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水中ポンプの選び方や種類、陸上ポンプとの違いについて解説します

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水中ポンプは種類が多いため、選び方が分からない人も多いのではないでしょうか。

用途や扱う液体、浮遊している(砂・泥・ゴミ)などによって、適した水中ポンプの種類やスペックは異なります。

また、水中ポンプの選び方を誤ると故障の原因にもなるため、水中ポンプの種類と種類ごとの最適な使い方は必要最低限の知識となっています。

ということで今回は、水中ポンプの選び方や種類、陸上ポンプとの違いを中心に解説していきたいと思います。

その他にも、水中ポンプのおすすめメーカーと製品の特徴」紹介していきますので、これから導入を検討している方は、ぜひ最後まで読んで参考にされてみてください。

水中ポンプとは?どんな用途で使用する?

水中ポンプとは本体を水中に沈め、その場で水やその他の液体を放出できるポンプです。

主に水をはじめとした液体の揚水、目的の場所まで移送する目的で使われます。

本体が水中に入っているため騒音が気にならず、市販されているほとんどが電動式のため使い勝手に優れたアイテムです。

種類も家庭用から業務用まで豊富にあり、畑での散水や水槽の水換え、畜産業での汚物処理、工事現場での泥水や汚水の排水など様々なシーンで活用されています。

次章からは、具体的な水中ポンプの種類と使い方を紹介していきます。

水中ポンプの種類とそれぞれの使い分け

水中ポンプは大きく5つに分類されます。それぞれの特徴と使い分けを理解し、用途にぴったりの水中ポンプを見つけられるようになりましょう。

家庭用(清水用)水中ポンプ

家庭用水中ポンプは固形物が混じったり、濁ったりしていない「清水」のくみ出しを前提に開発されたアイテムです。例えば、水道水や風呂の残り湯、砂利や汚れが混じっていない川の水などが清水に相当します。

電動式がメインで、主に以下の用途で使用されています。

  • 庭や花壇、家庭菜園の散水・水やり
  • 残り湯を洗濯物に再利用
  • 池や水槽の水換え
  • 井戸水の引き上げ

ただし、一定の温度を超えた液体を吸い上げると変形する恐れがあるため、用途に応じて高温の液体に対応するか確認する必要があります。

汚水用水中ポンプ

汚水用水中ポンプは家庭用と異なり、細かい砂や多少の泥が混じっても使用できます。
ただし、ゴミや石など大きい固形物がある場所には適していないので、使用時の見極めは必要です。

汚水用水中ポンプは、田畑や雨や台風の多い時期の排水などに利用されます。

  • 田畑への農業用水の引き込み
  • 田畑の水位調整をするため水を排出
  • 豪雨や台風後の雨水・汚水の排水

また水中ポンプに水をくみ上げる能力が必要になりますが、川・池・用水路など田畑よりも低い位置にある場所からの引き上げにも適しています。

工事排水用水中ポンプ

土砂や泥などの固形物以外にも、ゴミや枯れ葉などが多少混入しても使用できるため、工事現場や浮遊物の多い池や河川の排水に適しています。

浮遊物が多い場所については、浮いているものが大き過ぎなければ、先に説明した汚水用水中ポンプでも対応できる場合もあるでしょう。

ただ、表面に見えないだけで、吸い込めないサイズの浮遊物が隠れている場合があるので、故障のリスクを減らすため可能な限り工事排水用を使うことをおすすめします。

掘削作業後に溜まった濁水、穴を開けた箇所に溜まった土砂混じりの雨水を排出し、工事の進捗に支障をきたさないように使われるケースが多いです。

底水用水中ポンプ

底水用水中ポンプの場合は水位が低い場所でもくみ上げできることから、低水位ポンプと呼ばれる場合もあります。

水中ポンプは一定の水位がないと通常は使用できません。

水中ポンプは水量が少なくなったり、水位が低くなったりすると電源が切れてしまう場合も多いです。

一般的な水中ポンプは本体に土台がついているため、一定の水量まで減ると吸い上られなくなります。底水用水中ポンプは土台がないため、ポンプの底から水位が1~2mmあれば揚水できるタイプもあり、主に土木工事の残水処理に使用されます。

