GSR18V-90FCとEZ1DD2の違いについて解説します
目次
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2023年8月に、ボッシュから先端のアダプター交換することで様々な用途に対応できるマルチドライバードリルGSR18V-90FCが発売されました。
この機種は1台で多くの作業に対応できることから、とくにDIYユーザーの間で関心が高い工具となっています。
そして、同時期に発売されたパナソニックのEZ1DD2も同様に注目度が高い電動工具となっています。
そのため、はじめてマルチツールに興味を持った方の中には両者の違いなどが分からず、購入を戸惑っている方もいらっしゃるのではなにでしょうか。
ということで今回は、ボッシュのマルチドライバードリルGSR18V-90FCの特徴やスペックについてまとめましたので、詳細を知りたい方はぜひ、参考にされてみてください。
GSR18V-90 FCの基本的なスペック
まずはGSR18V-90 FCの基本的なスペックについてまとめてみました。
型番 |
GSR18V-90FC・GSR18V-90FCH(本体のみ) |
最大締め付けトルク |
【剛性体締付】64N・m 【弾性体締付】36N・m |
穴あけ能力 |
【木工】38mmΦ 【鉄工】13mmΦ 【木工ホールソー】68mmΦ 【鉄工ホールソー】53mmΦ |
ネジ締め能力 |
12mmΦ(最大径) |
回転数 |
【低速】0~630回転/分 【高速】0~2,100回転/分 |
重量 |
0.94kg(本体のみ) |
本体サイズ(W×H×D) |
136mm×255mm×77mm |
標準小売価格 |
GSR18V-90FC:110,000円(税抜き) GSR18V-90FCH:50,000円(税抜き)※バッテリー充電器別売り |
次にGSR18V-90FCの特徴について解説していきます。
GSR18V-90 FCに付属するアダプター
GSR18V-90 FCはマルチドライバードリルという名称のとおり、アタッチメントを替えれば多彩な作業を行えるツールです。
具体的には下記5つのアタッチメントに対応しています。
- キーレスチャックアダプター
- ビットホルダー式アングルアダプター
- スミヨセアダプター
- アングルアダプター
- SDSプラスハンマードリルアダプター
キーレスチャックは一般的なドリルドライバーとして使用できます。13mmのオートロックチャックです。
ビットホルダー式アングルアダプターは、9mm溝ビットが使用できるアダプター。16方向にワンタッチで角度が調整でき、あらゆる角度での作業に対応。
スミヨセアダプターは最小スミヨセ寸法が11mmで、さらに16方向へ角度調整が行えます。
アングルアダプターは13mmのオートロックチャックを搭載した、角度調整が行えるアダプターです。16方向への調整が行えます。
アダプターを装着していないときは、6.35mmの六角ビットに対応。ただし海外仕様の、9mm溝ビットのみ対応なので注意しましょう。
GSR18V-90 FCの特徴
GSR18V-90 FCは下記3つの特徴があります。
- アダプター方式では世界初のSDSハンマドリル対応
- 無線コネクト接続機能を搭載
- ひと目で分かるLEDユーザーインターフェース
今までSDSハンマドリルは、アダプター方式で対応しているものがありませんでした。(SDSプラスシャンクに対応)
コンクリートの穴あけも行えるようになったため、さらに幅広い作業が可能です。
またボッシュには、無線接続が行えるコネクト機能が提供されています。この接続によりスマホと連携し、細かい動作の設定が可能となりました。
この機能により停止した理由を知り、使い方を改善するキッカケになります。制御クラッチやLEDライトの明るさも変更可能です。
そしてGSR18V-90 FCは、わかりやすいインターフェースを搭載しているのも特徴。
ステータスLEDにより、バッテリー残量だけではなく状態もある程度判別できます。
パナソニックのEZ1DD2の特徴
マルチドリルドライバーの購入を検討されている方の中には、パナソニックのEZ1DD2と迷われている方は多いのではないでしょうか。
この製品は2023年2月に発売された製品ですので、よく比較対象として挙げられています。
また、多彩なアタッチメントを付け替えることであらゆる作業に対応していますので、GSR18V-90 FCとも用途が似ていることも比較されている要因となっています。
ということで次章ではパナソニックのEZ1DD2について、スペックや詳細な特徴を詳しくまとめました。
