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電子丸ノコとは?電気丸ノコや造作丸ノコとの違いも解説します

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皆さんは電子丸ノコをご存知でしょうか。通常の電気丸ノコの言い間違いではなく、実はきちんと存在する丸ノコのひとつです。

電子丸ノコの他にも造作丸ノコやリフォーム用丸ノコなどが存在しますが、工具知識を勉強中の方が見聞きすると少し混乱するかもしれません。

ということで今回は、電子丸ノコと電気丸ノコの違い、造作丸ノコとの違いなどを中心に解説していきたいと思います。

ぜひ、丸ノコ選びの参考にされて見て下さい。

 電子丸ノコとは?

 

丸ノコの中でも、電子的な制御を可能にした「電子丸ノコ」という工具があります。電子丸ノコは、搭載しているモーターの制御をより複雑化することで操作性が高く、精密な切断作業が楽になる電動工具です。

電子丸ノコはモーターのコントロールを電子制御でおこなっていますので、下記のような特徴があります。

  • 本体重量が軽い
  • ソフトスタート機構
  • 回転数を維持できる
  • 安全性が高い

それぞれの特徴について解説していきます。

本体重量が軽い

電子丸ノコは一般的に、比較対象として挙げられる「電気丸ノコ」よりも軽くなっています。その理由としては、電気丸ノコよりもモーターなどの部品が電気丸ノコよりも小型のパーツが搭載されていることにあります。

そのため、回転数も電気丸ノコと比べると抑えられており、コントロールがしやすい特徴があります。

ですが、モーターなどのパーツ類を小型化したことでデメリットとして電気丸ノコよりもパワーが劣り、使用場面を選ぶ工具となっています。

ソフトスタート機構

電子丸ノコには回転数を検知する仕組みが備わっており、回転数に応じた制御を行っています。

例えば負荷がない場合、無制御時の80~85%ほどで制御するというような感じです。

そして、その回転数の制御はスタート直後も同じで、刃を回し始めるタイミングで制御がかかり、ゆっくりと回転を始める仕組みが採用されています。

いきなりトップスピードを目指すものと違い、非常に安全性が高いです。

ソフトスタート機構は、電子制御が備わった電子丸ノコのみに搭載されています。

回転数を維持できる

回転数を常に制御している電子丸ノコは、負荷が上がった際にも回転数が落ちないよう制御されています。

例えば丸ノコで硬い木材を切ろうとすれば、負荷が上がって回転数は落ちてしまいます。AC電源式であれば粘り強く作業ができるものの、充電式ではバッテリーの残量次第でパワーが落ちてしまうこともよくありました。

しかし電子制御を行う丸ノコであれば、負荷が上がった瞬間にパワーを上げるよう調整されます。

スピードが一定なので切断面が変わる心配もなく、切り口がきれいです。

※ただしあまりに強い負荷が加わった際は、回転数が下がる場合もあります。

安全性が高い

電子丸ノコの大きな利点は、回転数を細かく状況に合わせて制御できることです。つまり回転数が下がってほしい場面でしっかり調整できるため、安全面への配慮が可能になりました。

強い抵抗力が加わったときは、無理に押し進めると事故につながる場合もあります。

そういった場合は回転数を下げ、故障するリスクも下げられるのが利点です。またソフトスタート機構により、刃物を高速回転させる丸ノコの危険性も少なくしています。

電気丸ノコとの違いについて

同じ形状をしているもので、「電気丸ノコ」というものもあります。見た目は同じですが、機能性は全く違うので注意が必要です。

具体的には下記のような違いがあります。

  • 回転数の制御
  • パワー
  • 静音性
  • 価格

それぞれの違いについてポイントを解説していきますので、参考にしてください。

回転数の制御

電気丸ノコは電子制御を行う機能が搭載されておらず、回転数の調整が行えません。そのため電源をONにした瞬間から、トップスピードまで刃の回転が上がり続けます。

同時に電気丸ノコは回転数の変動が起こりやすく、負荷のある作業を行えば回転数が下がりやすいです。回転数を維持するためには、切断時のスピードを人力で調整するか、硬い部分を避ける必要があります。

あまり負荷の強い作業をし続ければ、本体が焼き付いて故障するリスクもあるでしょう。

パワー

電子丸ノコの場合、電子制御を行う一方でピーク時のパワーを抑えられてしまいます。

しかし電気丸ノコは電源ONからトップスピードを目指すため、あえてパワーを抑える機構は搭載されていません。

そのため切断パワーは電気丸ノコのほうに分があります。仕組み的にもパワーを求める方が使いやすいので、設計上も大きなモーターを使用していることが多いです。

扱いやすさや軽量、機動性を考えないのであれば電気丸ノコのほうがパワーはあります。

静音性

電子丸ノコは状況に応じて回転数を変えるため、必然的に静音性も高まります。反対に電気丸ノコは常にハイパワーでの運転になるので、どうしても作業によって騒音が発生しやすいです。

