インパクトドライバーのトルク目安を作業別に解説します
目次
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皆さんは、インパクトドライバーのトルク目安をご存知でしょうか。
プロ用モデルでは「トルク値の高さ」が購入の判断目安の一つになっていますが、必ずしもトルク値の高いインパクトドライバーが必要かと言われると、そうではありません。
作業ごとに適切なトルク目安が存在し、インパクトドライバーを使用したい作業によって必要なトルク値は変わってきます。
ということで今回は、作業別に必要トルク値の目安をご紹介していきたいと思います。
また、そもそもインパクトドライバーで出来る作業についても解説していきますので、ぜひ、これから工具を購入される予定がある方は、参考にされてみて下さい。
【スペック別】インパクトドライバーの必要トルクの目安について解説します
どんな作業でも言えることですが、その作業をこなすために必要なスペックというもの存在します。
それはインパクトドライバーを使用する作業でも同じことが言え、場合によってはスペックを持て余すこともあります。
この章では、スペックごとに行える作業を順を追って紹介していきます。
「7.2V 20N・m~30N・m」クラスで可能な作業について
まずは、7.2V(20N・m~30N・m)で行える作業について紹介していきます。
ネジ締め
7.2V(20N・m~30N・m)ほどあれば、ある程度のネジ締めを行うことができ、そこそこ長いネジや太めのネジでも行うことができます。これくらいのパワーなら、ネジがなめてしまうことも少ないです。
固着したネジ外し
7.2V(20N・m~30N・m)ほどあれば、固着したネジを外すことができます。
木材への木ビス打ち
木材への木ビス打ちも45mm程度であれば、7.2V(20N・m~30N・m)ほどあれば、可能です。45mmを超えてくる場合は、もう少し高いトルクが必要となります。
ボルト締め
ボルト締めもM8程度であれば、7.2V(20N・m~30N・m)ほどのトルク値が出せるインパクトドライバーで対応できます。
ボルト締めはパワーが無い行うことができない作業ですので、もう少し高いトルク値が必要だと思いがちですが、M8程度のボルト締めであれば、10.8V以下のインパクトドライバーでも作業がおこなえます。
穴あけ
穴あけ作業なら、直径3.5mm程度の穴を空ける作業であれば10.8V以下のインパクトドライバーでも対応可能です。
「10.8V 70N・m~100N・m」クラスで可能な作業について
次に「10.8V 70N・m~100N・m」で行える作業について紹介していきます。
ネジ締め
ネジ締め作業は行なえますが、すこし加減をする必要があります。トルクが強すぎるとネジを舐めたり、木材が破損する可能性があるので注意が必要です。
固着したネジはずし
「10.8V 70N・m~100N・m」ほどのパワーがあれば、問題なく固着したネジも取り外すことができます。インパクトドライバーの仕組みは固着したネジとの相性が抜群ですので、ペンインパクトあたりでも十分活躍することができます。
木材へのコーススレッドビス打ち
木材へのコーススレッドビス打ちが90mm程度までであれば可能です。
ボルト締め
力の必要なボルト締めがM12程度までであれば可能です。
穴あけ
直径6.0mm程度の穴あけが可能になります。木工だけでなく、鉄工ドリルを使用し金属への穴あけも可能になってきます。
「14.4V 120N・m~175N・m」クラスで可能な作業について
続いて「14.4V 120N・m~175N・m」クラスで可能な作業について紹介していきます。
ネジ締め
「14.4V 120N・m~175N・m」クラスになると、ネジ締め作業はトルクが強すぎてネジが舐めてしまう可能性があります。また、材木も破損してしまう危険がありますので、パワー切替機能あれば「弱」での使用をオススメします。
固着したネジ外し
「14.4V 120N・m~175N・m」クラスなら、問題なく行えます。
木材へのコーススレッドビス打ち
最長125mmまでの全てのコーススレッドビス打ちが可能です。
ボルト締め
ボルトを締めるのもM16程度まで可能となります。
穴あけ
木工穴あけであれば直径50mm程度、鉄工穴あけでは直径20mm程度の作業ができます。
「18V 130N・m~180N・m」クラスで可能な作業について
続いて「18V 130N・m~180N・m」クラスで可能な作業についてご紹介します。
ネジ締め
トルクが強すぎるため、ネジや材木が破損する恐れがあります。パワー切替機能があれば「弱」で使用しましょう。
固着したネジ外し
トルクも十分ありますので、対応可能です。
木材へのコーススレッドビス打ち
最長125mmまで全て可能です。
ボルト締め
ボルト締めもM16程度まで可能です。
穴あけ
木工穴あけは直径50mm程度、鉄工穴あけでは直径20mm程度可能です。