EZ1DD2の基本的なスペック
まずはEZ1DD2の基本的なスペックです。詳細は、下記の表を参考にしてください。
型番 |
EZ1DD2 充電ドリルドライバー14.4V/18V |
最大締め付けトルク |
・剛性体締付トルク 【18V】低速:約45N・m 【14.4V】低速:約40N・m ・弾性体締付トルク 【18V】高速:約11N・m、低速:約30N・m 【14.4V】高速:約10N・m、低速:約29N・m |
穴あけ能力 |
【Highモード】ホルソーSPC(φ21×1.6mm)18V 5.0Ah約45穴、14.4V 5.0Ah約35穴 【Highモード】木工・集成材(φ21×120mm)18V 5.0Ah約140穴、14.4V 5.0Ah約100穴 |
ネジ締め能力 |
【Highモード】テクスネジ・SPC (φ6×13mm・板厚1.6mm)18V 5.0Ah約1,150本、14.4V 5.0Ah約880本 【Lowモード】コーチネジ・米松(φ6×80mm)18V 5.0Ah約210本 |
回転数 |
【18V】高速:70~1,800回転/分、低速:20~530回転/分 【14.4V】高速:70~1,450回転/分、低速:20~430回転/分 |
重量 |
【18V5.0Ah】1.75Kg 【18V3.0Ah】1.5Kg 【14.4V5.0Ah】1.6Kg |
本体サイズ(全長×全高×幅) |
【18V5.0Ah】133×253×64mm 【18V3.0Ah】133×237×64mm 【14.4V5.0Ah】133×245×64mm |
標準小売価格 |
18V5.0Ah(LJタイプ)電池セット93,000円(税抜) 本体のみ39,800円(税抜) |
EZ1DD2に付属するアダプター
EZ1DD2は、アタッチメントを変更して多彩な作業に対応できるマルチツールです。
具体的なアタッチメントは下記のとおりとなっています。
- キイレスチャックアタッチメント
- アングルアタッチメント
- スミ打ちアタッチメント
- ケーブルカッターアタッチメント
キイレスチャックアタッチメントは、軸径Φ1.5~Φ13mmの先端工具が使用可能となっています。ユニバーサルホルソーやコアドリル、金工ホルソーに対応。
アングルアタッチメントは角度を調整し、コンセント増設時や狭い場所でのタップ立てに最適です。
スミ打ちアタッチメントを使用すれば、本体と干渉して作業が難しい場合でも穴あけ可能。例えば床下への配線通し穴あけも、活用しやすくなっています。
ケーブルカッターアタッチメントは、CV線「100mm2」までの切断が可能となったアタッチメントです。
CV線をよくカットする方に適しているでしょう。
アタッチメントを使用していないときは、六角軸の新ワンタッチビットロックが使用可能です。
EZ1DD2の特徴
EZ1DD2の特徴は下記3つとなっています。
- 「+BRAIN」ベクトル制御技術搭載
- タップモードの搭載
- 電子クラッチで最適なトルク設定が可能
パナソニックの製品に搭載されている「+BRAIN」ベクトル制御技術は、高性能なマイコンがその技術を支えています。
常に動作をセンシングすることで、リアルタイムにスピードやパワーを調整。より効率よく、高いパフォーマンスを発揮できます。
またEZ1DD2に搭載されているタップモードは、タップ作業に最適な仕様です。
例えばAUTO切粉切り用モードなら、トリガーONで正転。離すと停止し、もう一度トリガーを引けば半回転逆転して停止します。
そしてEZ1DD2の電子クラッチは、おもにM5~M8の機械ネジを作業する際に最適です。
回転数とトルク段数の設定を組み合わせることで、締付力を緻密にコントロールできます。
この設定により、高速回転での焼付きも防げますし、誤って部材を破損してしまう事態も防げるでしょう。
ボッシュのGSR18V-90 FCとパナソニックのEZ1DD2の違い
ボッシュのGSR18V-90 FCとパナソニックのEZ1DD2は、同じマルチドリルドライバーとしてよく検討候補に上がります。
では次に両機種の違いにはどういった違いがあるか解説していきます。
GSR18V-90 FCとEZ1DD2の大きな違い
一番の違いは対応するアタッチメントの差となっています。例えば基本となるキーレスやアングル、スミヨセアダプターは両機種ともに対応していますので、差がありません。
しかしボッシュはSDSハンマドリルの対応で、パナソニックはケーブルカッターの対応です。
この差は一体どういった点から来るのでしょうか?
