WH36DDとWH36DCの違いについて解説します
目次
ハンズクラフト西日本最大級の工具専門リユースショップです。
ハンズクラフト【工具専門】西日本最大級の総合リユースショップです。
当店は創業20年以上、工具・家電を中心に扱うリユース専門館です。お買取りした中古品を綺麗にメンテナンスして新たな価値を吹き込み、福岡・北九州地域を中心に沖縄や山口・広島まで14店舗を展開中です。各記事は工具専門のスタッフや、工具・家電の修理専門部門が監修・執筆しています。
皆さんはHiKOKIのWH36DDとWH36DCの違いをご存知でしょうか。
HiKOKIは2024年2月、最新のフラグシップモデルとして「WH36DD」を発売し、旧モデルである「WH36DC」との違いが気になっている方も多いはずです。
ということで今回は、HiKOKIのWH36DDとWH36DCの違いを中心に解説していきます。
WH36DDとWH36DCのスペック比較
HiKOKIは2024年2月、最新のフラグシップモデルとして「WH36DD」を発売しました。
前モデルの「WH36DC」が2020年10月の発売だったため、およそ3年ぶりのモデルとなります。
では前モデルと比較して、具体的にどういった点で進化を遂げたのか。特徴やスペック、機能の違いを見ていきましょう。
WH36DDの特徴
WH36DDの特徴は、下記のとおりです。
- 細ビスモード搭載
- LEDライトがさらに明るく優しく
- モード切り替え時の視認性UP
- 新デザインの採用
- ヘッドがさらにコンパクト化
WH36DDは新たに、電子的な制御機能による「細ビスモード」を搭載しました。この機能は緻密な電子制御により、カムアウトを低減する機能です。
※有効化はHiKOKI TOOLSアプリが必要なため、Bluetooth接続が必須。
例えば職人さんがカムアウトしないよう、細かくコントロールする動作を電子的に再現しています。繊細な作業で活躍するでしょう。
また新たにLEDライトが追加され、合計で9灯の搭載となりました。追加されただけではなく、カバーがやや白濁色に。
より柔らかで光量のある灯りを照らせるようになり、ビットの影ができにくくなっています。
本体だけでも弱中強と光量を3段階選べますが、アプリ連携でさらに詳細な設定が可能です。
操作パネルは新たにバックライトを追加したため、視認性が格段に向上しました。暗所でも操作しやすく、さらに扱いやすくなっています。
ほかにもWH36DDはデザインを一新。大きさは前モデルからあまり変わらないものの、明らかにデザイン性が向上しています。
具体的には四層成形に差し色を加え、表情をもたせるコンビネーションカラーを実現。カラーもスコーピオンレッド、スパイダーイエローを追加しています。
とくにHiKOKIのデザインは「かっこいい」と好む職人さんが多いので、こういった点の改良は嬉しいですよね。
ヘッドも前モデルから3mmほどコンパクトになりました。狭い場所での作業もはかどります。
WH36DCの特徴
WH36DCの特徴は下記のとおりです。
- ビット振れを約17%低減
- 2020年時点での業界最軽量、ヘッド長最短
- 光量のあるLED3灯を搭載
- 業界最速の締付スピードを実現
- 多彩なモード切り替えが可能
- カラープレートと本体カラーで個性を表現
WH36DCは従来製品(WH36DA)と比較し、ビットの振れを約17%低減しました。振れ幅はなんと0.6mmもの差です。(ロングビットの場合)
実際に回転させてみると、0.6mmの差はかなり大きく感じられるでしょう。
この改良はカムアウトのしにくさに直結し、片手で操作してもビス倒れが起きにくくなっています。
とくにトリガー操作時の挙動が安定するため、繊細な作業時でも扱いやすいです。
またLEDライトは高輝度タイプを3つ搭載し、ビットの影ができにくいよう等間隔に配置。とても明るいので、そのままハンディライト代わりにも使用できます。
