グルーガンとボンドの違いは何?特徴や剥がし方などについて解説します
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皆さんはグルーガン(ホットボンド)とボンドの違いについてご存知でしょうか。
どちらも接着させるための道具ですが、使い分けなどイマイチよく分からない方も多いと思います。
ということで今回は、グルーガンとボンドの違いや剥がし方などについて解説していきます。
グルーガンとは
グルーガン(ホットボンド)とは、樹脂や熱で変形しやすいプラスチックを溶かし、接着するツールです。
具体的にはスティック状のプラスチックを使い、グルーガン本体の後ろに差し込みます。そして本体で熱されたスティック状のプラスチックが溶けて、グルーガン本体の先端から飛び出し対象部位を接着していきます。
スティックを押さえつけている部分は可動するため、グルーガンのトリガーを引けばスティックが本体へ押し込まれ仕組みです。
この仕組みにより、まるで銃を握るように溶けたプラスチックを溶かして押し出し、接着していくことができます。
どんな作業に必要?
グルーガンの接着力はあまり強くありません。そのため、仮止めや工作など目的で使われることが多いです。
ただし接着できる素材は幅広く、プラスチックの他にも金属や木材、布製品への接着も可能です。
今では100円ショップでも手に入りやすく、ホビーや軽作業の用途として広く使われています。もっと大きな用途になると、工場で連続作業用に使われるのも特徴の一つです。
あまり接着力を求めない部位では、グルーガンをメインの接着剤として使用することが多いと思います。
ボンドとグルーガンの違いについて
似たような道具として、ボンドがあると思います。このボンドとグルーガン、どういった違いがあるのか、正直わかりづらいのではないでしょうか。
この章では、ボンドとグルーガンについて解説していきます。
ボンドとは
ボンドは、おもに木工用接着剤として使用されます。
成分は酢酸ビニル樹脂というもので出来ていて、水性系の接着剤として知られています。
ちなみに、一言でボンドと言っても速乾タイプのものや金属用、皮革、ゴム用といった用途のものがあり、さまざまな種類が多いのも特徴です。
基本的に使用する際は温める必要はありませんので、接着部にそのまま使用し、材料同士を圧着させて硬化させます。
一度硬化したものは熱で溶けることがなく、固着したままです。しかし元は水性系なので、水と熱を加えると軟化します。
ボンドとグルーガンの違い
ボンドは水性系の接着剤で、塗って硬化することにより接着させます。
一方、グルーガンの場合は熱で溶けたプラスチックを塗り、冷えて固まった際の固着力を利用する仕組みです。
大きな違いは、接着剤に熱を使うか使わないかという部分が大きいです。
グルーガンは、溶かし出して数分もすれば固まるため、ボンドのように強度を求めず、すぐに接着したい場面で利用されます。
ですので、ある程度の接着強度を持たせたい場合は、ボンドを利用することをオススメします。ただし固着に時間がかかるため、大量に接着する箇所がある場合は、その他の接着剤が適しています。
グルーガンとボンドのメリットとデメリットについて
グルーガンとボンドを比較すると、それぞれメリットとデメリットが浮かび上がってきます。
それぞれの違いを理解した上で、最適な商品を選択しましょう。
グルーガンのメリットとデメリット
グルーガンのメリットは、なんといっても速やかな接着が可能なことです。
熱するまでは少し時間がかかるものの、規定温度まで上昇すればどんどん作業を行えます。
また一定の強度があるため、仮止めにも最適です。速やかな作業と一定以上の強度を求められる場面では、かなり扱いやすいでしょう。
反対にグルーガンのデメリットとして、強度の弱さが挙げられます。
仮止めとしては十分なものの、強度を求める場面では少し心もとないです。
例えば布製品に貼り付けても、洗濯を繰り返せばいずれ取れてしまうでしょう。
しっかり接着する場面であれば、別の接着方法を検討したほうが良いかもしれません。
ボンドのメリットとデメリット
ボンドのメリットは、強度のある接着が可能なことです。
とくに接着で熱を使うわけでもありませんし、サッと取り出してすぐ使用できます。
そして接着に時間がかかるものの、硬化後はかなり強力な接着力を発揮。ものによっては、接着部位が材料ごと剥がれてしまうほど、固着力が強いものもあります。
ボンドのデメリットは、硬化時間の長さです。すぐに使用したい場合や作業順序がある場合、硬化時間に手間を取られてしまう場合もあります。
またある程度接着にはコツがいるため、正しく接着できていなければ固着力は弱くなってしまうのです。
その場合また硬化時間を待ち、正しく接着できているか確認しなくてはなりません。
そういった手間を踏まえれば、強力に接着ができるボンドは頼もしい存在です。
素材の違いで強度(接着力)は変わるのか?
