エアコンの省エネ基準が改正!【2027】値上げ前に買い替える理由
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2027年度から家庭用エアコンの省エネ基準が大幅に改正されます。
新基準対応のための部品刷新や設計変更により、本体価格の上昇が避けられません。
改正直前には駆け込み需要による品薄や値上げも予想されるため、購入を検討している方は早めの決断が重要です。
この記事では、基準改正の詳細から買い替えのベストタイミング、失敗しない選び方まで徹底解説していきます。
「2027年問題」とは?エアコン省エネ基準の改正ポイント

2027年度から、家庭用エアコンの省エネ基準が大幅に見直されます。
今まで「省エネ」とされていた多くのモデルが基準未達となり、低価格帯を中心に順次の生産終了・ラインナップ置き換えが進む見込みです。
そこで初心者でも理解できるように、背景から改正の具体的な内容までを整理したので、さっそく見ていきましょう。
なぜ今、省エネ基準が見直されるのか
政府は2030年度までに、家庭部門の温室効果ガス排出量を「2013年度比で46%削減する」という目標を掲げています。
その中でもエアコンは家庭の電力消費に占める割合が高く、省エネ性能の底上げが不可欠です。
さらに冷媒ガスの地球温暖化係数(GWP)の問題もあり、環境負荷を下げる製品開発を早期に実行させなくてはなりません。
つまり「快適さを維持しながら消費電力を減らす」ことが社会的に強く求められているのです。
APF(通年エネルギー消費効率)とは
省エネ基準を語る上で欠かせない指標が「APF(Annual Performance Factor)」です。
この指標は1年間を通じて冷暖房を行ったときに、どのくらい効率良く電力を使えるかを表しています。
※計算式は「1年間に必要な冷暖房能力 ÷ 1年間の消費電力量」。
そのためこの値が大きいほど、単純に「省エネ性能が高い」と言えるでしょう。
エアコンのカタログや統一省エネラベルにも必ず記載されており、消費者が省エネ性を見極める重要な目安となっています。
改正で何が変わる?旧基準との比較
2027年度の改正では、現行基準に比べて約13.8~34.7%の効率向上が求められます。
たとえば冷房能力2.2~3.2kWクラスの基準値だと、APF5.8から6.6へ引き上げられる見込みです。
これにより旧基準では「省エネ」とされていた多くの製品が基準未達となり、市場から姿を消す可能性が高まるでしょう。
また統一省エネラベルやカタログの表示方法も刷新され、星の数や達成率がより厳密に表示されます。
消費者から見ると、製品間の性能差を直感的に比較できるのはメリットです。
買い替えるなら今!2026年までがラストチャンス

2027年の省エネ基準改正により、現行の多くのモデルが販売終了や値上げ対象となります。
2026年末には駆け込み需要で品薄や価格高騰も予想され、希望するモデルを入手できないかもしれません。
そこでここからは、下記2点について整理していきます。
- 今のうちに買うべき理由
- 待つデメリット
購入しようか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
2027年以降に起こる3つの変化
2027年の省エネ基準改正は、エアコン市場に大きなインパクトを与えます。消費者に直接関わる変化を見ると、大きく分けて下記の3つです。
- 旧基準モデルの販売終了
- 本体価格の上昇
- 在庫不足・品薄リスク
こうした変化を見据えた場合、「待つデメリット」のほうが大きくなるため、早めの買い替えが安心だと言えます。
旧基準モデルの販売終了
現行基準を満たしていない製品は、順次市場から姿を消します。
とくに価格重視のエントリーモデルは基準未達となる可能性が高く、低価格帯の選択肢は大幅に減少する見込みです。
本体価格の上昇
新基準対応のために部品や設計が刷新され、製造コストが上昇するのは避けられません。
さらに基準未達モデルの淘汰によって「安さで選べる機種」が減り、部材価格・設計刷新・ライン再構築の影響で価格上昇が見込まれます。
※価格の上昇幅はメーカーやクラスで変動。
在庫不足・品薄リスク
改正直前の2026年末には、「今のうちに買いたい」という駆け込み需要が集中しやすいです。
その結果、人気機種は品薄・納期遅延・値上げが同時に発生し、希望するモデルを入手できないケースが懸念されます。
今のうちに選ぶべきモデルの特徴
「どうせ買うなら基準改正後の最新機種を…」と考える方もいますが、実際には今のうちに買ったほうが良いケースは多いです。
とくに注目すべきポイントを見ていきましょう。
- 18畳以下クラスで省エネ基準をすでにクリアしているモデル
- 中級~上位クラスの省エネ性能が高い機種
- 付加価値機能があるモデル
つまり「基準達成済みモデル」「ミドルクラス以上」「付加価値あり」の3点を意識すれば、改正を待たずとも十分に安心・お得に購入できます。
18畳以下クラスで省エネ基準をすでにクリアしているモデル
一部メーカーは改正を見越して、現行機でも新基準を達成しているシリーズを展開しています。
こういった機種は「価格据え置きで基準をクリア」しているため、買い時を逃さない選択肢です。
中級~上位クラスの省エネ性能が高い機種
エントリーモデルは基準未達になる可能性が高い一方、ミドルクラス以上は長期利用を想定した高効率設計です。
とくに「APF値が高い」「★マークや達成率が90%以上」といったモデルは、将来的に後悔しにくい選択肢となります。
付加価値機能があるモデル
新基準では性能が一辺倒になりがちですが、現行機でも生活を快適にする機能が搭載されたモデルはあります。
・スマホ連携
・人感センサー
・空気清浄機能付き
省エネ性と快適性を両立できるモデルを選んでおくと、より満足度が高まります。
新基準で価格はどう変わる?製造・市場への影響

