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玄翁(げんのう)とは?種類と選び方について解説します

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皆さんは「玄翁(げんのう)」という道具をご存知でしょうか。

玄翁は大工道具のひとつであり、大工道具の代表格とも言える存在ですが、その名はあまり一般には知られていません。

しかし、このサイトに訪れている皆さんなら、誰しも一度は見たことがあるかもしれない有名な大工道具でもあります。

そんな玄翁。用途に応じで様々な種類が存在し、その種類ごとに使い方や用途が異なります。

ということで今回は、玄翁の使い方や種類ごとの選び方などについて解説していきます。

これからお仕事にされる方も、DIYをはじめられる方も、きっと役に立つ情報ですので、ぜひ参考にされてみてください。

玄翁(げんのう)とは?ハンマーや金槌との違いは?

まずは玄翁についての説明や、用途が似ているハンマーや金槌との違いについて解説します。

玄翁とは

一般的に用いられる大工道具の一種で、裁判官のハンマーのような見た目をしている金属製の道具です。

玄能は、片方の面は平面ですが、もう片方の面には少しふくらみがあり、それぞれの面を使い分けることで木材を傷つけることなく加工することができます。

また玄翁には様々な種類があり、先述したような特徴とは異なる形状の種類も存在します。

そのため、玄翁の種類や用途を理解することは木材加工をする上でとても重要な知識だったりします。

ちなみに、玄翁は「玄能」とも表記されますが、どちらも同じ手工具のことを指しています。

 

では、用途がよく似ているハンマーや金槌とは何が違うのでしょうか。

それぞれの違いを解説していきます。

ハンマーとは

ハンマーは打撃工具の一種で、英語では「ハンマー」と呼び、日本語では「槌(つち)」と呼びます。

そして、その槌(つち)とは、物を打ったり、形状を変えたり、材料同士を固定したりするために使われる工具の総称だったりします。

ですので、玄翁もハンマーの一種であり、金槌もハンマーの一種です。

一般的に知られている形状のハンマーは、片方の頭が平面でもう片方の頭がV字に切れ目が入ったタイプだと思います。

しかし、ハンマーは総称ですので木工から金属工芸、建設業まで幅広い分野で使用され、上記のような形状だけではなく、用途に応じて様々な形状の種類が存在します。

そのため、人によって思い描いているハンマーが異なります。

金槌とは

金槌(かなづち)もハンマーの一種で、打撃を与えるための手工具です。

金槌の特徴的な点は頭が平らであることで、これにより均一な打撃力を物体に伝えることができます。この特性から、金槌は主に金属の成形や修正など、大きな力を必要とする打撃作業を可能にしています。

玄翁とは用途と頭部の形状が異なり、金槌は「金属の成形や打ち込み」などの金属加工などに使用されます。

 

続いて玄翁の種類について見ていきましょう。

玄翁の選び方①種類から選ぶ

次に玄翁の種類についてそれぞれ解説していきます。

玄翁には様々な種類が存在し、その種類ごとに特徴や役割が存在します。

ぜひ、これから紹介する玄翁の特徴を把握して、木材加工の基礎を学んでいきましょう。

丸玄能(まるげんのう)

丸玄能は両端が平らな打撃面を持っていて、木工作業で表面を傷つけたくない場合や木材を微調整する場合などの打撃作業の際に利用されることが多いです。

そのため、丸玄能は仕上げや修正時に利用する種類の玄翁で、丸玄翁は木工や家具製作などの加工作業などによく利用されます。

打撃面が広く、素材を傷つけずに打つ必要がある作業に適していますが、四角玄翁より力や衝撃を伝える力は劣っていますので、どちらかといえば、木材を中心とした仕上げ工程や確認作業などで活躍する玄翁です。

四角玄能(しかくげんのう)

四角玄能はその名前が示す通り、頭部が四角形をしている特徴的な玄翁です。この四角玄能、主な特徴としては「打撃面に均等に力や衝撃を加えることができる」点が挙げられます。