実はパナソニックの想定している対象ユーザーは、電気工事を生業とする職人です。ハンマドリルよりも、ケーブルカッターのほうが需要は高め。
対してボッシュは汎用性の高さを狙い、ハンマドリル対応となっています。
争点はハンマドリルを使うのか、ケーブルカッターを使うのかという点でしょう。どちらも使わなければ、基本的な差は大きくありません。
スペックの違い
スペックは、下記の表で比較してみましょう。
|
GSR18V-90FC・GSR18V-90FCH(本体のみ) |
EZ1DD2 充電ドリルドライバー14.4V/18V |
最大締め付けトルク |
【剛性体締付】64N・m 【弾性体締付】36N・m |
・剛性体締付トルク 【18V】低速:約45N・m 【14.4V】低速:約40N・m ・弾性体締付トルク 【18V】高速:約11N・m、低速:約30N・m 【14.4V】高速:約10N・m、低速:約29N・m |
穴あけ能力 |
【木工】38mmΦ 【鉄工】13mmΦ 【木工ホールソー】68mmΦ 【鉄工ホールソー】53mmΦ |
【Highモード】ホルソーSPC(φ21×1.6mm)18V 5.0Ah約45穴、14.4V 5.0Ah約35穴 【Highモード】木工・集成材(φ21×120mm)18V 5.0Ah約140穴、14.4V 5.0Ah約100穴 |
ネジ締め能力 |
12mmΦ(最大径) |
【Highモード】テクスネジ・SPC (φ6×13mm・板厚1.6mm)18V 5.0Ah約1,150本、14.4V 5.0Ah約880本 【Lowモード】コーチネジ・米松(φ6×80mm)18V 5.0Ah約210本 |
回転数 |
【低速】0~630回転/分 【高速】0~2,100回転/分 |
【18V】高速:70~1,800回転/分、低速:20~530回転/分 【14.4V】高速:70~1,450回転/分、低速:20~430回転/分 |
重量 |
0.94kg(本体のみ) |
【18V5.0Ah】1.75Kg 【18V3.0Ah】1.5Kg 【14.4V5.0Ah】1.6Kg |
本体サイズ(全長×全高×幅) |
136mm×255mm×77mm |
【18V5.0Ah】133×253×64mm 【18V3.0Ah】133×237×64mm 【14.4V5.0Ah】133×245×64mm |
標準小売価格 |
GSR18V-90FC:110,000円(税抜き) GSR18V-90FCH:50,000円(税抜き)※バッテリー充電器別売り |
18V5.0Ah(LJタイプ)電池セット93,000円(税抜) 本体のみ39,800円(税抜) |
スペックシートを見た限りだと、あまり大きなスペック差はないと言っても良いでしょう。
本体サイズもかなり似通っているため、実際の使用では大きな差を感じにくいです。
穴あけ用途を狙うのであれば、あとはメーカーやデザインの好みで選んでみても良いかもしれません。
機能やセット内容の違い
機能面ではどちらも一長一短があります。例えばボッシュのGSR18V-90 FCですと、コネクト機能により細かい機能設定が変更可能です。
停止した状態も詳しく見られるため、スマホと連携できる方ならぜひ押さえておきたい機能と言えるでしょう。
対してパナソニックのEZ1DD2は連携機能がないものの、高性能な「+BRAIN」ベクトル制御技術が使用できます。
より細かいリアルタイムの制御で、作業性はEZ1DD2に軍配が上がりそうです。
セット内容に関しては、GSR18V-90 FCが標準でキーレスチャックアダプターが付属します。
そのため購入してすぐ丸軸ドリルビットを使用でき、メリットが大きい状態。EZ1DD2は別売品となっており、別に購入しなくてはなりません。
GSR18V-90 FCのほうが価格は高いものの、EZ1DD2で同じキーレスチャックアダプターを購入するとほぼ価格が同じになります。
ボッシュのGSR18V-90 FCのデメリット
GSR18V-90 FCのデメリットは、電工用途では少し不便を感じる点です。
もしご自身が電工用途で考えているなら、ケーブルカッターは個別に購入しなくてはなりません。
狭所や隅の穴あけには対応しているので、ほかの幅広い作業に向いています。
用途を割り切って考えられるのなら、このデメリットは問題ないでしょう。
またアダプターを装着していないときは、海外仕様の9mm溝ビットのみの対応です。この点にも注意する必要があります。
パナソニックのEZ1DD2のデメリット
EZ1DD2のデメリットは、下記2点です。
- アタッチメントが別売
- 圧着アタッチメントは対応していない
EZ1DD2はアタッチメントがすべて別売となっており、欲しいアタッチメントがあれば漏れなく個別購入が必要です。
プロユースで考えるならば、標準付属でキイレスチャックアタッチメントがあったら良かったかもしれません。
またEZ1DD2に使えるATTACH 8のアタッチメントですが、圧着アタッチメントには対応していないのもデメリットです。
せっかく圧着作業を行おうと購入しても、対応していないので注意しましょう。圧着作業に対応しているのはEZ1PD1となっています。
そもそもマルチドライバードリルってどんな工具?
マルチドライバードリルとは、6.35mm六角軸ドライバービットと多彩なアタッチメントを使用できるドリルドライバーです。
インパクトドライバーにも対応している、マルチインパクトとは異なる点に注意しましょう。インパクトは打撃がある一方で、ドリルは打撃がありません。
ここでいうドリルドライバーは、穴あけ専門の工具です。使えるアタッチメントも、回転で穴を開ける作業が中心となっています。
内装関係や設備関連の工事を行う方の場合、こういった穴あけ作業が非常に多いです。
そのため国内であれば、パナソニックが電工用途向けに特化した製品を多く販売しています。
例えば既存の設備がある状態で作業場所が狭い場合、タップ立てに苦労するシーンがあるでしょう。
そういった場合にアングルアタッチメントを使えば、狭い場所でもタップ立てが行いやすいです。
天井から配線通しで穴を開ける際も、スミ打ちアタッチメントでギリギリを攻められます。
キーレスチャックアダプターを使えば、金工からユニバーサルホルソーまで幅広く使用できるでしょう。
多くの作業でいちいち工具を取り替えるよりも、アタッチメントを取り替えたほうが早くてスムーズです。
そのため1つの現場で多くの作業をこなしたり、複数の作業を進行したりする場合にマルチドライバードリルは役立ちます。
まとめ
今回はボッシュのGSR18V-90FCとパナソニックのEZ1DD2の違いを中心に解説してきました。
この他にも電動工具については、まだまだ知っておきたい知識がたくさんあります。
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