パイプカッターの種類や選び方、導入するメリット・デメリットについて解説します
目次
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鉄パイプや塩ビパイプを効率よく、そしてキレイに切断する手段としてパイプカッターは欠かせないアイテムの一つですが、作業量が増えたことで手動式タイプから電動式タイプに買い替えようと検討している方も多いのではないでしょうか。
また、これからDIYで塩ビパイプや鉄パイプのカッティングに導入したい方も増えています。
ですが、電動式タイプのパイプカッターは、手動式タイプと比べて導入費用が高いため、導入には慎重になる必要があります。
その他にも、切断したい材料がパイプカッターでは切断できない材料をとは気付かないで購入して後悔しているケースも存在します。
ということで今回は、 パイプカッターについての具体的な用途や種類などの基礎知識について解説していきます。
パイプカッターを導入するメリット・デメリットなどの知っておきたい情報などについてもご紹介しますので、これから導入を検討している方は、ぜひ最後まで読んで参考にされてみてください。
パイプカッターとは?用途について解説
パイプカッターは「チューブカッター」と呼ばれ、金属パイプや塩ビ管など筒状の素材の切断に向いている専用工具です。
パイプカッターは円形の刃とローラーで構成されていて、具体的な使い方としては、まず切りたい素材をパイプカッター本体に挿入し、刃の位置を素材の直径に合うように調整します。
次にパイプカッターの刃を素材の外周に接触させながら回転させ、刃でパイプに少しずつ切り目を入れながらカットします。
このようにハンドルを回すだけで素材を切断できるので、初心者や女性にも扱いやすいのが魅力です。
元々はプロの業者御用達の工具でしたが、現在はDIYでも使われるようになり様々な種類が登場しています。
具体的な利用シーンについて
まずはパイプカッターを利用する機会の多い4つの業界を厳選し、具体的な利用シーンや用途について紹介していきます。
配管工事
水道・ガス・排水など様々なパイプを切断する際に、パイプカッターは使用されています。パイプを挟み込み回転させるだけで正確に切断できるので、時間に追われる工事中でも容易に加工できます。
ハサミのような形状のパイプカッターもあり、水道管工事で使われる機会が多いです。パイプを挟み握るだけで塩ビ管を切断できるため、効力的に作業できます。
配管工事で使用するパイプカッターは専用工具であるため、DIYで使用する安価なカッターと比べて高価です。
建設業界
水道・ガス管や空調配管を切断する際、配線工事などでパイプカッターが使用されています。パイプカッターを使用すれば効率的かつ正確に作業を進められるので、建設工事において重宝されています。
自動車整備業
細かい作業の多い自動車整備業において、パイプカッターが使用される機会は多いです。ミリ単位の短く薄いパイプでも切断・加工できる「ハンドタイプ」のパイプカッターもあり、車両整備で扱うパイプであればほとんどをカバーできます。
自動車整備業では、主にエキゾーストやブレーキパイプを切断する際にパイプカッターが使われています。
園芸・農業
植木を支える園芸支柱など細長いパイプでも、パイプカッターを使えば力を使わずにキレイな断面に切断できます。正確に長さも調整でき、素材を曲げることもできるので、園芸や農業において長く使用されています。
パイプカッターを使えば、古くなった物干し竿や傘なども有効活用できる場合もあるため、1つ持っておくと非常に便利です。
パイプカッターで切断できるもの、出来ないもの
パイプカッターで切断できる主なパイプは以下の通りです。
- 塩ビ
- アルミ
- ステンレス
- 銅
- 鉛
- 真鍮(しんちゅう)
パイプカッターは「円筒形状」のパイプの切断に適しており、パイプの厚みや径が均一であれば基本的に切断できます。
ただし、角形・楕円形状など円筒形状以外のパイプ、ガラスなどの割れやすい素材は切断できないので注意が必要です。
また、パイプカッターが切断可能なパイプ径(厚さ)には限りがあります。せっかく購入しても刃を挟めない恐れもあるので、切断するパイプの厚さに対応した製品を選ぶようにしましょう。
パイプカッターを導入するメリットとデメリット
パイプカッターは操作性が高く、効率よく素材をカットできる便利なアイテムです。
ただし、使用時にトラブルが起こる場合もあるため、デメリット部分も理解してから導入するか決める必要があります。
