NEWS
新着情報

グリスガンのメリットとデメリット、使用時の注意点について解説します

ハンズクラフトのロゴ

ハンズクラフト西日本最大級の工具専門リユースショップです。

ハンズクラフト【工具専門】西日本最大級の総合リユースショップです。

当店は創業20年以上、工具・家電を中心に扱うリユース専門館です。お買取りした中古品を綺麗にメンテナンスして新たな価値を吹き込み、福岡・北九州地域を中心に沖縄や山口・広島まで12店舗を展開中です。各記事は工具専門のスタッフや、工具・家電の修理専門部門が監修・執筆しています。

皆さんは、グリスガンについてご存知でしょうか。

グリスガンは機械の可動部分に潤滑剤を供給するための専用工具で、自動車やバイクをはじめとする製品から、種類によっては、建設機械や農業機械、産業機械といった幅広い分野でも使われています。

そんなグリスガンですが、「具体的な用途のイメージがつかない」「どういった場合に必要なの?」と疑問に感じる方が多い工具のひとつです。

ということで今回は、グリスガンの具体的な用途や使用時の注意点、導入するメリットやデメリットなどを中心に解説していきたいと思います。

グリスガンに興味がある方は、ぜひ最後まで読んで参考にされてみてください。

グリスガンとは?用途について

機械の性能を維持しつつ寿命を延ばすため、定期的な潤滑が欠かせません。そこでグリスガンを使うと、効率よくグリスを給脂できます。

本項目では、グリスガンのおもな用途を3つの分野に分けてまとめました。

自動車・バイクのメンテナンス

自動車やバイクの整備では、グリスガンは欠かせない工具の一つです。とくに以下のような部分のメンテナンスに使用されます。

  • ドライブシャフト
  • サスペンションリンク
  • ステアリングシステム
  • ボールジョイント
  • ホイールベアリング

トラックのような大型車両もきちんとグリスアップをしないと、異音やガタつきの原因になります。

近年の自動車はグリス封入式の部品が一般的なものの、古い型式の自動車は定期的なグリスの注入でパフォーマンスが安定します。

バイクのホイールベアリングにグリスアップする際は、ベアリングシールを外さなくてはなりません。その際、シールを変形させないように注意しましょう。

自動車・バイクのメンテナンスに適したグリスは、シャーシグリスやリチウムグリス、シリコングリスがあります。

用途に合わせて適切なグリスを選ぶのがなによりも重要です。

建設機械・農業機械のメンテナンス

建設機械や農業機械は過酷な環境下で稼働するため、定期的な潤滑が必要です。グリスガンを使って、以下のような部分にグリスを供給します。

  • 旋回ベアリング
  • シリンダーピン
  • アームブッシュ
  • トラックローラー

建設機械のメンテナンスでは、高品質のリチウムグリスに二硫化モリブデンを配合したグリスが使用されます。

二硫化モリブデンが金属面に付着するため、油切れや荷重から起こるかじり、摩耗、焼付を防止できる仕組みです。

トラクターやコンバイン、田植え機といった農業で使用される機械のメンテナンスにも、グリスガンは活躍します。

建設機械と同様に過酷な環境下で使用される点から、適切なグリスアップが機械の寿命を延ばすためには欠かせません。

グリスアップの際は、指定された部位以外は脱脂しないように注意が必要です。また異なる種類のグリスを混ぜないようにしましょう。

混ぜてしまうと分離したり固まったりして、潤滑剤としての性能が落ちる場合があります。

建設機械や農業機械のメンテナンスに適したグリスは、リチウムグリスや二硫化モリブデン配合のグリスです。

産業機械のメンテナンス

工場で使用される産業機械のメンテナンスにも、グリスガンは欠かせません。産業機械の可動部には、以下のような箇所があります。

  • 軸受
  • ギア
  • チェーン
  • スライド部

こういった可動部の基幹部分は高い負荷や速度で動作するため、定期的な潤滑が必要不可欠です。

適切なグリスアップを行わないと摩擦によって発熱したり、摩耗が進行したりして機械の性能低下や寿命の短縮につながってしまうでしょう。

産業機械のメンテナンスに使用されるグリスは、高温や高負荷に耐えられる性能が求められます。代表的なものは以下のようなグリスです。

  • リチウム系グリス
  • 二硫化モリブデン配合グリス
  • 耐熱性グリス

