レーザー墨出し器の種類や選び方について解説します
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皆さんはレーザー墨出し器の種類や選び方についてご存知でしょうか。
使用にも専門知識が必要となる工具ですので、その種類の違いや利用用途にあった選び方について学びづらい分野だと思います。
ということで今回は、レーザー墨出し器について「どんな工具なのか」「種類や選び方は?」などの視点から解説していきます。
ぜひ、墨出し器購入の参考にされてみて下さい。
レーザー墨出し器とは
レーザー墨出し器は、水平や垂直に光線を出す機械です。
光が広がらずに真っ直ぐ進むため、正確な水平や垂直の線を照射できます。そのため図面に沿って作業を行う現場では、欠かせないアイテムです。
レーザー墨出し器はモデルによって、精度や機能が大きく異なります。以前は工事現場や大工仕事で使う、高精度なプロ用のモデルが主流でした。
しかし近年では機能がシンプルで扱いやすい、家庭用のコンパクトモデルも多いです。コンパクトモデルの普及に伴い、DIYやリフォーム、真っ直ぐに物を置く必要がある会場設営で使う方も増えました。
たくさんのメーカーがさまざまなモデルを販売しているので、呼び方が異なる商品もあります。
異なる呼び方だと水平器や水準器、オートレーザーやラインレーザーといった名称が一般的です。
レーザー墨出し器の用途や必要な作業について
レーザー墨出し器を使えば、作業の基準となる線をかんたんに示せます。しかし、正しい使い方をしないと、正確な線を照射できません。
ここではレーザー墨出し器の用途や、正しい使い方・必要な作業についてお伝えします。
レーザー墨出し器の用途
レーザー墨出し器は、作業の基準となる線を示すために使います。
建築物や建造物は法律に従って設計されているので、設計図通りに造らなければいけません。しかし、地面や木材が歪んでいて、水平や垂直ではない場合が多いです。
そのため基準となる線がなければ、正確に作業ができません。
この基準となる線を示す作業を、墨出しや墨付けと呼びます。昔は墨で基準線を書いていましたが、現在はレーザーやチョークが主流です。
レーザー墨出し器は水平と垂直を光線で示します。複数の墨出しを一気にできる上、スケールが届かない場所の墨出しも可能です。
周囲を汚さないので内装のリフォームや、会場の設営にも手軽に使えます。
必要な作業について
一般的な使い方は、以下の通りです。
1. 設置する位置を決める(墨出しする場所から2~5m)
2. 本体と三脚を設置する(本体下部と三脚上部を接続する)
3. 高さを調整する
4. 本体の水平器を確認しながら、水平になるように微調整をする
5. 電源を入れて、照射ボタンを押す
6. 精度の確認をする
③と④は、三脚上部のハンドルや脚部で調整します。(脚部の無いモデルは三脚が必要)
モードやライン変更は⑤のあとに行ってください。
⑥の水平精度は本体を1回転させて、同じ高さを照らすかチェックします。
垂直精度は墨出し位置付近に下げ振りの糸を下げ、光線を当てて糸の全体が照らされているかチェックしてください。(3m前後)
レーザー墨出し器の種類について
レーザー墨出し器は販売されている商品が多いため、初めて導入する方は商品を選ぶのが大変です。
まずは種類についてお伝えするので、ぜひ導入する際の参考にしてください。
レーザー墨出し器は大きく分けて2種類
レーザー墨出し器は整準の方式によって、使い勝手が大きく異なります。整準方式とは、ラインを水平や垂直にする機構のことです。
レーザー墨出し器の整準方式は、以下の2種類になります。
- ジンバル式
- 電子正準式
ジンバル式には磁石が使われているため、マグネットダンパー方式とも呼ばれています。仕組みがまったく違うので、それぞれの特徴を把握しておくと良いでしょう。
価格はジンバル式のほうが安く、電子正準式は高額な傾向です。
ジンバル式
ジンバル式は振り子と磁石を使って、ラインを垂直にしています。振り子のおもりが自重と重力で吊るされ、正確な垂直を出す仕組みです。
シンプルな機構なので、温度や気圧の影響を受けにくいというメリットがあります。しかし、大きく揺れると振り子の揺れがなかなか止まらないため、揺れが大きい場所では扱いにくいです。
また機構が摩耗した場合や、サビやゴミが機構に入ると精度不良を起こします。そのため高層階や粉塵が舞う場所での使用には向いていません。
安価で手軽さを求める方であれば、ジンバル式を購入すると良いでしょう。
電子正準式
電子正準式は傾斜センサーを使って、ラインを水平にしています。センサーは液体中の気泡で傾きを検知する仕組みです。
機構にゴミが入らないので、作業中に故障しにくいというメリットがあります。しかし、揺れると気泡の位置がずれるため、振動が続く場所での使用には向いていません。
また気温や気圧の変化によって気泡が変化し、正確な水平を保てなくなります。
そのため大型車が常時走行する現場や、安定していない環境下では使えません。
レーザー墨出し器の選び方について
レーザー墨出し器は商品によって、精度や機能が異なります。価格も大きく異なるため、用途に合ったモデルを購入するのがおすすめです。
商品を選ぶ際は、以下のポイントを押さえておくと厳選しやすくなります。
- 照射ラインの数
- ラインの色
- 正準の方式
- 受光器の有無電源方式
では具体的にそれぞれの項目を解説していきます。
照射ラインの数
照射できる光線の本数は、商品によって異なります。