「36V 200N・m」クラスで可能な作業について
次に「36V 200N・m」クラスで可能な作業についてご紹介します。
ネジ締め
強すぎるため、ネジや材木が破損する恐れがあります。パワー切替機能あれば弱で使用しましょう。
固着したネジ外し
問題なく行えます。
木材へのコーススレッドビス打ち
最長125mmまで全て可能です。
ボルト締め
ボルト締めもM16程度まで可能です。
穴あけ
木工穴あけは直径50mm程度、鉄工穴あけでは直径20mm程度可能です。
「40V 220N・m」クラスで可能な作業について
最後に「40V 220N・m」クラスで可能な作業についてご紹介します。
ネジ締め
強すぎるため、ネジや材木が破損する恐れがあります。パワー切替機能あれば弱で使用しましょう。
固着したネジ外し
問題なく行えます。
木材へのコーススレッドビス打ち
最長125mmまで全て可能です。
ボルト締め
ボルト締めもM16程度まで可能です。
穴あけ
木工穴あけは直径50mm程度、鉄工穴あけでは直径20mm程度可能です。
インパクトドライバーで出来る作業について
続いてインパクトドライバーで出来る作業について解説してきます。
「アタッチメントなしの場合」と「アタッチメントを付けた場合」の2パターンをご紹介します。
アタッチメントなしの場合
まずはアタッチメントなしの場合で出来る作業について解説していきます。
トーションビット
トーションビットとはビット中央部分が細くなっているビットのことです。細い部分が若干ですがねじれることで、衝撃を吸収する事ができます。そのためネジがなめたり破損したりする可能性が軽減するのです。金属疲労も軽減するので、長い間ビットを使う事が出来るようになります。
スリムビット
スリムビットはネジ頭や刃先が見やすいように、先端部分が細く加工されています。細めのビス頭の作業時でも目視しながら使う事が出来るのです。一度使えばかなり便利なので、リピーターとなる方が多いです。
バネ付きビット
バネ付きビットは軸の部分にバネがついているので、インパクト本体からの交換時はバネの力で飛び出し、効率よく交換できるようになっています。ビットが熱を持ち、交換しづらいときはビット自体を触らずに交換する事も出来るのです。非常に使い勝手のいいビットですが、バネの分コストは高いですね。
六角ビット/トルクスビット/ボールポイント
HEX、六角レンチ、トルクスのネジの脱着をインパクトドライバーで行いたい場合には不可欠な製品です。
ボックスソケット
インパクトドライバーにワンタッチで脱着し、使用する事の出来る製品です。
通常のボックスソケットと同じサイズのものが販売されているので、様々なサイズのボルトに対応しています。ボルトの脱着は力を要する作業なので、インパクトドライバーのようなトルクのある工具で作業出来るのは大変便利ですよ。
シーリング材除去ビット
外壁等のシーリング剤を除去するために「シーリング材除去ビット」を使用済ます。
スピンカッターとも言われ、カッターよりもシーリング材を簡単に剥がせるようになり、安全性も優れているのです。用途は限られますが、外壁をDIYする際は必要になってくる工具でしょう。
シール剥がし消しゴム
ビットの先端に固めの大きな円状の消しゴムがついている物です。はがれにくいステッカーやシールでも簡単に剥がすことができます。
自動車やバイクなど、ボディを傷つけることができないようなものでも、消しゴムなので傷つけることなくステッカーやシールを剝がすことができるのです。高速回転で消しゴムを当てるので、長時間使用すればすぐに寿命が訪れてしまうので注意しましょう。
六角軸マジックパッド
六角軸マジックパッドは、マジックテープがついておりバフを付けることができます。コンパウンドを付けて自動車のボディなどを磨くことが可能です。
手作業でボディを研磨するのは非常に大変で、なかなか綺麗に仕上がりません。電動で行えば効率的に磨き上げることが可能で、仕上がりもムラなく綺麗に仕上がります。
またサンドペーパーを貼り付けることもでき、粗い状態から仕上げることができるのです。
ワイヤーブラシ
インパクトドライバーにワイヤーブラシを付け、磨くことができます。さび落としとして使用すれば、ワイヤーブラシを高速回転させることで綺麗に仕上がるのです。粗く仕上がるので、プラスアルファでサンドペーパーなどをかける必要があります。
インパクトドライバー用 スクレーパー
剥がす作業や、擦りをする作業に使うスクレーパーをインパクトドライバーに着用出来ます。インパクトドライバーの回転を利用し振動させることでスクレーパーの機能を向上させることができます。手動よりもかなり効率的に作業出来ます。
インパクトドライバー用シャー
金属切断のシャーをインパクトドライバーに着用し利用できるアイテムです。
片手での作業も行えるため、大変便利。電動ハンドシャーを購入しようと思えば3万円程度するものが多いのですが、こちらの製品であれば5000円で購入できます。
