ブレーキフルードとは?種類や規格の違い、おすすめメーカーなどを紹介します
目次
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皆さんはブレーキフルードついてご存知でしょうか。
これからブレーキフルードを購入しようと思っている方には、規格や種類についての知識は絶対に知っておきたい知識です。
ということで今回は、ブレーキフルードについて解説していきたいと思います。
ブレーキフルードのおすすめメーカーの一覧と製品特徴について解説していきますので、ぜひ、最後まで読んで参考にされてみてください。
ブレーキフルードとは?用途について
ブレーキフルードはブレーキオイルの別名のことで、自動車などを安全に使用するためには欠かせないアイテムの一つです。
一般的な車のブレーキの種類は「油圧式」と呼ばれるオイルの圧力を利用して、ブレーキ力を増幅させる種類のパーツが搭載されています。
そして、そのブレーキの仕組み上、必要になるオイルが「ブレーキフルード(ブレーキオイル)」です。
ブレーキフルードは「吸湿性」の高い性質をもっているため、だんだんと空気中に含まている水分を吸収することで沸点が低くなり、本来の機能を果たさなくなっていきます。
ここでみなさんも疑問に感じたのではないでしょうか。「なぜ、沸点が低いとブレーキフルードとしての役割を果たせなくなるのか?」と。
その答えは、ブレーキフルードが液体であることが起因しています。
実はブレーキフルードは液体であるため、沸点が低いと蒸発してしまいブレーキが効かなくなってしまいます。
そのため、劣化してしまったブレーキフルードは、本来の役割を果たせないため、すぐに交換する必要があります。
ブレーキフルードの種類と主成分の違い
ブレーキフルードは現在、一般的に使われている種類が2つあります。
以前まで鉱物油系もありましたが、求められる性能にマッチしないためほぼ使われていません。
ではブレーキフルードの種類、グリコール系とシリコーン系について解説します。
グリコール系
グリコール系はもっとも一般的に、広く使われているものです。主成分はポリエチレングリコールモノエーテル。
吸湿しやすい性質があるものの、吸湿しても沸点が比較的高めです。とはいえ水分が入ったとしても、エステル結合によって水分が減少。
ブレーキ液として非常に適した性質があります。溶解性に優れるのでベースオイルと親和性が高く、多様な温度範囲でも粘度の変化が少ないです。
沸点が高いのも、特徴の1つ。ブレーキシステムは常に高温となるため、沸点が低いブレーキフルードだと内部に気泡が出来てしまいます。
この気泡がブレーキ時のクッションを作ってしまうので、制動力に影響を及ぼすのです。
メチル系とブチル系を配合し、適度なゴム潤滑性を調整したものが使われます。
グリコール系は塗装を痛めてしまうため、付着した場合は速やかに除去しなくてはなりません。
シリコーン系
シリコーン系はグリコール系と比較し、高い沸点と低粘度が特徴的。この性質から、レース車両のような高い性能を発揮するブレーキに使われます。
主成分はジメチルポリシロキサンです。グリコール系よりも吸湿性がないため、水滴が残ってしまうデメリットもあります。
つまり水分が混入してしまうと水滴が沸騰したり、凍結したりするリスクがあるので注意しなくてはなりません。
シリコーン系は塗装を侵さない一方で、ブレーキシステムのシールといったゴム類を侵す特性があります。扱いには注意が必要です。
種類の異なるブレーキフルードが使用できない理由
ブレーキフルードにはグリコール系、シリコーン系と規格があります。基本的に同じ規格内であれば、混ぜても大きな問題にはなりません。
しかしグリコール系とシリコーン系を混ぜると分離するため、混合して使用することはできない点に注意してください。
例えば2005年位前のハーレーだと、シリコーン系のDOT5を使用しています。
2006年以降からはグリコール系のDOT4になっているため、うっかり混ぜてしまうと大変に危険です。
分離したブレーキフルードはブレーキが効かなくなったり、トラブルを引き起こしたりして事故の原因となります。絶対に辞めましょう。
ブレーキフルードの規格と用途の違いについて
ブレーキフルードには規格があり、用途も異なります。具体的には沸点を基準として、3段階のランク付けをしているのが特徴です。
※厳密にはDOT5.1も入れて4段階。ちなみにDOTはDepartment Of Transportationの略。
それぞれ解説と、用途についてお伝えしていきます。
DOT3の特徴と用途
DOT3は下記の特徴となっています。
- ドライ沸点205℃以上
- ウェット沸点140℃以上
DOT3はもっとも標準的と言われ、多くの場合はDOT3を選んでおけば問題がない性能となっています。
使われている主成分はグリコール系です。
DOT4の特徴と用途
DOT4の特徴は下記のとおりです。
- ドライ沸点230℃以上
- ウェット沸点155℃以上
DOT4はDOT3よりも性能が高くなっており、スポーツ走行をする方向けに最適です。
一般的な走行だけではなく、ブレーキを多用するならDOT4を選びましょう。主成分はグリコール系ですので、吸湿性があります。
DOT5.1の特徴と用途
DOT5.1は、下記のような特徴を備えています。