2027年の省エネ基準改正により、エアコンの価格は上昇が避けられません。
性能強化のために部品追加や設計変更が求められ、従来の低価格モデルは姿を消す可能性もあるでしょう。
ここでは製造現場や市場に与える影響を整理します。
部品や製造工程のコスト増
エアコンの省エネ基準改正に伴い、部品や製造工程に大きなコスト増が生じると予想されています。
冷媒や基板の刷新、省エネ性能を満たすための新技術導入が必要となり、結果的に販売価格へ転嫁される見込みです。
従来のエアコンは、効率性よりもコストを抑えた設計が中心でした。
しかし2027年基準だと、APF数値の大幅な向上が求められます。従来部品では対応しきれません。
具体的には以下のようなコスト要因が挙げられます。
■冷媒の転換コスト:地球温暖化係数(GWP)の低い冷媒に置き換える必要があり、開発・充填工程の見直しが不可欠。
■制御基板やインバーター強化:高効率化のため制御回路を刷新。部品単価が上昇するほか、生産ラインの調整も発生。
■熱交換器の大型化・高性能化:従来よりも表面積を拡大する設計となり、銅やアルミといった金属資材の使用量が増加。
こうした負担が積み重なることで、1台あたりの製造コストは数%~20%程度上昇すると予測されています。
結果として現在の低価格モデルは淘汰され、中価格帯以上のモデル中心に再編される可能性が高いといえるでしょう。
7割の機種が基準未達に
現行機の相当数が置き換え対象になる見込みで、廉価帯は影響が大きいと見られます。
低価格帯モデルは姿を消し、市場構造が大きく変化する見通しです。
つまり現行基準では「省エネ性能が十分」とされていたモデルも、改正後は非達成扱いとなってしまうでしょう。
具体的にはAPFで13~35%の効率向上 が求められるため、旧設計のままでは基準をクリアできません。
とりわけエントリーモデルや廉価版シリーズは、価格を抑えるために簡易設計や小型熱交換器を採用しています。この部分がボトルネックです。
そのため2027年以降は販売ができず、ラインナップの大幅な整理が進む可能性があります。
一方で中~高価格帯の製品は技術的に対応可能なものが多く、基準を満たしたモデルに移行する可能性が高いでしょう。
※その分、製造コストや販売価格は上昇。消費者にとっては実質的な「値上げ」となります。
改正は「低価格モデルの淘汰」と「価格上昇」を同時に引き起こす要因となり、消費者が選べる選択肢は大きく変わる見込みです。
失敗しないエアコン選びのコツ:省エネラベルとAPFの見方

