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オートレベルの種類や選び方、墨出し器との違いなどについて解説します

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オートレベルは測量に使用する工具のひとつです。建築や土木工事で活用される機器ですが、ガーデニングやDIYへの使用可能で、きちんとした使い方や製品選びをすることで、とても心強い味方になってくれます。

ということで今回は、オートレベルの一般的な用途や家庭での活用例から、墨出し器との違い、具体的な選び方などをお伝えします。

オートレベルとは

オートレベルは地面の高さや水平度合いを計測する機器の一つです。視準線という内部機構を自動で合わせてくれる補助機能が搭載されてた製品のことを言います。

基本的には測量の基準となる点(測点)の高さを測り、2点間の高低差を計測する際に使用されます。

目視では把握できない高低差も、オートレベルを使えば正確な計測が可能になる優れものです。

公共測量などの現場ではお馴染みの道具だと思います。

オートレベルの用途について

道路や建物の設計に、基礎となる地面の把握は欠かせません。そのため水平や勾配を計測できるオートレベルは、土木や建築現場の地面調査で活躍します。

状況に合わせて計画するので、設計前の調査が必要です。基礎となる地面の水平や勾配を把握せずに、安全基準を満たす設計はできません。

調査した地面は計画や設計に合わせて整えるため、整地の確認時にもレベルを使います。

オートレベルのDIYでの活用方法について

DIYでのオートレベルの使用は限定的になりますが、導入されているケースもあるようです。

具体的な活用例としては、以下の通りです。

  • 菜園を水平にする
  • 高さの異なる花壇を作る
  • ブロックを水平に積む
  • 物置やカーポートを設置する予定地、作業スペースの整地

庭や畑に高低差をつけると、見た目がとても良くなります。土の移動や水流を工夫すれば、作業効率も上がりますので、そういうシーンでオートレベルの活用をされる場合があるようです。

ですがこの場合は、購入するよりもレンタルのほうが良いと思いますので、継続的に使用するのか?どうかの視点で、DIY用途ではオートレベルを購入することをオススメします。

墨出し器との違いについて

墨出し器はオートレベルと同様に、建築現場で活躍する機器です。しかし機器の特徴や用途は異なるため、購入する際は間違えないように注意が必要です。

ここでは墨出し器とオートレベルの違いについてお伝えします。

そもそも墨出し器とは?

墨出し器は作業に必要な線を照射する機器です。機器の本体から壁や柱に向かって、水平や垂直のレーザー光線を照射します。

具体的な用途としては、建築や建設現場の墨出し作業で使われるケースが多いです。図面に従った作業を行う現場だと、墨出し作業が欠かせません。

■墨出しについて

墨出しとは、柱の中心線や壁の仕上げ面の位置など、水平位置や中心位置となる基準線を書き出す作業のこと

 

出典元:アイゾメ「墨出しとは?仕事内容を紹介」より

墨出しとは、建築や建設に必要な線を図面に沿って明示する作業のことを指し、室内作業での使用が一般的で、墨出し器を使用して、床や壁・天井にレーザーを照射し、基準線を引いていきます。

ちなみに、墨出し器の照射できるレーザーの数はモデルによって異なり、最大は5本(フルライン)です。

レーザーが1本だけのモデルでも、横に倒して使えば水平と垂直の線を照射できますので、導入費用を抑えたい場合は、そういった選択肢もありだと思います。

ですが、視認性についてはレーザー色によって大きな違いがありますので、とくに屋外の光が指す場所での作業が多い場合は、グリーンレーザーの購入をおすすめします。

墨出し器とオートレベルの違いについて

墨出し器とオートレベルは、どちらも水平を示す機器です。しかし、両者は使用用途が異なります。

  • 墨出し器:対象物に向かって水平のレーザーを照射し、基準線のガイドに使用する
  • オートレベル:地面の高低差の測定・水準測量で使用する

具体的な用途の違いとしては、上記のとおりです。

ちなみに墨出し器はレーザーを使うため、明るい屋外では光線が見えにくくなります。そのため室内で使うケースが多く、屋外で使う場合はレシーバー(受光器)が必要になります。