- ドライ沸点260℃以上
- ウェット沸点180℃以上
非常に高性能で、グリコール系ブレーキフルードの最高位と獲得しています。
もともとこの性能はグリコール系以上の性能を備えた、シリコーン系に使われているグレードでした。
しかし近年では品質が上がり、グリコール系でも同様の指標を達成しています。
シリコーン系と区別するため、グリコール系はDOT5.1の表記です。ハードなスポーツ走行をするならDOT5.1を選ぶと良いでしょう。
DOT5の特徴と用途
DOT5の特徴は下記のとおりです。
- ドライ沸点260℃以上
- ウェット沸点180℃以上
DOT5はDOT5.1と同じ性能を備えていますが、主成分がシリコーン系となっています。
シリコーン系ですので吸湿性がありません。とくに高い性能を求める方は、DOT5のブレーキフルードを選ぶのがおすすめです。
規格の選び方
それぞれ規格の選び方として、おおよその基準を下記にまとめました。
- DOT3:街乗りメイン。もっとも標準的。
- DOT4:スポーツ走行。価格重視。
- DOT5.1:ハードなスポーツ走行。性能重視。吸湿性も求める。
- DOT5:ハードなスポーツ走行。とにかく性能重視。
ほとんど数字が上がれば性能は上がり、自身の求めている走行状態に合わせて使用していけるでしょう。
ただしドライ沸点が高いものほど、劣化が早いと見ておいてください。
グレードが上がれば価格も高くなるため、スポーツ走行をする方でバランス感が良いのはDOT4あたりです。
ドライ沸点、ウェット沸点、粘度について
ドライ沸点は名前にドライが付くとおり、吸湿率がゼロ(つまり新品)状態での沸点を指します。
買ったばかりであれば、DOT3なら205℃以上じゃないと沸騰しない状態です。
ウェット沸点は反対に吸湿率が高まっている状態を指します。具体的には吸湿率3.7%時(1~2年使用したときの劣化状態を想定)です。
粘度はブレーキフルードの固さを表し、数値が大きくなるほど固くて流動性は悪くなります。
ブレーキフルードのおすすめメーカーの一覧と製品特徴
実際にどんなブレーキフルードを選べばいいか、迷ってしまうこともありますよね。
そこでこの項目では、おすすめブレーキフルードのメーカーと製品の特徴をまとめました。
古河薬品工業
古河薬品工業は高品質なケミカル製品を一貫で製造する、総合自動車用ケミカル製品メーカーです。
一貫体制なので品質が高く、高コストパフォーマンスの製品が特徴的。ご紹介するブレーキフルードは「BF-4 58-102」です。
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BF-4 58-102 |
メーカー |
古河薬品工業 |
規格 |
BF-4(DOT4相当品) |
ドライ沸点 |
260℃以上 |
ウェット沸点 |
155℃以上 |
価格 |
1099円 |
古河薬品工業の「BF-4 58-102」は、DOT4相当品のブレーキフルードです。日本規格の「BF-4」となっていますが、品質は同等となっています。
非常に安価で性能が高く、コストパフォーマンスの高さから躊躇せず使えるのが特徴です。
人気が高い上にお試しとして、DOT4を入れてみたい方にもおすすめできます。
ワコーズ(WAKO’S)
ワコーズは株式会社和光ケミカルのブランドで、日本国内に広く流通する潤滑油やカーケア・メンテナンス系に強みを持っています。
こちらも日本規格のBF-4、DOT4相当のブレーキフルード「BF-4」がおすすめです。
|
ワコーズBF-4 |
メーカー |
株式会社和光ケミカル |
規格 |
BF-4(DOT4相当品) |
ドライ沸点 |
265℃ |
ウェット沸点 |
170℃ |
価格 |
2639円 |
ワコーズのBF-4は粘度が少し高めに設定されており、DOT4相当の中では高性能なブレーキフルードとなっています。
やや寒冷地向けではないものの、あらゆる状況でのスポーツ走行に最適です。
DIXCEL(ディクセル)
DIXCELは日本のメーカーによるブランドで、高性能なブレーキパッド&ローターを販売しています。
ブレーキに関わるブランドのため、ブレーキフルードの開発も得意です。おすすめするブレーキフルードは、「DIXCELブレーキフルードDOT5.1」となっています。
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DIXCELブレーキフルードDOT5.1 |
メーカー |
株式会社ディクセル |
規格 |
DOT5.1 |
ドライ沸点 |
269℃ |
ウェット沸点 |
187℃ |
価格 |
1990円 |
グリコール系最上位のDOT5.1、しかも安価に購入できるブレーキフルードです。
DOT4を使っている方からも、高性能フルードへの乗り換えで選択される方が多い製品となっています。
DOT5.1は寒冷地での高い能力も発揮できる仕様になっており、サーキットでの利用も問題ありません。
まとめ
今回は、ブレーキフルードについて解説していきました。
この他にも関連パーツや電動工具について知っておきたい知識は、まだまだあります。
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