エアコン選びで迷ったとき、判断の拠り所になるのが省エネラベルです。
緑やオレンジといった色分けや達成率の数字を理解すれば、電気代や将来のコストを具体的にイメージできます。
ここではラベルの見方と選び方のコツをまとめました。
緑マークとオレンジマークの違い
結論から言えば、緑マークは「基準を満たした省エネ性能の高い製品」、オレンジマークは「基準未達で将来リスクを抱える製品」を意味します。
※同じ達成でも達成率(%)が高いほど省エネ性が高いです。
購入前にこの違いを理解すれば、長期的な損得を左右できるでしょう。
緑マークがついたエアコン
緑マークが付いたエアコンは、省エネ基準をクリアしています。電気代を抑えつつ環境にもやさしいモデルです。
統一省エネラベルには「達成率100%以上」と表示され、最新基準に準拠していることが保証されています。
オレンジマークがついたエアコン
オレンジマークの付いた製品は「基準未達(達成率100%未満)」です。
購入価格は安めでも、運転時の消費電力が多く、電気代も高くなってしまう傾向にあります。
さらに基準改正後は、市場から姿を消す可能性が高いでしょう。修理部品の供給や、サポート面で不安が残る点もデメリットです。
長期的には緑マークモデルを選ぶのが無難
例えば同じ畳数用エアコンでも、緑マークのモデルなら年間の電気代が数千円以上安くなるケースもあります。
短期的にはオレンジマークの安さが魅力に映るものの、10年使うと大きな差となるでしょう。
「初期費用の安さ」か「長期的な安心」かを天秤にかけて、自分に合う最適な製品を選択してみてください。
非達成モデルも選択肢?後悔しないための判断基準
短期利用や限定的な用途なら非達成モデルもありですが、長期的に安心して使うなら緑マークを選んだほうが後悔はありません。
オレンジマーク(非達成モデル)も「条件次第では選択肢になり得る」が、長期的には慎重な判断が必要です。
まず非達成モデルを選ぶ最大のメリットは、「初期費用の安さ」にあります。
省エネ性能を重視していないため、在庫処分で値引きされやすいでしょう。短期的に出費を抑えたい人に向いています。
- 夏場だけ使う
- セカンドルーム用
利用頻度が少ないケースでは、十分に役立つこともあります。
ただしデメリットも無視できません。基準未達のため消費電力が多く、年間の電気代は達成モデルより高くつきます。
さらに省エネ基準の改正後は製造・販売が終了する可能性が高く、将来的に修理部品やメーカーサポートの継続が不安定になる点もリスクです。
「初期費用5万円ほど安いが、10年間の電気代で差額を上回る」といったケースもあり得ます。
結果的に「安物買いの高コスト」になる可能性があるため、購入前には必ず電気代の試算とサポート体制の確認を行ってみてください。
省エネで得する?電気代・環境コストから見た長期メリット

エアコン選びで見落としがちなのは、購入後にかかる電気代や環境負荷です。
省エネ性能の高いモデルは初期費用こそ高めでも、10年単位で見ると光熱費を大きく抑えられるでしょう。環境への貢献度も高まります。
ここでは「家計」と「環境」の両面から、長期的なメリットを確認してみてください。
10年間で電気代はどれだけ変わる?
6畳用エアコン(2.2kWクラス)の場合で、旧基準機種(APF5.8前後)と新基準機種(APF6.6前後)を比較してみました。
結果としては年間の電気代でおよそ、2,000~3,000円の差が出ます。10年間の使用を想定すると、合計で2~3万円以上の差になる計算です。
※電力単価31円/kWh・標準使用条件(JIS C9612相当)を前提とした試算イメージ。
リビング向けの大型モデルでは、差額が5~6万円に達するケースも珍しくありません。
つまり省エネ性能に優れたエアコンを選ぶと、10年間で数万円規模の電気代節約につながります。
逆に効率の低い旧モデルを選んだ場合、購入時は安くてもランニングコストで損をしてしまう可能性が高いです。
このように「APF値が高いモデルを選ぶ=長期的なコスト削減」という構図は明確。さらにこの効果は、環境面にも直結します。
※詳細は次章にて、「エシカル家電」という視点から詳しく見ていきましょう。
脱炭素視点の「エシカル家電」としての魅力
「エシカル家電」とは、地球環境や社会に配慮した「倫理的な選び方」を意識した家電のことを指します。
安さや便利さだけではなく、省エネ性能・耐久性・環境負荷といった要素を重視して選ぶこと。長期的に地球や社会にやさしい消費行動につながるのです。
エアコンは家庭の中でも、電力消費が大きい家電のひとつ。そのため省エネ性能に優れたモデルを選ぶのは、単なる電気代の節約だけにとどまりません。
CO₂排出量の削減=地球温暖化対策に直結します。
例えば最新モデルと旧式モデルだと、10年間で数百kgものCO₂排出差が生じることも。(自動車で数千km走行した場合に匹敵する環境効果)
また長く使える省エネモデルを選ぶことは、「使い捨てを避け、資源を大切にする」観点でも評価されます。
短期間で壊れて買い替えが必要になる製品より、最初にやや高くても耐久性や効率性に優れた製品を選ぶこと。
そのほうが結果的に、廃棄物削減や持続可能な社会づくりに貢献できるのです。
省エネ基準を満たしたエアコンは「家計にやさしい」だけではなく、「地球にやさしい」存在となります。
エシカル家電を選ぶ行動は、自分と家族の快適性を守りつつ、未来の環境にも責任を持つ選択といえるでしょう。
まとめ
今回は2027年のエアコン省エネ基準改正と、値上げ前に買い替えるべき理由を解説してきました。
現行モデルの多くが基準未達となり、製造コスト増による価格上昇は避けられません。
しかし現時点でも新基準をクリアしている機種や、中級以上の高効率モデルを選べば、改正後も安心して使い続けられます。
省エネ性能の高いエアコンは電気代削減だけでなく、環境保護にも貢献するエシカルな選択です。
2026年末の駆け込み需要を避けるためにも、今のうちに最適な一台を見つけてみてください。
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