一方、オートレベルは屋内外どちらでの使用も可能です。

オートレベルの種類について

オートレベルはレベルと呼ばれる機器の1つであり、数あるレベル(測量機)の中の一つの種類に属します。

レベルは種類によって使い勝手が異なり、大きく分けると4種類に分けられます。

  • ティルティングレベル
  • 電子レベル
  • オートレベル
  • レーザーレベル

一般的なレベルはティルティングレベルからオートレベルを指し、レーザーレベルは異なる用途のモデルが多いです。

ティルティングレベル

ティルティングレベルは、本体の水平を手動で調整するレベルです。まずは円形の気泡管で水平を大まかに調整し、さらに感度が高い棒状の気泡管で調整します。

棒状の気泡管は南北と東西、2方向の整準が必要です。

そのためセッティングに時間がかかる上、慣れていない方は上手く観測できません。ティルティングはチルチングとも呼ばれており、以前は広く普及していました。

しかし、オートレベルの登場により、段々と衰退していったと言われています。

電子レベル

電子レベルはデジタルレベルとも呼ばれており、電気で動かす機器です。そのため電源がある場所でしか使えません。

ほかのレベルとは測量方法が大きく異なり、標尺の数値は自動で読み取ります。

機械が数値を読み取るので、初めて使う方でも操作が容易です。測量結果に個人差がなく、データをそのまま電子野帳に保存できます。

しかし自動読み取りには、本体に合った専用の標尺が必要です。

標尺はメーカーによってバーコードのパターンが異なるので、ほかの機種と併用できません。

オートレベル

オートレベルは本体を自動で水平にするため、自動レベルとも呼ばれています。

水平にする機構は、振り子原理(ペンジュラム方式)を利用しているモデルが多いです。円形の気泡管で水平にしておけば、繊細な調整は本体に内蔵した補正装置が行います。

そのためセッティングが容易な上、設置技術による誤差が生じにくいです。非常に使いやすいので、多くの方がオートレベルを愛用しています。

取り扱っているメーカーが多く機種も豊富なため、用途に合ったモデルを見つけやすいのもメリットです。

レーザーレベル

レーザーレベルはほかの種類と違い、高さを計測する機器ではありません。

本体から水平のレーザー光線を照射するので、特徴がレーザー墨出し器と似ています。

そのため墨出し器をレーザーレベルの一種とするケースも多いです。レーザーレベルはメーカーや機能によって名称が異なります。

  • 回転レーザー
  • ローテーティングレーザー
  • レベルプレーナ

レーザーレベルは本体から光線を照射するだけなので、高さの計測にはレシーバーが必要です。また精度が劣るため、公共の測量には使用できません。

オートレベルの選び方について

使い勝手が良いオートレベルを選ぶには、キーとなるいくつかのポイントを確認するのが重要です。

ポイントを把握しておけば、現場の条件や作業内容に合ったモデルを見つけられます。オートレベルを選ぶ際のキーポイントは、以下の4つです。

  • 最短合焦距離
  • 倍率
  • 対物レンズ有効径
  • 機能

上記のポイントは、必ず商品にも記載されています。

最短合焦距離

オートレベルやカメラといったレンズを組み合わせて使う機器には、ピントの合う範囲が存在します。

そのため範囲外を見ようとしてもピントが合わず、ぼやけてしまい見にくいです。実際にピントの合う距離は1点のみですが、目視ではっきりと見える距離には幅があります。

この目視で鮮明に見える最短の距離が最短合焦距離です。

最短合焦距離が短いモデルは狭い範囲の測量に適し、長いモデルは広範囲の現場に適しています。モデルによって最短合焦距離は異なり、一般的な数値は20~75cmほどです。

倍率

オートレベルの倍率はモデルによって異なり、一般的な数値は10~30倍です。倍率は見る目標物の拡大値を表しています。

そのため倍率が高いモデルなら、遠い標尺の目視が可能です。倍率が30倍のモデルだと、30m離れた標尺が1m先のものと同じサイズに見えます。

しかし高倍率で使うためには、レンズのサイズと質も重要です。高倍率用のレンズを搭載していなければ、倍率を高くするほど暗くて不鮮明になります。

対物レンズ有効径

対物は外側のレンズを指し、接眼は覗き込む側のレンズを指します。オートレベルを高倍率で使いたいなら、有効径の大きい対物レンズが必要です。

対物レンズには光を取り込み、対象物の輪郭を鮮明にする役割があります。有効径の大きい対物レンズほど、光をたくさん取り込み明るいです。

そのため高倍率で使うなら、見合った有効径のモデルを選びましょう。しかし明るすぎても見づらくなるため、有効径と倍率のバランスが重要です。

またレンズの材質によっても見え方が変わります。

機能

オートレベルを選ぶ際に注目したい機能は、以下の4つです。

  • クランプレス全周微動
  • 防水と防じん機能(保護等級)
  • 光学式の照準器

クランプレス全周微動は、水平方向の調節をする機能です。本来は左右のねじを同時に回す作業ですが、1つのつまみを回すだけで完了します。

保護等級は家庭用なら生活防水クラスの4級以上、仕事用には悪天候でも使える6級以上がおすすめです。光学式の照準器を搭載したモデルは、目標物をとらえるのが素早い上に明るく映ります。