また四角形の頭部は一点に力を集中させることも可能で、丸玄翁よりも固く加工に力が必要な「石材」や「金属」などの加工に利用されることが多いです。

さらに、四角玄翁は構造がシンプルで頑丈ですので、メンテナンスをきちんとおこなえば長期間にわたり使用することも可能な玄翁だったりします。

ただし、先述した通り、四角玄翁は丸玄翁よりも力や衝撃が伝わりやすい形状ですので、その扱いには慣れが必要な点に注意する必要があります。

四角玄翁を使用して加工する際には、適切な力加減で使用することが重要です。

八角玄翁(はっかくげんのう)

八角玄翁は、頭部が八角形状をしている種類の玄翁です。

八角玄翁はその他の種類の玄翁よりもすこし特異な形状をしており、知識さえ持っていれば見分けることが簡単な種類です。

この不思議な形状には理由が隠されており、打撃面が多角形になっていることで、より精密な加工が可能になります。

また、頭部が八角形の形をしていることで材質と玄翁との間に摩擦が起こりやすくなり、打ちズレの発生を抑制してくれるのも、八角玄翁の特徴だったりします。

そのため八角玄翁は「木材や金属などの硬い素材」への打撃作業」に適しており、建築作業や大工作業はもちろんのこと、彫刻や工芸作業など、幅広い作業で活躍している万能型の玄翁だと言えます。

ただし、丸玄翁や四角玄翁よりも打撃力に重きを置いた種類の玄翁のため、適切な場面での使用を心がけ、その他の玄翁との使い分けが大切になってきます。

片八角玄能(かたはっかくげんのう)

片八角玄翁は、頭部が半分だけ八角形玄翁の形をしている特徴的な玄翁です。

この特殊な形状はとても便利で、作業内容に応じて打撃面を選べるという、その他の玄翁にはない強みを持っています。

一般的な使い分けとしては、平面の打撃面は「釘を打つなどの打撃作業」に使用され、八角形の打撃面は「素材を割る際」など、強い衝撃や力が必要な場合に利用されることが多いです。

また八角玄翁と同様に、八角形の頭部では角度を付けて打撃することも可能ですので、打撃の方向や力を微調整することも可能になってきます。

これらの特性から八角玄翁と同様に、片八角玄翁は一般的な大工作業から彫刻や工芸作業まで、幅広い作業で使用されている玄翁です。

ただし、八角玄翁と同様に強力な打撃力を持ちますので、適切な力加減で使用する高い技術力が求められます。

玄翁の選び方②柄にもこだわる

玄翁は柄によっても、その全体的な性能や使用感などが変わってきます。

玄翁は柄に長さや素材の種類、形状や緩衝材など様々です。

本ぐみ柄(ほんぐみ)

本ぐみ柄は玄翁の柄の中でよく用いられる種類で、ぐみの木(ニレ科の落葉小高木)が素材として使用されています。

本ぐみ柄の特徴としては、「強度が高く、衝撃にも耐性がある」「硬すぎず、柔らかすぎない程よい柔軟性」「きちんとメンテナンスを施せば、湿度変化にも耐えられる」など、あらゆる場面で優れている特徴を持っています。

また、本ぐみの柄は「手触りが良く、滑りにくい」特徴をもっているため、プロの職人からDIY愛好家まで幅広い層からの支持を得ています。

しかし、木材ですので、長期間使用するためには適切な保管場所と定期的なお手入れが必要です。

柞の木柄(いすのき)

柞の木は、その硬さと耐久性から多くの工具の柄として利用される材料の一つです。

その特性から玄翁の柄にも利用されており、本ぐみ柄よりも硬くつ強い耐衝撃性を持っています。玄翁はその工具の特性上、打撃時に非常に強い衝撃が加わります。

そのため、衝撃に強い素材であることは、エネルギーを効率よく伝えるためにも重要になってきます。

本ぐみ柄と比べると細やかなメンテナンスが必要で、敵的にオイルなどで保湿を行う必要があります。このメンテナンスを怠ると木が乾燥しすぎてしまい、柄が割れてしまう可能性が高くなりますので、注意が必要です。