グルーガンは素材によって、強度に差が出ます。
ただし素材と言っても、グルースティックの素材と貼り付ける素材で差が出てしまうでしょう。
グルースティック自体の素材で接着力が変わる
グルースティックの素材は、実はメーカーにより配合が異なっています。
ただし厳密にメーカーごとの強度を公表しているわけではないため、正確に調べるなら使用しなければわかりません。
またグルーガンに使用できる直径は企画で決まっており、7mmと11mmという決まりがあります。
直径に関しては強度に影響しないので、同じ直径のグルースティックを使用して試すのが無難です。
接着する素材でも強度は変わる
グルーガンは素材によって接着力が大きく変わります。面積が広ければ接着力も増しますが、素材の相性が悪いと接着力は悪いです。
とくに木材やプラスチック同士の接着力は強く、広い面積で貼り付ければそうかんたんには剥がれません。案外ガラスもしっかり貼り付きます。
反対に金属、ゴム素材同士の接着力は弱いです。貼り付けたあと、軽い力でかんたんに剥がれてしまいます。
もちろん表面の汚れも関係しますので、接着時はしっかりと洗浄してから使うと良いでしょう。
温度の違いで強度(接着力)は変わるのか?
グルーガンは温度によっても強度が変わります。
具体的にはグルーガンに装填されるグルースティックの温度により、強度の差が出る仕組みです。
グルースティックは大きく分けて2種類があります。
グルーガンに使われるグルースティックは、溶ける温度によって2タイプが出回っています。
【グルースティックの種類】
- 融点が低い120~130度のタイプ
- 融点が高い160~230度のタイプ
商品によって多少の誤差はありますが、大きく分けてこの2タイプに分かれます。
グルースティックの融点を分けている理由は、素材そのものを溶かしてしまわないようにするためです。
融点が高いタイプですと、そのまま送り出せば融点の低いプラスチックを溶かしてしまうかもしれません。
高い温度で出した結果、素材そのものを溶かしてしまっては意味がないでしょう。
そのため市場には2タイプのグルースティックが出回っており、強度を選ぶ要因となっています。
多くは融点の低いタイプが主流です。
温度によって強度に差が出る理由
融点が低いタイプですとスティック本体が柔らかく、低い温度でも溶けやすいため強度がありません。
しかし融点が高いタイプはスティック自体も固めになっており、溶かすのにも温度が必要です。
例えばカー用品でグルーガンを使った場合、夏の車内で溶けてしまい、強度が落ちて落下することもあります。
安定性の高いグルースティックを使えば、多少温度が上がっても十分接着する力を保てるのです。
グルーガンの耐水性について
グルーガンはそもそも水を弾く素材になっているため、耐水性は十分にあります。
水にかかったくらいでは、強度が低下することはありません。
ただし作業中に水がかかってしまった場合、温度が低くなってしまうので接着不良を起こす可能性はあります。
また布製品の場合、接着している部位が湿潤→乾燥を繰り返すことで、徐々に剥がれてしまう可能性も高いです。
グルースティック自体に耐水性はあっても、接着力自体がそこまで強くありません。できるだけ水が長時間かかるような場所には使用しないほうが良いでしょう。
グルーガンの劣化に注意!何年くらいで劣化する?