上記のグリスは優れた潤滑性能と耐久性を持っており、過酷な条件下でも安定した性能を発揮します。

また産業機械のメンテナンスでは、グリスの種類だけではなく注入量や注入間隔も重要です。

機械の取扱説明書や整備マニュアルに従って、適切なグリスアップを行いましょう。

グリスガンを導入するメリットとデメリット

グリスガンは、幅広い分野で活躍する汎用性の高い工具です。しかしグリスガンを導入する前に、そのメリットとデメリットを理解しておく必要があります。

とくにデメリットの理解は作業品質だけではなく、致命的なエラーを防止するのにも役立つでしょう。

メリット

グリスガンを導入すると、機械のメンテナンス時に以下のようなメリットがあります。

  • 作業効率の向上
  • 適切な量のグリス注入
  • 手の届きにくい場所へのグリス注入

グリスガンを使用すると、手作業に比べてグリスの注入作業を効率化。作業時間の短縮により、ほかの作業に時間を割り振れます。

また必要な量のグリスを正確に注入できるのも、大きなメリットの1つです。手作業ではグリスの量が多すぎたり、少なすぎたりすることがあります。

グリスガンを使って適切な量を供給できるほか、グリスの無駄を削減。余計なコストもかかりません。

そして機械の奥深くにある可動部品、手が届きにくい場所へのグリス注入にもグリスガンが役立ちます。

ノズルを使って狭い隙間にグリスを送り込めるため、メンテナンスの質が向上。作業者の肉体的な負担も軽減できます。

デメリット

グリスガンを導入すると多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。

まず初期コストがかかる点。とくにエアー式やバッテリー式のグリスガンは、手動式と比べて価格が高くなる傾向です。

グリスニップルの形状に合わせたノズルやホースの購入も必要な場合があり、初期コストがかさんでしまいます。

またグリスガンを使用する際は、適切なグリスを選ばなくてはなりません。

例えばシリコングリスは金属同士の潤滑に向いていないため、使用箇所によってはグリスの種類が制限されます。

異なる種類のグリスを混ぜると性能が低下したり、固まったりする恐れがあるため注意が必要です。

そしてグリスガンを長期間使用していると、内部にグリスが詰まるトラブルも発生してしまうでしょう。

定期的なメンテナンスを行わないと、グリスの注入がスムーズにいかなくなる可能性があります。

グリスガンの種類と特徴について

グリスガンは用途や作業環境に応じて、さまざまな種類が存在します。

大きく分けると下記3つのタイプです。

  • 手動式
  • エアー式
  • 電動・充電式

それぞれの特徴を理解すると、作業に最適なグリスガンを選びやすくなるでしょう。ここでは各タイプのグリスガンの仕組みや利点、欠点について詳しく解説します。

手動式グリスガン

手動式グリスガンは、もっともシンプルで基本的なタイプです。レバーを握る力でグリスを押し出す構造になっており、使い方がかんたんで扱いやすくなっています。

  • レバーを握る力の強さに応じて、グリスを送り込む圧力と速度を調整できる
  • 外部機器への接続が不要で、電源のない場所でも使用可能
  • 比較的安価で、メンテナンスもかんたん
  • グリスの充填方式には、カートリッジ式と手詰め式がある

手動式グリスガンには、ストレートタイプとピストルタイプの2種類があります。

ストレートタイプはシンプルな形状で、片手で操作しやすいです。狭い場所での作業に最適。

ピストルタイプはグリップ部分が曲がっており、力を入れやすいです。大型機械のメンテナンスに使うと良いでしょう。

手動式グリスガンは、シンプルな構造と使いやすさが魅力です。電源が不要でメンテナンスもかんたんなため、幅広い用途で活躍します。

ただし大量のグリス注入には向いていないので、用途に合わせて選んでください。

エアー式グリスガン

エアー式グリスガンは、圧縮空気を動力源とするタイプのグリスガンです。

コンプレッサーと接続して使用するため、大量のグリスを連続的に注入できます。

  • 圧縮空気の力でグリスを押し出すため、手動式よりもラクに作業ができる
  • 大量のグリスを連続的に注入できるので、作業効率が高い
  • エアー圧を調整し、グリス注入量や速度を調節できる
  • 手の届きにくい場所や、狭い箇所へのグリス注入に適している