腐食性用水中ポンプ

腐食性水中ポンプは海水や化学薬品など金属を腐食させる液体の揚排に使用します。

主に特殊フッ素ゴムやチタンを材質にしており、ポンプの材質によって対応できる液体は異なるので、腐食性のある液体に合った材質を選ぶ必要があります。

腐食性水中ポンプを購入する場合は、事前に材質をチェックするようにしましょう。

水中ポンプと陸上ポンプの違い

水中ポンプは本体を水中に沈め、接続しているホースを通して圧送する方式です。

ポンプ本体には吸込み口があり、吐出し口に柔らかめのホース(サニーホース等)をつなぐだけで手軽に使用できます。

一方の陸上ポンプは本体を陸上に設置し、液体や液状物質を吸い上げる目的で使用します。

例えば、工事現場で溜まった排水や排泥を取り除くために使ったり、液体を別の容器に移し替えたり液体を循環させるために用いたり、様々な用途で使用できるのが魅力です。

陸上ポンプは吐出し口にサニーホースを装着するだけではなく、吸込み口にもサクションホースをつけて使用します。

両者の主な性能の違いは、以下の通りです。

水中ポンプ

陸上ポンプ

  • 大容量を送るのが苦手
  • 少量を高い位置まで上げるのが得意
  • ポンプを水中に沈めて使うため、冷却不要
  • 大容量を送るのに適している
  • 高い位置まで上げるのが苦手 ※揚程が小さい

陸上ポンプは揚程が小さく、高い位置まで上げるのは基本的に苦手ですが、製品によって10㎝以上上げられる場合もあります。

水中ポンプの選び方

水中ポンプの種類と使い方、水中ポンプと陸上ポンプの違いについて説明してきました。

これまでの知識を前提に、ここからは水中ポンプを選ぶ際にどこに着目すればよいかを解説していきます。

全揚程、吐出量(水中ポンプの能力)

水中ポンプの能力は主に「全揚程」と「吐出量」によって決まります。

全揚程とは、水中ポンプが水面から何メートルの高さ(揚程)まで液体をくみ上げられるかを示した理論的な数値です。吐出量は水中ポンプが一定時間に吐出す水量を指します。

2つの数値には関係性があり、全揚程が高くなるほど吐出量が下がり、逆に吐出量を上げると全揚程が下がります。

このように使用状態によって双方の数値が変動するので、ポンプの性能を見る時は「ポンプの性能曲線」を確認するとよいでしょう。

ポンプの性能曲線は、縦軸に全揚程(m)・横軸に吐出量(m3/min)が表示されているグラフで、双方の関係性を可視化できます。

また、ポンプの性能を把握するには、接続菅を通る際の影響・損失も想定する必要があります。

表記されている全揚程の通りに、ぴったり同じ高さまで汲み上げられるとは限らないので、少し余裕を持った製品を選ぶ意識が大切です。

ちなみに、このポンプが実際にくみ上げられる揚程を「実揚程」といいます。

水中ポンプが対応できる液体の種類

液体は大きく清水・泥水・汚水・海水に分けられ、通常市販されている家庭用の水中ポンプは清水に対応しています。

水中ポンプの種類によって対応可能な液体は異なるので、用途に応じて最適な製品を選びましょう。

選び方を誤ると詰まりや腐食による故障の原因となるので、不安であれば店員に相談して購入することをおすすめします。

電源で選ぶ

電動式の水中ポンプを使用するには、電源が必要になります。ただ、電源にもいくつかのタイプがあるため、用途に応じた使い分けが必要です。

家庭用として使う場合は「単相」、現場など業務用として使う場合は「三相」を選ぶのが一般的です。

単相と三相は交流電源の送り方を指し、単相は1つの波形、三相は3つの単相が組み合わさった波形の電気が段階的に送られてきます。

単相は馴染みのあるコンセントが2つのタイプです。電圧は通常100Vに対応していますが、電力会社に依頼すれば変更でき、単相でも200V対応の製品もあります。

三相は3口のコンセントで、電力が大きく損失も少ないため、工場にある大型機械の動力源として活用されるケースが多いです。

ただ、電力が大きい分だけ安全面に問題があるので、水中ポンプの場合も三相は基本的に業務用として販売されています。

電力は200Vとパワフルなので、高い位置まで水をくみ上げる用途などであれば使い勝手がよいでしょう。

動力源のタイプから選ぶ

水中ポンプは動力の違いによって「電動式・油圧式・フレキ式」に分類されます。

電動式は既に説明したように主に家庭用として使用され、ラインナップも豊富にあります。

油圧式は運転に油圧ユニットが必要になる水中ポンプです。

油圧ユニットとは電動機や油圧ポンプをはじめとした他の部品を一体化したものを指し、タンクに蓄えられた油圧作動油を吸上げて圧力と流量を供給する目的で使用します。

油圧ユニット以外に、他の油圧機器でも代用でき、作業内容によって必要な機材を減らせるメリットがあります。

油圧式は主に工事現場での泥水や汚水の排水、畑での散水など様々なシーンで使用されているのが特徴です。

フレキ式はフレキシブルシャフトを介し、陸上に設置しているエンジンからの動力を伝達して使用する方式です。

油漏れや漏電のリスクが少ないなどのメリットがあり、コストパフォーマンスにも優れています。

自動運転型か非自動運転かで選ぶ

自動運転型は自動でオン・オフを切り替えられるメリットがあります。

フロートスイッチという風船のような形状の部品が本体上下についていて、水位が上昇して上のフロートが浮くくらいになると自動で液体をくみ上げてくれる仕組みです。

逆に、水位が下降して下のフロートが下がり始めるくらいになると自動的に停止します。

非自動運転型はフロートスイッチがついていませんが、水位が低くても揚水を続けられるメリットがあります。

水中ポンプを買うならおすすめしたいメーカー一覧と製品特徴

ここまでの解説を踏まえたうえで、おすすめの水中ポンプメーカーと主な製品を紹介していきます。

寺田ポンプ

寺田ポンプは1950年に「セントラルポンプ」という名称で、自給式ポンプを日本ではじめて実用化したメーカーです。小型水中ポンプや井戸用ポンプをはじめ、一般家庭向けのラインナップも充実させ、幅広いシェアを獲得しています。