一般的な本数は2~5ラインと、フルライン(水平照射が全周の5ライン)です。照射の方向は水平光線が1本のまま、垂直光線が増えていきます。
本数に比例して価格が高くなるため、家庭用なら2~3ラインがおすすめです。仕事で使う方には、作業効率が向上するフルラインをおすすめします。
フルラインなら本体の向きを変える手間が省ける上、数人での作業にも対応可能です。
では具体的にラインの色や正準方式、受光器や電源方式についても見ていきましょう。
ラインの色
レーザーはラインの色によって、視認性が異なります。
視認性の違いを下記にまとめました。
- 赤(暗い室内でしか見えない)
- 高輝度タイプの赤(明るめの室内でも視認できる)
- 緑(明るい屋外でも見える)
- 高輝度タイプの緑(明るい屋外で見やすいが、暗い室内では眩しく感じる)
- ブルーグリーン(どこでも見やすい)
ラインの色は赤と緑が一般的で、ブルーグリーンは特定のメーカーで購入できます。緑色タイプを購入する場合は、出力の安定しているダイレクト方式がおすすめです。
正準の方式
整準方式は、ジンバル式と電子正準式の2種類です。ジンバル式は本体やメンテナンス費用が安く、温度や気圧の影響を受けません。
しかし、揺れやゴミの流入に弱い上、作業中に動かなくなるリスクがあります。電子正準式は高性能なモデルが多く、作業中の故障が少ないです。
ただし本体やメンテナンス費用が高額な上に、天候や振動で精度が不安定になります。
そのため家庭用には価格が安いジンバル式、仕事用には故障の少ない電子正準式がおすすめです。
受光器の有無
受光器は光線を正確に感知するアクセサリーです。光線が受光器に重なると、音や光を発します。明るい場所では光線が見えづらくなるため、照明付近や屋外では視認がしにくいです。
直射日光が当たる場所だと、緑色の高輝度タイプでも見えづらくなります。レーザーを使った墨出し器の弱点とも言えるでしょう。
そのため時間や天候を気にせず、スムーズに作業したい方は受光器を購入しましょう。受光器は本体に付属しているセット品の購入がおすすめです。
別売品を購入する場合は、手持ちの墨出し器に対応している受光器を選んでください。
電源方式
主な電源方式は、以下の3種類です。
- AC電源式(前準備が必要なく、充電切れの心配もない)
- 乾電池式(スペアの乾電池があれば、充電切れの心配がない)
- バッテリー充電池式(繰り返し充電できて経済的)
乾電池式の中には、ニッケル水素電池を使えるモデルもあります。電源方式によって使い勝手が変わるため、用途や使用環境に合わせて選びましょう。
また2つの電源方式や、3つの電源方式に対応しているモデルもあります。多様な使い方ができるので、電源方式は多いほど便利です。
墨出し器を買うならオススメしたいメーカー一覧と特徴
レーザー墨出し器を販売しているメーカーはたくさんあります。好みのメーカーがある方はメーカーで選んでも良いでしょう。
メーカーにこだわりがない場合は、評価の高いモデルを販売しているメーカーがおすすめです。
ここではレーザー墨出し器に定評がある、おすすめの3メーカーをご紹介します。
タジマ
タジマはレーザー墨出し器のシェアが国内トップです。国内の自社工場で商品を製造しており、品質や性能の管理を徹底して行っています。
過酷な検査に合格した良品だけを出荷しているので、精度が高く正確です。そのため繊細な作業をする際も安心して使えます。
またタジマのレーザー墨出し器は、種類が充実している点も魅力の一つです。受光器と三脚のセット品や、ナビゲーション機構を搭載したモデルもあります。
5種類のシリーズに分かれているため、用途に合ったモデルを見つけやすいです。仕事で使う方には、ブルーグリーン光線のZEROBLUEシリーズをおすすめします。
視認性が周囲の明るさに影響されづらいので、どこでも見やすく快適です。
マキタ
マキタのレーザー墨出し器はバッテリー充電池式です。繰り返し充電して使える上、電圧が同じマキタ製品とバッテリーを併用できます。
そのためスライドタイプの10.8Vシリーズを持っている方や、マキタで工具を揃える予定の方におすすめです。
本体のみ購入できる工具もあるので、バッテリーを使いまわしても良いでしょう。バッテリーに加えて乾電池やAC電源も使える、電源方式が多彩なモデルもあります。
すべて防滴と防塵仕様なため、屋内だけではなく屋外でも使用可能です。またマキタは大手のメーカーなので、品質の高さやアフターメンテナンスに定評があります。
レーザー墨出し器も評価が高く、機能が充実している上に高精度です。
ムラテックKDS
ムラテックKDSのレーザー墨出し器は海外工場で製造しており、高機能なモデルでも価格がリーズナブルです。
全商品の検査を国内にある自社工場で行っているため、価格が安くても品質は安定しています。修理や点検も国内のカスタマーサービスが対応しており迅速です。
またムラテックKDSのレーザー墨出し器は保証が手厚いので、作業人数が多い現場でも安心して使えます。
ユーザー登録をすると、購入から1年間の保証が無料です。1年の修理が1度だけ無料になり、盗難や火災の補償サービスも利用できます。
※補償サービスは5,000円~10,000円が別途必要です。無料の修理は過失による故障も対象になります。
まとめ
今回は、レーザー墨出し器の種類や選び方などについて解説してきました。
レーザー墨出し器については、まだまだ知っておきたいことがたくさんありますので、ぜひ、関連記事も読んで参考にされてみて下さい。
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