締付スピードは2020年9月時点で業界最速。金物ビスø7.0 × 120L、ラワン材を使用したときのスピードは、なんと5.46秒となっています。
200N・mのトルクと合わせ、多くの場面で活躍するポテンシャルを実現しました。
搭載されているモードはソフト、パワー、テクスのほかに「ボルトモード」を新採用。打撃回数を制御し、締めすぎを防止します。
そしてカラープレートが5種類あり、本体カラーも5種類あるので組み合わせが多彩です。合計で25通りの組み合わせが可能。
より自分らしさを表現でき、現場でも自分のドライバーがすぐに分かります。
WH36DDとWH36DCのスペックの違い
WH36DDとWH36DCのスペックは、一体どのようになっているのでしょうか。下記の表にまとめましたので、実際に比較してみましょう。
|
WH36DD |
WH36DC |
能力 |
小ねじ:4~8mm 普通ボルト:M5~M16 高力ボルト:M5~M14 テクスねじ:⌀3.5~⌀6 コーススレッド:22~125mm |
小ねじ:4~8mm 普通ボルト:M5~M16 高力ボルト:M5~M14 テクスねじ:ø3.5~ø6mm コーススレッド:22~125mm |
最大締め付けトルク |
200N・m(2,040kgf・cm) |
200N・m(2,040kgf・cm) |
無負荷回転数 |
ソフトモード:0~900min-1(回/分) パワーモード:0~3,400min-1(回/分) APPモード(スイッチフィーリング):(アプリ設定時)0~(1,900~3,600)min-1(回/分) 細ビスモード:(アプリ設定時)0~420min-1(回/分) ボルトモード:単発・連発0~2,900min-1(回/分) テクスモード:0~3,700min-1(回/分) |
ソフトモード0~900min-1(回/分) パワーモードデフォルト0~3,400min-1(回/分) カスタマイズ0~(1,900~3,600)min-1(回/分) ボルトモード単発・連発0~2,900min-1(回/分) テクスモード0~3,700min-1(回/分) |
打撃数 |
ソフトモード:0~2,000min-1(打撃/分) パワーモード、APPモード、細ビスモード、ボルトモード:0~4,100min-1(打撃/分) テクスモード:0~2,200min-1(打撃/分) |
ソフトモード:0~2,000min-1(打撃/分) パワーモード、ボルトモード:0~4,100min-1(打撃/分) テクスモード:0~2,200min-1(打撃/分) |
本機寸法(全長×高さ×センタハイト) |
118×243×29mm(BSL36A18BX装着時) ヘッド長:111mm |
116×241×29mm(BSL36A18装着時) ヘッド長さ:114mm |
重量 |
1.6kg(BSL36A18BX装着時) |
1.6kg(BSL36A18装着時) |
標準付属品 |
力こぶビット(スレンダータイプ)(85L)・電池カバー2個 |
力こぶビット(スレンダータイプ)(85L) (2XPSZ)(2XPS):急速充電器(冷却機能付)・ケース・予備電池・電池カバー (2XNS):ケース・予備電池・電池カバー |
実際にスペックを見てみると、ほとんど違いが見られないのに気付くはずです。
インパクトドライバーの性能に直結するトルク値も、同じ200N・m(2,040kgf・cm)。無負荷回転数や打撃数も、ほぼ違いが見られません。
ヘッド長はWH36DDのほうがコンパクトになったものの、本機寸法もほぼ同一と言って良い数値です。
本体の重量もほぼ同じなため、あまりスペック上は大きな違いが見られないと見て良いでしょう。
スペック上は大きな違いがなく、追加された機能の有無が大きいかもしれません。詳細は次項目の機能に見られる違いもご参照下さい。