パイプカッターの導入によって自分の目的が達成できるか、今の状況で本当に購入すべきかを確認していきましょう。
メリット
◯正確な切断・作業の効率性
切断の精度が高く、手動式・電動式問わず素早く作業を進められる
パイプを固定して少しずつ切り進めれば、キレイな切断面になる
◯操作が簡単・様々な種類のパイプに対応可能
刃の位置をパイプの直径に合わせて、調整してハンドルを回すだけで切断できる
幅広い種類・サイズのパイプに対応可能
◯安全性に優れている
屋内など場所を選ばず使用でき、切りくずや火花も出ないので安全に使える
切れづらいパイプも比較的楽に切断できるので、女性やDIY初心者にもおすすめ
パイプカッターは安価で、1つあれば作業を大幅に効率化できるコストパフォーマンスに優れた工具です。使う場所も選ばず使用でき、コツをつかめば使うのも簡単で、切断に力もいりません。
便利さに加え、誰でも手軽に使えるのが魅力です。
デメリット
◯特定のパイプ形状には適さない
パイプカッターは円筒形状のパイプを切断するのに向く
それ以外の形状のパイプを切断する場合、専用の刃が必要になることも
◯刃の種類によって、交換が難しい場合もある
パイプカッターの刃は消耗品でもあるため、劣化が進むと徐々にパイプを正確に切断できなくなる
定期的にパイプカッターの刃を交換する必要があるが、種類によっては複雑で難しいものもある
◯使う場所によって騒音対策が必要になる
パイプの切断音は多少なりとも出る
パイプを落とした際にも大きな音が出るので、下にクッションやタオルを敷くなど騒音対策が必要
◯パイプ内部に傷がつく可能性もある
刃をパイプに食い込ませて切断するパイプカッターの構造上、切断部分の内側に細かい傷がつく場合もある
その傷が原因で、漏水やガス漏れの原因になるので注意が必要
以上が代表的なパイプカッターのデメリットです。
パイプカッターは切断面が盛り上がりやすい特徴も持っています。
パイプを加工する際に、より平らな切断面が必要になるなど、用途や状況によっては「のこぎり」を選んだ方がよい場合もあるでしょう。
パイプカッターの種類と特徴について
パイプカッターは「電動式」と「手動式」の2種類に分類されます。電動式はパワーに優れ、厚みのある金属パイプでもスムーズに切断できるため、素早く効率的に作業したい場合におすすめです。
手動式の場合は、さらに「回転式」と「ラチェット式」に分けられます。
回転式は最もスタンダードなタイプで、取り付けられているハンドルを回転させてパイプを切断します。リーズナブルな価格で購入でき、弱い力でも簡単に素材をカットできるのが魅力です。
ラチェット式とは、ラチェット機構というカッターを自動送りできる仕組みを採用しています。
狭い場所でも効率的に作業しやすく、また専用の刃で切断するため切粉や火花などが発生しづらく、切断面もキレイに仕上るところがポイントです。
ハサミのような形をしているタイプであれば、パイプを挟んでグリップを握るだけでサクッと切断できるので、障害物がある場所でもストレスなく使用できます。
また以下のように、塩ビパイプカッターなど様々な素材に応じた製品、パイプのサイズによって刃を交換できるものもあります。
塩ビパイプカッター |
プラスチック系(塩ビ・ポリエチレンなど)パイプ専用 |
モールカッター |
主に屋内で電気配線をする際に使用 配線の長さに応じて保護カバー(モール)を切断 |
パイプカッター(1枚刃) |
2個のローラーを刃に付け替えることで、 |
パイプカッター(4枚刃) |
太めのパイプ(天井配管・埋設配管など)を切断する用途に最適 |
パイプカッターの選び方について
パイプカッターは以下の基準で選ぶのがおすすめです。
◯切断したい素材に合わせる
切断する素材によって、適切なパイプカッターは異なります。購入する前には、切断可能な素材やサイズをチェックするようにしましょう。
使いやすさや様々なシーンで使えることを重視するのなら「ステンレス・銅・真鍮(しんちゅう)・スチール」などに対応した製品がおすすめです。
中には特定の素材の切断だけに対応している製品もあるので確認しておきましょう。
また、刃のみを切り替えて複数の素材に対応させられるタイプもあります。切断したい素材が複数ある場合、または、ある程度決まっているのであれば購入を検討してもよいでしょう。
なお、スチールパイプにプラスチックでコーティングを施した「イレクターパイプ」は、専用のパイプカッターでないと上手く切断できない場合があります。
