ブレーキオイルとは?オイルの種類や交換時期、目安などを解説します
目次
ハンズクラフト西日本最大級の工具専門リユースショップです。
ハンズクラフト【工具専門】西日本最大級の総合リユースショップです。
当店は創業20年以上、工具・家電を中心に扱うリユース専門館です。お買取りした中古品を綺麗にメンテナンスして新たな価値を吹き込み、福岡・北九州地域を中心に沖縄や山口・広島まで14店舗を展開中です。各記事は工具専門のスタッフや、工具・家電の修理専門部門が監修・執筆しています。
皆さんはブレーキオイルの正しい交換時期や目安についてご存知でしょうか。
ブレーキオイルは車を安全に使用するためには欠かせないパーツです。
そこで今回はブレーキオイルについて基礎知識からオイルの種類、本題である交換時期などを中心に解説していきたいと思います。
これからブレーキオイルの交換を予定されている方は、ぜひ最後まで読んで参考にされてみてください。
ブレーキオイルとは
ブレーキオイルとは、ブレーキを適切に作動させるためのオイルで、別名「ブレーキフルード」と呼ばれています。
一般的な車にはこのブレーキフルードを使用する、「油圧式ブレーキ」が採用されています。
この油圧式ブレード方式は、ドライバーがブレーキペダルを踏むことでその力をブレーキーブースターを経由することで増幅し、マスターシリンダーがその力を受け取り、各所へ伝達する仕組みです。
つまりブレーキフルードを使用する油圧式ブレーキは、力が弱い方でも強い制動力を得られるのがメリットが得られます。
ちなみに、自転車のようなワイヤー式だと車を制動させるほどの力は出せないと言われています。そのためほとんどの車にはブレーキオイル(ブレーキフルード)が使われています。
また余談ですが、正確な表現をお伝えすると、ブレーキオイルは「オイル」とありますが油ではありません。
ブレーキフルードはポリエチレングリコールモノエーテルをベースに作るため、油とは異なります。あくまでフルード(液体の意)です。
※以前は鉱物油が使用されたものもありました。
ただし当記事では分かりやすく、ブレーキオイルとしてご紹介します。
ブレーキオイルの種類について
次にブレーキオイルの種類について解説していきます。
ブレーキオイルの種類は大きく分けると下記3種に分かれます。
- グリコール系
- シリコーン系
- 鉱物油系
グリコール系は現在もっとも主流なブレーキオイルで、ポリエチレングリコールモノエーテルというものが使われています。
このグリコール系は吸湿してしまった場合、エステル結合が加水分解されて遊離水を減らせるのがメリットです。
ほかにも規格があり、DOT3~DOT5でドライ沸点とウェット沸点、粘度の違いが分類されています。(今回は割愛)
シリコーン系はジメチルポリシロキサンというものが使われていて、レース車両に使われることが多いです。
吸湿性がないので基本性能が高く、塗装を侵しません。2005年位前のハーレーに使われていた経緯があります。
鉱物油系は現在ほぼ使われておらず、見かけることはあまりないでしょう。
シトロエンのハイドロニューマチックシステムでは、構造上オイルポンプを潤滑するために鉱物油系が使われます。
ブレーキオイルの交換が必要な理由
ブレーキオイルは長く使っていると、徐々に劣化が始まってブレーキも効かなくなります。
そのため交換はブレーキオイルは定期的な交換が必要です。では、交換しないとどういった状態になるのか、この章では詳細に解説していきます。
ブレーキオイルを交換しないとどうなる?
ブレーキオイルは、車両を制動させるために必要な伝達物質です。油圧式を採用しているため、油圧がブレーキシステムを作動させます。
つまりこのブレーキオイルが劣化してしまうと、ブレーキの効きに直結してしまいます。
効きが悪くなると、とっさのときに止まれなくなり、非常に危険です。
しかし見た目には密閉されているため、そのまま使用しても問題ないのでは?と思われるかもしれません。
実はブレーキオイルは吸湿性があり、空気中の水分やチリを吸収して劣化していくものです。黙っていても品質は悪くなってしまいます。
劣化した場合、ブレーキオイルの沸点が低くなっていくのは避けられません。ブレーキシステムは制動のために摩擦が発生し、強い熱を持ちます。
沸点が低くなったオイルは熱にさらされて気泡が発生。この気泡が油圧で圧力をかけた際にクッションの役割を果たし、制動力に影響を及ぼします。
※この現象のことをベーパーロック現象と言います。
長く使用していると劣化は避けられないため、定期的な交換が必要です。ブレーキが効かなくなれば、大事故につながってしまうでしょう。
ブレーキオイルの交換忘れに罰則はある?
ブレーキオイルの交換忘れには、直接的な罰則はありません。
しかし整備不良で事故を起こした場合、管理していなかった点から罪に問われる可能性があります。
道路交通法には「整備不良車両の運転禁止」というものがあり、「道路運送車両の保安基準」を満たした車じゃなければ運転できないのです。
車検で整備不良はバレてしまうため、ブレーキオイルの交換忘れで危険な状態のまま通過する可能性はありません。
またブレーキオイルを交換し忘れたまま使っていると、ブレーキ内部にサビが発生しやすくなります。
するとピストンの固着が発生し、ブレーキが軽く効いたまま走行してしまうこともあるでしょう。(ブレーキの引きずり)
一般的な車検代行を依頼すれば、必ずこういった項目は確認されます。ひどい状態であれば交換を強く打診されますので、未交換のまま車検に通すことはありません。
可能なら車検のたびに交換しておけば、安心して長く乗れるはずです。
ブレーキオイルを交換し忘れると車検に通らない?