WH36DDとWH36DCの機能の違い
WH36DDとWH36DCは、機能面でどういった違いが見られるでしょうか。具体的には下記のような点で違いが見られます。
|
WH36DD |
WH36DC |
細ビスモード |
◯ |
☓ |
LEDライト数 |
9灯 |
3灯 |
操作パネルバックライト |
◯ |
☓ |
オートスロー機能 |
◯ |
☓ |
ライト調光機能 |
◯ |
☓ |
基本的なソフト、パワー、ボルト、テクスモードの搭載は同じです。しかしWH36DDは新たに細ビスモードが搭載されています。
LEDライト数もWH36DDのほうが9灯で、WH36DCの3倍。より作業時の視認性が高まりました。
同時に操作パネルのバックライトも、地味ですが操作性に影響を与えるでしょう。
ほかにもボルト単発モード逆転時のみに有効な、「オートスロー機能」の有無が大きいです。この機能はナットの脱落を防止するモードとなっています。
※設定された時間や回転速度に停止、もしくは変速。ただしトリガーの引きが最大のときのみ有効。
ライトの調光機能も、まぶしさを感じるときや明るくしたいときに活用できるでしょう。
ほとんど機能面ではWH36DDのほうが改善され、より使い勝手を向上させたものとなっています。
WH36DDとWH36DCの大きな違い
WH36DDとWH36DCの大きな違いは、「機能」と「デザイン」面です。
では具体的にどういった点で違いが見られるのか、詳細を見ていきましょう。
WH36DDとWH36DC の機能面で見られる大きな違い
WH36DDとWH36DCは、スペックシートを見れば分かるように大きな性能差はありません。逆に言えば、性能以外での違いが大きいです。
例えばLEDライト数を増やしたり、カバーを散光させたり。細ビスモードを追加したり、オートスロー機能・ライト調光機能を追加したりと追加項目が多いです。
こういった機能での違いは、操作性に影響を与える部分と言えます。大きなスペックの差が無いので、使い勝手の良さで違いを感じる場面が多いでしょう。
とくにWH36DDの新機能、細ビスモードは他社にない緻密な制御となっています。
当時、日立工機の製品で「電子パルスインパクトドライバー」というものがありました。
この製品はモーターを正転・逆転で制御し、一般的なインパクトドライバーとは違った方向にインパクトを与えます。
※一般的なインパクトドライバーは高負荷時にハンマーが後退し、空転して一方向へインパクト。打撃効率が高い一方でカムアウトしやすい。
電子パルスといった名称は見られないものの、制御はこの電子パルスに近いものと見て良いでしょう。
カムアウトもしにくく、職人さんの手作業を再現した技術です。この機能に魅力を感じるなら、間違いなくWH36DDのほうがおすすめとなっています。
WH36DDとWH36DC のデザイン面での違い
WH36DDはWH36DCと異なり、デザイン面でより魅力を感じるようになっています。
具体的には四層成形を行い、差し色を加えて表現の深いデザインを実現。WH36DCのデザインもかっこいいですが、さらに複雑さを増したのがWH36DDです。
本体カラーも2色追加されたため、より明るく目立つ色を選択できます。
WH36DCと同様にカラープレート5色を選べるので、本体カラーと合わせて25通りの個性を表現可能。
一体成型ではできないデザインの深さにより、「なんだかWH36DDのほうが良くわからないけどかっこよく感じる…」といった印象をもたらします。
WH36DDとWH36DCのカラー展開を見てみると、よりパキッとしたカラーで分かりやすくなったのがWH36DD。
少し落ち着いた雰囲気で、おとなしいカラー展開なのがWH36DCといった印象です。
デザインといえど毎日使うものになるため、より自分が好ましいと思うデザインの工具を持つと良いでしょう。
WH36DDとWH36DC、今買うならどっちがオススメ?