コスパ良く作業したい場合にはインパクトドライバーに着用できるシャーを購入しましょう。
攪拌用ミキサー
攪拌用ミキサーとは塗料などの液体を混ぜるものです。インパクトドライバーに装着し混ぜることで効率的に作業できます。頻繁に塗装する方はこちらの製品を購入する事をおすすめします。
リベッター
リベッターはリベット作業を行うものです。専用のリベッターを購入するよりもかなりコストを下げることが可能。リベットを頻繁に使用しない方はこちらの製品はおすすめです。
フレアツール
エアコン取付の際に必要不可欠なフレア加工。きちんとできなければ冷媒ガスが不足してしまい、空調機が不具合が起こります。
フレアツールはフレア加工を効率的に行う事の出来る工具です。専用のフレアツールを使用するよりも低価格で購入できるのがメリットです。
ホルソー
ホルソーは、大きな円状のノコギリの形をした工具です。
ドリルよりもかなり大きい穴を開けることができます。大きな穴を開けることもできますが、綺麗に開けることができるのもメリットです。
アタッチメントありの場合
続いて、アタッチメントを取り付けた際にできる作業についてご紹介します。
インパクト用ドリルチャック
インパクトドライバーでも、ストレート丸軸のドリルビットを使うためのアタッチメントです。通常は六角形のビットを取り付けるための構造をしているので、角のない丸型のビットは使用する事はできません。
ですがドリルチャックを使用すれば、インパクトドライバーでも丸軸のドリルビットを装着する事が可能となります。
10mm、13mmの軸径のビットを装着する事ができ、大半のメーカーの製品は問題なく使用できます。
従来の製品ではキーを使いビットを固定しますが、キーレスタイプのドリルチャックが現在は主流です。手間がかからずに着用ができるので、非常におすすめとなります。
インパクト用L型アダプタ
角の位置にあるネジなどは手が届きづらく、インパクトドライバーでは作業することができません。ですがインパクト用L型アダプタなら、先端が横についているので角のネジでも扱うことができるのです。
インパクトドライバーに対して垂直方向に締め付け作業をするので、ビットを抑える力が弱くなります。サイドハンドルがついていれば抑えやすくなりますが、なければビットがネジから外れてしまうのです。
非常に便利ですが、使用時は気を付けて作業しましょう。
インパクト用ソケットアダプタ
手動で使うソケットレンチをインパクトドライバーに着用して使用する事ができます。
ソケットレンチの取り付け部分は四角形の角ドライブ、6.3mm角、9.5mm角、12.7mm角のものがあり、これらのアタッチメントです。
ソケットを複数所有する必要が無くなるので、ソケットレンチを手動用のものとひとつにすることができるようになるのがメリットとなります。
インパクト用ソケットアダプタ(首振りタイプ)
インパクト用ソケットアダプタの首振りタイプです。狭い場所や斜めからドライバーを使いたい場合にはインパクト用ソケットアダプタの首振りタイプを使用しましょう。
シンプルな工具ですが、様々な場面で活躍する事は間違いありません。
インパクト用SDSアダプタ
SDS軸ドリルを使用する場合にインパクト用SDSアダプタがあれば着用できます。SDSとはシャンク部分に溝が入っており、差し込むと固定されるため力の伝達を効率的に行えるのです。
小さな穴開けでは問題ありませんが、プロが本格的に使用する場合は強度的にすこし不安。ピンポイントで使用することをおすすめします。
ビスキャッチ
ビスキャッチはビットの先端でビスを保持する事が可能です。マグネット式が主流ですが、ステンレスなどの非鉄のビスに使用できるタイプもあります。DIY用途からプロまで多くの型が使用しているアタッチメントです。
研磨ディスク・カップブラシ用アダプター
ディスクグラインダー用のアクセサリを取り付けることができるアタッチメント。砥石での研磨作業の場合、インパクトドライバーの衝撃を与えないように低回転でじっくりと作業する様にしましょう。
ポイントで使用するようにしておくことをおすすめします。
エクステンションビット (延長)
エクステンションビットとは延長するためにビットとビットの間に取り付けるものです。狭くて工具が届かない場合にはエクステンションビットがあれば非常に便利。重宝する製品の一つです。
フレキシブルビット
特殊鋼などの素材を使用し、ビットを壁際や手の届かない場所のネジを回すために使用する工具です。フレキシブルに動き。握りやすいクッショングリップハンドルで確実にトルクを伝達できます。
手が届かない場所の固いネジを扱うのには最適です。
まとめ
今回は、作業別に必要トルク値の目安をご紹介していきました。
この他にも、知っておきたい工具の知識について解説した記事がありますので、ぜひ、その他の記事も参考にされてみて下さい。
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