中でも「ファミリーポンプ SL-102」は、価格と性能のバランス優れたコストパフォーマンスに定評のある電気コード式の家庭用水中ポンプです。

重量3.4kgの軽さにくわえ、庭や植木への散水、清水用として残り湯の再利用など幅広い用途に使えます。さらに直径5mm以下の砂や泥、小さなゴミが含まれる程度の汚水なら一緒に排水できるのも魅力です。

寺田ポンプ ファミリーポンプ SL-102

サイズ(mm)

幅×奥行き×高さ

136×145×218

重量(kg)

3.4

電源

単相100V

出力(W)

100

周波数

50/60Hz

吐出量(L/min)/全揚程(m)

50HZ : 40/4.2、70/2.2

60HZ : 40/5.5、70/2.6

接続部口径(mm)

25

他にも水槽の掃除や床下浸水時の排水用に使用できるなど、様々なシーンで役立つことからユーザーから高い評価を得ている製品です。

他にも、コンセントが近くになくても使えるバッテリー式の水中ポンプ( S24D-100など)をはじめ、幅広いニーズに応えています。

ナカトミ(NAKATOMI)

長野県に本社があるナカトミは、冷暖房器具やエンジン商品などの販売を手掛ける企業です。

1995年の設立以降、研究開発から生産・アフターサービスまで、一貫して顧客満足を第一に考え提供してきました。

「水中ポンプ PSP-70NS」は安価で軽量な水中ポンプとして、ナカトミの中でも代表的な位置付けの製品です。

ナカトミ(NAKATOMI) 水中ポンプ PSP-70NS

サイズ(mm)幅×奥行×高さ

165×145×275mm

重量(kg)

3.0

電源

単相100V

出力(W)

185W/225W(50/60Hz)

周波数

50/60Hz

吐出量(L/min)

65/75(50/60Hz)

全揚程(m)

6/8(50/60Hz)

接続部口径(mm)

15~25

清水専用なので用途が少し限定されてしまいますが、重量が3kgと軽いうえに吐水量もあるので、お風呂の残り湯を洗濯機に移す際には重宝するでしょう。

120リットルほどの残り湯を1分ほどでくみ上げられたという口コミもあり、安価な割に性能面も申し分ありません。

軽量で女性や年配者でも簡単に清水をくみ上げられる、コスパが良い商品を探している場合は十分に満足できるポンプといえます。

鶴見製作所

鶴見製作所は水中ポンプや環境装置の製造・販売、それに伴う修理を手掛けるメーカーです。

「水と人とのやさしいふれあい」をモットーに、土木や電気工事業をはじめとした幅広い事業を展開しています。

「汚水用水中ポンプ50Hz OM3-50Hz」は接続部が樹脂とステンレスで作られており、高い性能にくわえ手軽に使える製品です。

直径10mm程度の泥や砂程度であれば水と一緒に排出できるため、農業やガーデニングには最適といえるでしょう。

汚水用水中ポンプ50Hz OM3-50Hz

サイズ(mm)
幅×奥行×高さ

203×140×316

重量(kg)

5.9

電源

単相100V

出力(W)

150W

周波数

50HZ

吐出量(L/min)/全揚程(m)

100/4

接続部口径(mm)

32

他には、10mmの水位があれば排水できる低水位排水用「LSR2.4S(50Hz)」も鶴見製作所の制作所の代表的な製品です。

低水位排水用水中ハイスピンポンプLSR2.4S 50Hz

サイズ(mm)
幅×奥行×高さ

210×210×304

重量(kg)

10.5

電源

単相100V

出力(W)

480W

周波数

50HZ

吐出量(L/min)/全揚程(m)

120 /8

最低水位(mm)

10

接続部口径(mm)

50

水を少しも残さず抜きたい場合に活躍するでしょう。目詰まりしても側面のスリットから吸水できる構造になっている点も魅力です。

また、呼び水が不要で便利に使えるため、床下浸水など災害対策としても役立だったという評判もあります。

まとめ

今回は水中ポンプの選び方や種類、陸上ポンプとの違いを中心に解説していきました。

この他にも電動工具についての知っておきたい知識は、まだまだたくさんあります。

ぜひ、その他の関連記事も読んで参考にされてみてください。