キレイに切断したい場合は、インレクターパイプ専用か素材に対応している製品を選びましょう。
仕上がりを重視する場合、硬く厚みのある素材を切断したい場合は「電動式」
手動式に比べて値段は高くなる傾向がありますが、電動式は鉄などの硬く厚みのある素材でもスムーズに切断できるのが魅力です。
素早く切断できるうえに仕上がりもキレイなため、たくさん切断する予定があり作業効率を重視したい方は使い勝手のよさを感じるでしょう。
ただし、作業時に火花が散るなど一定のリスクはあるので、しっかり保護具の用意ができ作業環境も整えられる場合の方が使用には向いているといえます。
◯刃の枚数で選ぶ
すでに紹介した通り、パイプカッターには1枚刃と4枚刃タイプがあります。
1枚刃は本体を360度回転させて切断するスタンダードなタイプです。サイズや種類が豊富で、安価でコンパクトな製品も揃っているため、手軽に使える製品を探している方は検討してもよいでしょう。
4枚刃は狭い場所の作業に適しているのが特徴です。パイプの周りに130度程度のスペースがあれば作業でき、パイプ周りを1周させる必要なく切断できます。
そもそも4枚刃であればパイプを挟み込む刃が多いため、回転数が少なくて済み作業効率が上がります。とにかく手っ取り早く切断したい場合は、3枚刃・4枚刃を選ぶとよいでしょう。
◯切断できる素材のサイズを確認
パイプカッターで切断可能な素材の直径は3~50mmと幅広いのが特徴です。
そのため、切断する素材のサイズをしっかり考慮して購入しないと、大き過ぎたり小さ過ぎたりしてパイプカッターで挟み込めなくなるので注意してください。
製品ごとに対応可能な直径が表示されている場合がほとんどなので、必ず確認するようにしましょう。
特に用途が決まっておらず、様々なサイズのパイプを切断する予定があるのなら、幅広いサイズに対応する「幅広タイプ」がおすすめです。
◯握りやすさや滑りにくさをチェック
手動式の場合、回転式もラチェット式も持ち手をしっかり握って作業する必要があります。
持った時に握りづらかったり、グリップが滑りやすかったりすると作業効率が低下してしまうだけではなく、怪我をするリスクも少なくありません。
購入する際は、持ち手の握りやすさや滑りづらさも確認しましょう。より使いやすさを求めるのなら「滑り止め」がついている製品がおすすめです。
なお、滑り止めがついていない製品でも後から自分で付けることもできます。念のため、パイプカッターの滑り止めがどんなものかチェックしておくとよいでしょう。
パイプカッター使用時の注意点について
パイプカッターの内側には刃がついており非常に鋭利です。パイプカッターを使用するうえで、まずは刃に触れてケガをしないように気をつけてください。
のこぎりと比較すると、刃が表に出ていないので直接触れるリスクは少ないかもしれませんが、内側には刃がついていることを念頭に置いて使用してください。
また、硬い素材を切断する機会が多い分、刃には大きな負担がかかってしまいます。
使用するうちに刃こぼれなどの症状が出て作業に支障が出る場合があるので、使用前には刃がどのような状態かチェックするようにしてください。
パイプカッターの使い方は比較的簡単ですが、締めすぎるとパイプがつぶれてしまう場合もあります。中でもステンレスや銅管は力加減が難しいので注意が必要です。
力を入れ過ぎると金属部分が変形して、刃がめり込んでしまう場合もあります。
逆に塩ビのように柔軟性がある素材は、多少力加減が強くても問題がないことも多いです。
そのような場合、逆に締めつけが弱すぎても上手く切断できないケースもあるので、素材に合わせて力加減は調整するようにしましょう。
パイプカッターを使う際は、安全面と作業効率の向上のため滑り止めつきの軍手を着用することをおすすめします。
切断したパイプが床に落ちるケースも想定されるので、クッション性のあるマットなどを敷いて作業した方がよいでしょう。
なお、パイプの種類や工法によってパイプカッターの使用を禁止している場合があります。購入する際は「使用時の禁止事項」もしっかり確認するようにしてください。
まとめ
今回は、 パイプカッターについての具体的な用途や種類などの基礎知識について解説していきました。
この他にもDIYや電動工具に関する知っておきたい知識は、まだまだあります。
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