実際にWH36DDとWH36DC、どちらを購入しようか迷っている方もいらっしゃるでしょう。
ほとんどスペックに変わりがなく、機能面での違いだけなら旧機種でも良いのでは…?と考えてしまうこともありますよね。
そこでこの項目では、具体的な悩みに合わせたおすすめ機種をまとめました。どちらにしようか迷っている際は参考にしてみてください。
予算に余裕があるならWH36DD
フルセットで購入する場合、WH36DDとWH36DCは下記のような価格差が生まれます。
- WH36DC(2XPSZ)¥75,900(消費税別)
- WH36DD(2XH)¥83,000(消費税別)
その価格差は7,000円ほどと、まさに悩ましいほどの価格差です。この価格差でも問題ないのでしたら、迷わずWH36DDを選びましょう。
理由は最新機種なので機能性も高く、今後長く使う上で安心して使えるからです。
WH36DCも長く使う上では耐久性もありますが、もし修理が必要になった場面で部品がなかったら?そんなリスクを考えなくてはなりません。
もちろん部品がなくなるほど使い古しているなら、修理よりも買い替えを検討するでしょう。好きで使う方は別として、とくに大きなリスクではないかもしれません。
そのため価格差を踏まえた上で、最新機種を選べるならWH36DDを選んだほうがあらゆる点でお得です。
スペック&コストパフォーマンスを優先するのならWH36DC
WH36DDとWH36DCは、ほぼスペックに違いがありません。そのためスペックに見合ったコストパフォーマンスを考えるなら、WH36DCが一番おすすめです。
状況によっては中古品も安く手に入るため、WH36DCのコストパフォーマンスはさらに高まるでしょう。
- とくにデザインを意識していない
- スペックが同じなら少しでも安い方を選びたい
- コストパフォーマンスの高い機種で満たされる
上記のような考えを持っているなら、WH36DCが合致しています。機能面で見劣りするといっても、その機能性は遥かに高いもの。
実際にWH36DCを使っていて、WH36DDを知らなければ機能面で不満を覚えることはないでしょう。
もちろん細かい面で機能の違いは感じられるものの、よほど使いこなすプロじゃなければそういった恩恵は受けられません。
すでにWH36DCの機能も、とても高い次元にあります。
デザインは新しいものがいい!という方ならWH36DD
デザインは好みがあるので、気に入った筐体を選ぶのが一番です。しかしWH36DDのデザインはもっとも新しく、四層成形で今までにないものとなっています。
少しでも新しいデザインのものに惹かれるなら、ぜひWH36DDを選びましょう。
毎日使う愛機だからこそ、自分の気に入ったデザインなら所有欲を強く満たしてくれるはずです。
とくにWH36DDは販売されてまだ間もないため、同じカラーバリエーションを持っている方はまだ多くいらっしゃいません。
見た目にもカラー面積が増えたデザインで、スコーピオンレッドとスパイダーイエローは鮮やかな色合いを持っています。
新色とデザインを考えても、新しいデザインのほうが気に入りそうならWH36DDを選びましょう。
結局どの機種を選んだらいいか迷う…という方はWH36DD
ここまでの項目を踏まえた上で、「結局どうしたらいいか迷う」と悩みに悩んでしまう方もいらっしゃるでしょう。
結論として一番のおすすめは「WH36DD」です。この機種を選んでおけば、機能面もスペック面もデザイン面も旧機種に劣ることはありません。(好みは別として)
また新しい機種なので、メーカーが備える部品在庫も長く確保されるはずです。旧機種の場合、状況によっては買い替えを余儀なくされることもあります。
機能面でも非常に使いやすくなっており、価格差以上の満足度を得られるでしょう。価格差も大きすぎる、というほどではありません。
悩んでいる方はまず、WH36DDのラインナップを見てみてください。そこで気に入った色、デザインでしたら購入を検討してみるのがおすすめです。
どうしても気に入った機種がなければ、WH36DCを見てみましょう。やや落ち着いたデザインになっており、意外とこちらのほうが合っている可能性もあります。
スペック面ではほぼどちらも同じなので、そういった選び方をしても後悔する場面はほぼないはずです。
迷ったらWH36DDを見て、ピンと来ないならWH36DCを検討してみてください。
まとめ
今回は、HiKOKIのWH36DDとWH36DCの違いを中心に解説していきました。
この他にも電動工具についての知っておきたい知識は、まだまだたくさんあります。
ぜひ、その他の関連記事も読んで参考にされてみてください。
関連記事
不要な工具は
ハンズクラフトへ
工具専門で20年
買取価格に自信があります!
大切な工具だからこそ、工具専門店にお任せください。