ブレーキオイルを交換し忘れた場合、必ずしも車検に通らない…というわけではありません。
例えばユーザー車検と言って、ドライバー自ら車検を上げる制度があります。ここに何も整備をしないまま、持ち込んだとしましょう。
しかし車検場ではブレーキ検査があり、ブレーキオイルの交換忘れで効かない状態なら一発アウトになります。
もし何も問題がない状態であれば、交換し忘れでも車検には通るでしょう。ブレーキオイルが何も問題なくても、ブレーキパッドに問題がある場合も通りません。
ただユーザー車検を活用するドライバーであれば、そういった項目は事前に検査したり交換したりしています。
車検代行を依頼する際も必ずチェックする場所なので、交換し忘れる事態は起こりにくいです。
交換しなかったとしても、交換を推奨して断られたか、交換の必要性を感じなかった場合になります。
定期的に交換が必要な車用オイルについて
車用のオイルには、定期的に交換が必要なものがいくつかあります。具体的には下記の5つです。
- エンジンオイル(オイルフィルター)
- ブレーキオイル
- オートマチックフルード(ATF)
- ミッションオイル・デフオイル
- パワステフルード
- LLC
エンジンオイルは多くの方がご存知の、エンジン内部の潤滑に使われるオイルです。このオイルは人間でいう血液と同じ。
もしエンジンオイルを交換しなければ、すぐに寿命が来てしまうでしょう。
ブレーキオイルは本記事で紹介した、ブレーキの作動に関わるオイルです。
オートマチックフルードは、変速機に使われるオイルとなっています。現在の車はほとんどオートマ車が主流となっており、ATFの交換は定期的に行わなくてはなりません。
このオートマチックフルードが劣化した場合、変速のスムーズさが失われて燃費も悪化します。
ミッションオイル・デフオイルはマニュアル車やFR車、四輪駆動車のギヤボックスに使うオイルです。
それぞれ20,000kmや40,000kmと、長いスパンでの交換をしなくてはなりません。
ブレーキオイルの交換時期について
ブレーキオイルは、一般的に1~2年ごとの交換が推奨です。車検時に交換されることが多いでしょう。
車検が来なくても、20,000kmが来たら交換しておいたほうが良いです。できるだけ定期的に交換しておかないと、そのまま忘れてしまうかもしれません。
とはいえブレーキオイルの交換をしなくても、ある日急に効かなくなった!という急速な劣化は起きないです。
ゆっくり性能が低下していくので、少しずつ効かなくなってきます。
また年間で50,000kmも乗るようなハードワーカー、レース使用であれば1年ごとに交換したほうが良い場合も。
一般的な使用であれば、車検ごとの交換で問題ないでしょう。
ブレーキオイルの交換目安について
交換する目安は3つあり、それぞれ該当する項目で選択するのがおすすめです。
- 使用期間
- ブレーキオイルの色
- ブレーキオイルの残量
それぞれどこの劣化が早いか、総合的に判断してみてください。少しでも不安に思うことがあれば、自己判断せず最寄りの検査場に持ち込みましょう。
目安①:使用期間
ブレーキオイルの使用期間は、年数とキロ数の2つで判断してみてください。
- 1~2年
- 20,000km
どちらか早い方で判断すれば、確実に劣化を防げます。もし半年で20,000km以上乗る場合、半年であっても交換するのがおすすめです。
交換するのに抵抗があるなら、次の項目にある「ブレーキオイルの色」も参考にしてみてください。
目安②:ブレーキオイルの色
ブレーキオイルの色は、新品だと鮮やかな黄色となっています。明らかに新品だとわかる色合いとなっており、キレイさがひと目で分かるはずです。
使用頻度が上がると空気中の水分を吸湿し、徐々に茶色~黒っぽい色へと変化していきます。
使用していて問題がなければ使用期間を見て、ブレーキオイルの色も見てから総合的に判断してみてください。
またブレーキオイルの確認箇所は、ボンネットを開けたリザーバータンクです。
リザーバータンクが分からない場合、詳しい方に聞くか、「車種名+リザーバータンク」で調べれば画像が出てきます。
このリザーバータンクを見れば、ブレーキオイルの残量も確認可能です。
目安③:ブレーキオイルの残量
車のボンネットを開けたところに、ブレーキオイルが入っている「リザーバータンク」があります。このリザーバータンク内にブレーキオイルが十分入っていれば、ある程度性能には問題がありません。
しかしブレーキオイルの残量が少ないと、ブレーキシステムを正常に動作させられません。
リザーバータンクを見てみるとメモリが付いており、「MAX」や「MIN」のラインが記されているはずです。
このライン内に収まっているかどうか、多すぎず少なすぎずの状態かを確認しましょう。
どうしても不安な場合は一度最寄りのカー用品店、ディーラーや検査場に相談してみてください。
まとめ
今回はブレーキオイルについての基礎知識やブレーキオイルの種類、交換時期や目安などを中心に解説していきました。
この他にもまだまだ知っておきたい知識はたくさんあります。
ぜひ、その他の関連記事も読んで参考にされてみてください。
関連記事
不要な工具は
ハンズクラフトへ
工具専門で20年
買取価格に自信があります!
大切な工具だからこそ、工具専門店にお任せください。