エアー式グリスガンはドラム缶に直接接続するタイプと、グリスを充填するタイプの2種類があります。

ドラム缶接続タイプは、大量のグリスを使用する工場で活躍。グリスの補充が実質不要です。

グリス充填タイプなら、ドラム缶がない場所でも使用できます。ただしグリスの補充が必要です。

基本的な使い方は、エアーコンプレッサーとグリスガンをホースで接続。グリスガンのノズルを機械のグリスニップル(注入口)に差し込みます。

あとはエアーコンプレッサーを起動し、グリスガンのトリガーを引いてグリスを注入するだけです。

エアー式グリスガンは、大量のグリス注入が必要な場面で威力を発揮します。コンプレッサーが必要なため、導入コストが高くなる点には注意しましょう。

またエアー圧の調整には慣れが必要で、圧力が高すぎるとグリスが飛び散ってしまいます。慎重な取り扱いが必要です。

電動式・充電式グリスガン

電動式・充電式グリスガンは、モーターの力でグリスを押し出すタイプです。手動式やエアー式と比べて作業者の負担が少なく、効率的にグリスを注入できます。

  • モーターの力でグリスを押し出すため、作業者の手や腕への負担が少ない
  • ボタンを押すだけでグリスを連続的に注入できるので、作業効率が高い
  • コードレスタイプが多く、電源のない場所でも使用可能
  • グリス吐出量や圧力を調整できる機種もある
  • 価格は手動式やエアー式と比べて高めだが、作業効率を考えると費用対効果は高い

電動式・充電式グリスガンには、大きく分けて2種類があります。

まずコード式といわれる、電源コードを接続して使用するタイプです。長時間の連続使用に適しています。

次に充電式。バッテリーを内蔵し、充電して使用するコードレスタイプです。場所を選ばず使用できます。

電動式・充電式グリスガンは大量のグリス注入が必要な場面や、連続作業が求められる場合に威力を発揮するタイプです。

手の届きにくい場所や、狭い箇所へのグリス注入にも適しています。

ただし初期投資が高くなる点や、バッテリーの充電に時間がかかる点には注意が必要です。

用途や作業量に応じて手動式やエアー式とのメリット・デメリットを比較しながら、最適なグリスガンを選びましょう。

グリスガン使用時の注意点について

グリスガンは適切に使用すれば機械の性能を維持し、寿命を延ばせます。

しかしグリスガンを使用する際には、安全面と適切な使用方法に十分な注意が必要です。

ここではグリスガンを使用する上で重要な、2つの注意点について詳しくまとめました。

安全面での注意点

グリスガンを使用する際は、安全面での注意が必要不可欠です。以下のような点に気を付けましょう。

  • 保護具の着用
  • 人への向け禁止
  • 過剰な圧力の禁止
  • 異物混入の防止

グリスガンを使用する際は潤滑剤が高圧になっているため、必ず保護用の安全眼鏡と手袋を着用してください。

またグリスガンは、グリスを高圧で吐出します。自分の手または人に向かって吐出させると重傷となる恐れがあるため、絶対に人に向けないでください。

グリスガンのレバーの動きが重い(普段と比較して異常に強い力が必要)とき、ニップルの点検が必要です。無理に圧力をかけると、故障の原因になります。

そしてグリスにほこりや砂が混入した状態でグリスアップすると、グリスに巻き込まれたほこりや砂粒がヤスリのように機械を傷つけるかもしれません。

グリス内にゴミが混入しないように注意し、給油口のニップルに泥・砂が付着しないよう確認・清掃してください。

以上のような安全面における注意点を守れば、グリスガンによる事故や怪我を未然に防げます。適切な保護具の着用と、慎重な取り扱いを心がけましょう。

適切な使用方法

グリスガンを適切に使用すれば機械の性能を維持し、寿命を延ばせます。以下のような点に気を付けて、正しい方法でグリスガンを使用しましょう。

  • 異種グリスの混合禁止
  • ニップルへの垂直接続
  • 適切な注入圧力の維持
  • 定期的なメンテナンス

古いグリスと新しいグリスを混ぜないようにしてください。鮮度が異なる種類のグリスを混ぜると、性能が低下したり固まったりする恐れがあります。

グリスを交換する際は古いグリスを完全に取り除いてから、新しいグリスを注入しましょう。

グリスガンのノズルは、グリスニップル(注入口)へ垂直に押し当てながら給脂してください。斜めに接続してしまうと、グリスが漏れる原因になります。

ノズル先端キャップの緩みがないことを確認し、ノズルがニップルに対して真っ直ぐに接続されているか確認しましょう。

またグリスガンのレバーの動きが重い(普段と比較して異常に強い力が必要)ときは、ニップルを点検してください。無理に圧力をかけると、故障の原因になります。

グリスガンの操作が重かったり、グリスが先端部から漏れたりする場合、原因を取り除いてから給脂してください。

そしてグリスガンを長期間使用していくには、定期的なメンテナンスが必要です。使用後はノズル部分を清掃し、適切な手入れを行う必要があります。

以上のような適切な使用方法を守れば、グリスガンを安全かつ効果的に使用できるでしょう。

事前に取扱説明書もよく読み、正しい方法で使用すれば問題は未然に防げます。

まとめ

今回はグリスガンの具体的な用途や使用時の注意点、導入するメリットやデメリットなどを中心に解説していきたいました。

この他にもDIYや電動工具に関する知っておきたい知識は、まだまだあります。

ぜひ、その他の関連記事も読んで参考にされてみてください。