作業音を気にしなくても良い環境なら、問題はありません。しかしあまり作業音が出せない環境であれば、電気丸ノコの使用がデメリットになる場合もあるでしょう。

静音性を求めるなら電子丸ノコを利用したほうが良いです。反対に作業音を気にしなくても良いなら、電気丸ノコの利用も検討対象となります。

価格

電気丸ノコは構造が複雑ではなく、部品点数も少ないです。電子丸ノコは回転数の制御に必要な電子部品と、回転数を監視する部品がそのまま価格に反映されます。

そのため電子丸ノコのほうが価格は高くなる傾向です。少しでも価格を抑えたいのであれば、電気丸ノコを選ぶと良いでしょう。

もちろん価格に見合ったメリットが電子丸ノコにはあるので、よくほかの特徴も押さえながら選ぶ必要があります。

造作丸ノコとは?電気丸ノコや電子丸ノコとの違いについて

造作丸ノコは、おもに電気丸ノコの進化版という位置づけです。名前に「造作」がつくように、精度が高いものとして販売されています。

造作丸ノコの特徴

造作丸ノコは、おもに精度へ影響する機能面で差別化が図られています。かつて電気丸ノコは鉄板ベースで作られていました。

鉄板ベースは安価な一方でサビや歪みが発生しやすく、耐久性は高くありません。そこでアルミベースを採用し、操作性と切断精度を高めながら耐久性を併せ持つことに成功。

メーカーは差別化を図るため、造作丸ノコというネーミングで販売を開始したのが始まりです。

現在では安価な電気丸ノコにもアルミベースが使用されるようになり、かつての電気丸ノコとの差は少なくなっています。

しかしより精度へ特化すべく、下記のような違いを設けている場合も。

  • 一般的なアルミベースよりも厚みや剛性を高めている
  • 材料のバリを抑えるため、ベースの刃口部分にある切込みを可動式に変更
  • ベースの歪みを調整可能
  • 付属品が充実(例:ロングガイド付属)

各メーカーによって違いはあるものの、一般的に精度が高まるような位置づけで打ち出している場合が大半です。

電気丸ノコや電子丸ノコとの違いについて

現在市販されている造作丸ノコは、ほぼ電子造作丸ノコが大半です。つまり電気丸ノコと電子丸ノコの優位性を保ちつつ、より精度を求める作業で力を発揮する違いがあります。

例えば切断時に精度を求める家具製作は、造作丸ノコを使用したほうが良いでしょう。反対に建築現場やDIYでの利用なら、電気丸ノコでも十分な場合が大半です。

よりプロ仕様として精度を求める際、選択肢に入るのが造作丸ノコと言えます。

メーカーはユーザーがしっかりと区別をつけられるよう、「造作丸ノコ」「造作用精密」という名称をつけているのがポイントです。

造作・丸ノコと組み合わせて検索をかければ商品にたどり着きやすいので、ぜひ探して見る際はキーワードを意識して探してみましょう。

電子丸ノコと電気丸ノコ、造作丸ノコの使い分けは?

 

電子丸ノコや電気丸ノコ・造作丸ノコと聞いて、「結局どの丸ノコを選べばいいかわからない」と思う方もいらっしゃるでしょう。

具体的に使い分けのシーンをそれぞれ解説しますので、悩まれている方はぜひ参考にしてください。

電気丸ノコを選ぶ場合

電気丸ノコはパワーもあって一番安価なので、初心者が選びやすい丸ノコでもあります。

構造もかんたんなため、幅広いシーンで利用できるのが特徴です。

  • 建築現場
  • DIY
  • 木材の切断全般

ただしデメリットとしては、電源を入れた瞬間からフル回転なので初心者には扱いづらいです。扱い方を知らなければ安全性は低くなりますし、連続使用で負荷が高まれば故障のリスクも高まります。