グルーガンはその仕組みにより、熱を加えて温めるだけのシンプル構造です。
通常使用ではなかなか壊れにくいものの、徐々に劣化して温度が上がらなくなってきます。
例えば安価なグルーガンに使用されているPTCヒーターは、構造がかんたんで安価です。しかし強い衝撃があると割れてしまうこともあります。
そのため劣化に関わらず、使い方次第ではすぐに寿命を迎えることもあるでしょう。
ホビー用途で使う場合、10年以上も使い続けている方がいらっしゃるほどです。
毎日使い続けていたとしても、劣化が現れ始めるのはおおよそ2~3年となっています。
ただしこの年数はあくまで目安であり、使い方や製品の耐久性によっても変わるものです。
もし利用し続けていて温度が上がらなくなってきた、ホットボンドが出てもすぐ固まってしまう状況なら注意しましょう。
グルーガンの選び方について
グルーガンの選び方は、おもに以下の3点を中心に選びましょう。
- 溶解温度
- 電源方式
- 対応グルースティックのサイズ
溶解温度は、メーカーや製品ごとによって異なります。
強度を求めるなら高温度まで熱することができるタイプを選び、グルースティックも融点が高いものを選びましょう。
ただし接着しようとする素材の融点が低いと、溶かしたグルースティックで溶けてしまいます。
どんなものを接着するのか踏まえた上で、溶解温度を選びましょう。
そして電源方式は、とくに何もなければAC電源式を選ぶと良いです。場合によっては電源が取れない場所で、乾電池式を選ぶことがあります。
しかし乾電池式はあまり稼働時間が長くなく、電池交換の手間と頻度を考えるとあまりコスパはよくありません。
グルーガンを多用する必要があり、電源がどうしても取れない場所で作業を行う場合、乾電池式を選択してください。
また対応グルースティックのサイズも要注意です。ほぼ主流なのは7mmですが、グルーガンによっては11mmのものもあります。
直径が太いものはたくさん溶解できるため、一度にグルーを出せる量が変わるでしょう。
ただし7mmのほうが入手しやすいので、選んだグルーガンの対応直径サイズも確認しておきましょう。
【素材別】グルーガンの剥がし方について
では素材別に応じて、グルーガンの剥がし方について解説していきます。
もし間違って接着してしまった場合に備え、予備知識として押さえておきましょう。
金属
グルーガンでつけた金属は、あまり接着力が高くありません。金属自身も強度があるため、手で引き離せば剥がれやすいです。
ただし表面に塗装を施している場合、塗装が剥がれてしまう可能性もあります。
どうしても塗装を剥がしたくないなら、ドライヤーで温めましょう。
温めて少しずつ熱を持てば、強度が落ちてきます。十分に温まった段階で引き剥がしてみてください。
ただし温めすぎると金属自身が熱を持つため、ヤケドしないように注意が必要です。
布(服)やフェルト
布製品に貼り付けたホットボンドは、繊維に入り込むため非常に剥がしづらいです。
繊維に入り込むと表面積も上がり、非常に強い接着力を発揮する場合があります。
有効な手段としては、ドライヤーを使うと同時にアイロンも使ってみると良いでしょう。
あまり強く引っ張ると布が破れたり、変形してしまったりします。十分に温めてから引き剥がしてみてください。
木
木材とグルーガンは相性が良く、非常に強度の高い接着を見せてくれます。
そのため引き剥がす際は少し苦労するかもしれません。十分に温めて、ゆっくり力を加えながら剥がしていきましょう。
木材表面にグルーが残ってしまった場合は、温めながら先の平たいものでこそげ落とすようにしてください。
あまり強くやってしまうと、表面を痛めたり木の繊維も一緒に剥がれたりします。
プラスチック
低温用のグルースティックを使用している場合は、少し温めればすぐに取れます。
しかし高温用のグルースティックだと、かなり強固に接着されているはずです。
とくに既製品の場合、プラスチックに接着する場合は高温用を使用していることがあります。
もし本体を水に漬けても大丈夫なら、十分に温めたお湯へ漬けてみましょう。
ドライヤーで局所に熱を与えた場合、変形してしまう恐れがあります。お湯で十分に温め、取り出してから剥がすようにしてみてください。
プラスチック全般は基本的に熱へ弱い傾向です。ゆっくり温めながら実施するのがベターです。
まとめ
今回はグルーガンとボンドの違いや剥がし方などについて解説していきました。
電動工具について知っておきたいことは、まだまだあります。
ぜひ、その他の関連記事も読んで参考にされてみて下さい。
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