オートレベルのオススメメーカーと特徴について

オートレベルはさまざまなジャンルのメーカーが販売しています。

メーカーが得意とするパーツによって商品の性能は異なるので、メーカーの特徴も把握しておくと良いでしょう。

ここではオートレベルを販売している国内メーカーから、おすすめの6社をご紹介します。

シンワ測定

シンワ測定は、はかる商品に特化した測定機器メーカーです。はかる対象は長さや角度、重さや温度と多岐に渡ります。

シンワ測定が販売しているオートレベルは、倍率の高いモデルが多いです。しかし3モデルとも防水が4級なので、悪天候での使用には向きません。

  • SA-32A(倍率32X)
  • SA-28A(倍率28X)
  • SA-24A(倍率24X)

対物レンズ有効径は32Aが40mmと大きく、28Aと24Aは30mmです。最短合焦距離は32Aが50cm、ほかの2モデルは60cmと中長距離に適しています。

3モデルとも専用の三脚が付属しているため、別途で購入する必要がありません。

ニコン

ニコンはカメラやレンズの製造が得意な光学機器メーカーです。光学技術を活かしたニコンのオートレベルは、対象物が鮮明に見えます。

  • 高精度のASシリーズ(倍率34X)
  • 近距離用のAEシリーズ(倍率30X)
  • AP-8(倍率28X)
  • AC-2s(倍率24X)
  • AX-2s(倍率20X)

ASシリーズは対物レンズ有効径が45mmで、最短合焦距離が90cmなので長距離の測量に向いています。

短距離用のAEシリーズは、有効径が40mmで最短合焦距離は20cmです。ほかの3モデルは有効径が30mm、最短合焦距離が75cmで中距離に適しています。

ASとAEシリーズは目標物をとらえるのが早い上、防水が7級なので仕事用にも最適です。

タジマ

タジマは建築用のハンドツールや測定器を販売している総合メーカーです。

オートレベルは1モデルのみですが、タジマではトプコンの商品も販売しています。

  • タジマTAT-X32(倍率32X)
  • トプコンAT-B3A(倍率28X)
  • トプコンAT-B4A(倍率24X)

3モデルともクランプレス全周微動を搭載しています。対物レンズ有効径はタジマのTAT-X32が40mm、トプコンのB3Aが36mmでB4Aは32mmです。

最短合焦距離はタジマ製品が50cmで、ほかの2モデルは30cmなので近距離に適しています。

保護等級はトプコン製が防水6級、タジマ製は防水と防じんが6級です。

マイゾックス

マイゾックスは土木や建築関連の機器を製造しているメーカーです。とくに土木用の測量器材を多く取り扱っており、近年ではドローンも販売しています。

販売しているオートレベルは、GEOシリーズと大工用の2種類です。

  • GEO-32MD(倍率32X)
  • GEO-28MD(倍率28X)
  • GEO-24MD(倍率24X)
  • 大工用MA-20(倍率20X)

4モデルとも保護等級は防水が4級、防じんが5級です。浸水の耐性が低いため、悪天候での使用には向きません。

対物レンズ有効径は28MDと24MDが30mmで、最短合焦距離が60cmと近中距離に適しています。

32MDとMA-20の有効径は40mm、合焦距離の最短は50cmです。

ムラテックKDS

ムラテックKDSは一般ツールや計測機器を販売しているメーカーです。

オートレベルはRXシリーズとスタンダードモデルの2種類を販売しています。

  • RX-32(倍率32X)
  • RX-28(倍率28X)
  • RX-26(倍率26X)スタンダードモデルB40A(倍率24X)

保護等級は4モデルとも防水6級なので、雨の日でも安心して使えます。RXシリーズの対物レンズ有効径は40mm、合焦距離の最短は50cmです。

スタンダードモデルのB40Aは有効径が32mmで、最短合焦距離が30cmなので近距離の測量に向いています。

またRXシリーズは高精度のワイドレンズを搭載しているため、明るさと解像力が優秀です。

ペンタックス

ペンタックスはレンズやカメラの品質に定評がある光学機器ブランドです。オートレベルはAL-MとAPの2シリーズを展開しています。

  • AL-M32(倍率32X)
  • AL-M30(倍率30X)
  • AL-M28(倍率28X)
  • AL-M24(倍率24X)
  • AP-230(倍率30X)
  • AP-226(倍率26X)

上記のモデルはすべて全周整準ねじと、光学式の照準器を搭載しています。対物レンズ有効径はAL-MシリーズのM32とM30が45mm、M28が36mmでM24は32mmです。

APシリーズの有効径はどちらも30mmなので、高倍率の使用には向いていません。最短合焦距離は全モデル30cmなため、近距離の測量に適しています。

保護等級はAL-Mシリーズが防水6級、APシリーズは防水と防じんが5級です。

まとめ

今回は、オートレベルの一般的な用途や家庭での活用例から、墨出し器との違い、具体的な選び方などをお伝えしてきました。

この他にも電動工具については、まだまだ知っておきたいことがたくさんあります。

ぜひ、関連記事も読んで参考にされてみて下さい。

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