安価で幅広く利用できるものの、扱い方を知っていなければ狙ったとおりの作業ができない場合もあるでしょう。

電子丸ノコを選ぶ場合

電子丸ノコは電気丸ノコに電子制御が加わった、より繊細な回転が行える丸ノコです。

やや電気丸ノコよりも高価になるものの、安全性の高さは初心者向きと言えるでしょう。

  • 静音性を求める場合
  • 扱いやすさを重視する場合
  • パワーをあまり必要としない場合

電子丸ノコは回転数の制御が行えるので、より繊細なカットが行えます。もちろん幅広いシーンで使えますが、ややパワーは不足気味になってしまうでしょう。

静音性を求める場合や、まだ丸ノコを使い慣れていない初心者には最適な選択です。

造作丸ノコを選ぶ場合

造作丸ノコは大半が電子制御を搭載した「電子造作丸ノコ」となっており、より精度の高いカットが行えます。

もちろん一般用途でも使えるものの、その分コストがかかってしまうので精度に特化した作業で使用するのがベストです。

  • 家具の制作
  • 仕上げ剤や取り付け材の合わせ作業

以前までは鉄板ベースとアルミベースで区別がされていました。しかし現在では安価な電気丸ノコもアルミベースが使われているため、大きな違いはなくなりつつあります。

もし精度が求められる作業を中心に行うのであれば、造作丸ノコを選ぶと良いでしょう。

初心者の場合は精度よりも操作に慣れることが必須なので、安全に使える電子丸ノコを選ぶのがおすすめです。

電気丸ノコが得意な作業と苦手な作業について

電気丸ノコは構造がかんたんで安価です。入手もしやすく、幅広いシーンで扱えるものとなっています。

しかしどんな作業が得意で、苦手な作業はどんなものがあるのかわかりづらいです。

そこで具体的な得意・不得意な作業を解説していくので、どんな状況で選べばいいか悩む方は参考にしてください。

電気丸ノコが得意な作業

電気丸ノコはパワーがあるため、ガシガシ木材をカットしていくのに向いています。またあまり精度を必要とせず、大まかな切断やスピード重視の作業が得意です。

以前までは充電式だとパワーが弱く、少々扱いにくいものもありました。

しかし最近ではバッテリー技術の進歩に伴い、安価な充電式の電気丸ノコでもパワーが十分に出ています。

電気丸ノコが不得意な作業

電気丸ノコはパワーがあって作業性は高いものの、精度面ではやや不利です。例えば回転数が一定なため、送りが早すぎると負荷も高まって回転数が落ちます。

すると切断面が荒れたり、安全性が低くなったりすることもあるでしょう。パワーがあって作業性はあるものの、より正確なカットを求める場面は不得意です。

電子丸ノコが得意な作業と苦手な作業について

 

電子丸ノコは回転数を監視し、最適な回転数を調整する丸ノコです。具体的に得意な作業と不得意な作業があるので、それぞれ詳しく見ていきましょう。

電子丸ノコが得意な作業

電子丸ノコが得意な作業は、安全かつ静音性を高めたカットです。回転数が制御されるため、パワーが必要なときは回転数をアップ。

反対に本体へ負荷がかかった際、過剰にパワーを発揮すると故障リスクがある際はパワーダウンを行います。始動時もゆっくり刃が回り始めるので、非常に安全性が高いです。初心者にも最適な丸ノコと言えるでしょう。

最適な速度でカットできると、静音性にもつながります。どうしても音を大きく出せない場合も重宝しやすいです。

電子丸ノコが不得意な作業

電子丸ノコは回転数を制御している反面、パワーを必要とする作業が不得意です。幅広い場面で使えるものの、パワー不足が感じられる可能性もあるでしょう。

とはいえ回転数を除いてその他の機能は電気丸ノコと遜色ないため、安全にカットできるメリットは大きく感じられるはずです。

造作丸ノコが得意な作業と苦手な作業について

造作丸ノコはより精細なカットが行える丸ノコです。具体的に得意な作業と苦手な作業をまとめましたので、ぜひ参考にしてみましょう。

造作丸ノコが得意な作業

造作丸ノコは多くの場合、電子制御がセットになっています。家具や合わせ作業といった、より精度を求める作業で力強い味方になってくれるはずです。

ほかにも付属品がより精度を求めるものに特化していたり、ベースの強度が上がっていたりと耐久性も高まっています。

造作丸ノコが苦手な作業

造作丸ノコは精度が高い反面、素早く大まかにカットしていく作業はやや苦手です。精度に特化した丸ノコである以上、やや大振りな作業には向いていません。

そして電子制御がついた造作丸ノコの場合、余計にパワー不足を感じてしまう場面もあるでしょう。

スピード重視や力強いパワーを求めるのであれば、電気丸ノコを選んだほうが良いです。

まとめ

今回は電子丸ノコと電気丸ノコの違い、造作丸ノコとの違いなどを中心に解説してきました。

この他にも、知っておきたい工具の知識について解説した記事がありますので、ぜひ、その他の記事も参考にされてみて下さい。