また、その他の材質と比べて比較的重量がありますので、打撃力は増しますが他の素材よりも疲労が溜まりやすい素材でもあります。

ですが、柞の木柄を選ぶ方の多くが「柞の木の滑りづらく、使い込むほど木質が緻密になる」、「時間をかけると手に馴染みやすい」などの理由から、その他の種類よりも柞の木柄を選んでいるようです。

牛柄

牛柄は、牛の角のような形をしている玄翁の柄の種類です。

牛の皮が使われているわけではなく、その形状から牛柄と呼ばれています。

牛柄の特徴は、一部が広がっていて柄が手から滑り落ちづらい形状をしています。また、この形状のお陰で効率的に力を伝えることが可能で、握りやすさに特化した柄だと言えます。

特に重い作業を行う際や精密な作業を要求される場合には、その扱いやすい形状から、その他の柄と比べてもしっかりとハンマーを掴むことが可能です。

ただし、牛柄は形状が一部細くなっていますので、適度な力加減が重要になってきます。

また牛柄の柄は、どの木材で作られているかによっても、その特性や手入れの方法は異なりますので、使用されている木材の種類によってメンテンナンス方法を変えていく必要がある点にも注意が必要です。

桜柄

桜(さくら)は日本の伝統的な木材の一つで、その美しさだけでなく耐久性と強度からも評価されています。桜製の玄翁(げんのう、ハンマー)の柄は以下の特性を持っています:

強度と耐久性: 桜は強度と耐久性に優れた硬質の木材であり、衝撃に対して十分な耐性があります。そのため、長期間にわたって使用することができます。

手触り: 桜の木は手触りが良く、滑りにくいため、長時間の作業でも疲れにくいです。

重量とバランス: 桜の木は比較的軽いので、重量感を感じにくい一方で、打撃力を必要とする作業では力を必要とするかもしれません。

見た目: 桜の木は、その美しい色合いと繊細な木目が特徴で、見た目にも美しいです。

ただし、桜製の柄は湿度に敏感で、乾燥や湿気により割れや変形を起こす可能性があります。

そのため、定期的なメンテナンスと適切な保存が必要となります。また、桜の木は比較的高価な材料であるため、その価格も考慮に入れる必要があります。

定番からおすすめまで!玄翁3選

最後にオススメな玄翁を3つ、ご紹介したいと思います。

オーエッチ工業 八角玄能

オーエッチ工業は高品質で豊富な種類の作業工具と物流機器用工具を製造している、大阪府東大阪市に本社をおくメーカーです。

工業用ハンマーではシェア率トップを誇り、その中でも八角玄翁(ハンマー)は高く評価されています。

八角玄翁は名前通り、このハンマーの頭が八角形の形状をしています。

そして、オーエッチ工業の八角玄翁は、高品質な材料を使用していますので玄翁自体の強度と耐久性に定評があります。

角利 両口玄能 

両口玄翁は打面が片方だけではなく、両方に設けてある一般的な形状の玄翁です。

片方の打面が強い衝撃力を持っており、もう片方の打面が微調整などに向いているような設計がされており、使用したい場面に応じて使い分けられる点も、この両口玄翁の特徴だったりします。

両口玄能は多用途向けに設計されていることが多く、角利の両口玄翁も使い分けができるよう設計されています。

また、角利の両口玄翁は高品質でありながら、非常に安価で販売されていますので、導入しやすい点も多くの方から高い評価を得ている理由だったりします。

王将(須佐製作所) ダルマ玄能

「王将」は須佐製作所としても知られ、高品質な大工道具や手工具を販売しているメーカーの一つです。

その中でも「ダルマ玄能」は独特のデザインと機能性で知られており、一般的な玄翁とは異なる形状をしています。

主な用途としては、「木工作業や木材加工の現場、また大工作業」など様々な加工や組立の現場で利用されています。

また、ダルマ玄翁にも複数の種類が存在し、一部の高品質なダルマ玄翁では「柄の素材や長さ、形状」などを選ぶことができます。

まとめ

今回は玄翁について、種類や選び方について解説してきました。

手工具については、まだまだ知っておきたいことがたくさんあります。

ぜひ、その他の関連記事も読んで参考にされてみてください。