等、便利な機能が豊富に搭載されています。

さらには、エクストルーダー(ノズル)が2つ搭載されていることが多いため、サポート材専用樹脂の使用や2色造形が可能となっています。

家庭用と比較して、本体サイズが大きいため造形できるサイズが幅広いです。

業務用で使える樹脂の種類は機種によりますが、基本的には8種類でPLA・ABS・TPU・PETG・PC(ポリカーポネート)・PP(ポリプロピレン)・PA(ナイロン)・木質となっています。

項目

家庭用モデル

業務用モデル

購入方法

ネットショップ・家電量販店

専門サイト・展示会

価格幅

数万円~数十万円

数十万円~数百万円

マニュアル・アフターサービス

日本語化されていない可能性あり
アフターサービスが日本語非対応の可能性あり

日本語化されている場合が多い

電話、メール、センドバック、オンサイト、等

機能

少ない

豊富

外装カバーの有無

外装カバー無しのタイプがある

外装カバーあり

組み立て

自身で組み立てる必要あり

組み立てが不要

上記の違いの他に家庭用と業務用では造形精度が大きく違います。

造形精度を比較するには「寸法精度」と「表面精度」のポイントで比較をします。

寸法精度とは、3DCADデータ通りに造形される精度のことです。

表面精度とは、表面の仕上がりに関する精度を表しています。

安価な家庭用の寸法精度は、変形しやすく造形物に反りが発生してしまうため、不正確な可能性があるのに対し

て、業務用は造形物が変形しにくく反りを抑えられるため精度高くなる違いがあります。

まとめ

今回は、3Dプリンターの種類や種類ごとのメリット・デメリット、家庭用モデルと業務用モデルの違いなどを中心に解説していきました。

3Dプリンターについての知識は、まだまだ知っておきたいことがたくさんあります。

ぜひ、その他の関連記事も読んで参考にされてみてください。